拳と祈り 袴田巖の生涯

劇場公開日:

解説

死刑囚として47年間の獄中生活を送った袴田巖さんの闘いの軌跡を追ったドキュメンタリー。

1966年6月に静岡県で起きた味噌会社専務一家殺人放火事件の犯人として死刑判決を受け、47年7カ月もの獄中生活を送ってきた袴田巖さんが、2014年3月に突然釈放された。プロボクサーとして青春を駆け抜けた袴田さんは30歳の時に逮捕され、無実の訴えは裁判所からも世間からも黙殺された。明日にも死刑が執行されるかもしれないという恐怖の日々を耐え続け、釈放時には78歳になっていた。

死刑囚が再審開始決定と同時に釈放されるという前代未聞の事態が劇的に報道されるなか、22年間にわたって袴田さんを追い続ける笠井千晶監督が、その舞台裏を記録。カメラは半世紀近く引き裂かれていた袴田さんと姉・秀子さんの2人の生活をとらえ、対話を重ね、袴田さんの心の内面深くに迫る。

2024年製作/159分/G/日本
配給:太秦
劇場公開日:2024年10月19日

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映画レビュー

5.0祝!自由

2024年12月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

長年に渡る感動のドキュメント映画の金字塔。姉の秀子さんが、凄すぎる。

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DnaH

5.0姉の秀子さんと笠井千晶監督の優しさ

2024年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

袴田巌さんの過酷な生涯を描いた映画ですが、秀子さんの明るさと巌さんに時折、話しかける笠井監督の温もりのある声に救われました。捜査機関に犯人に仕立て上げられようとした濡れ衣を晴らした巌さんのこれからの人生が幸あるよう願わざるを得ませんでした。笠井監督とそのスタッフのみなさまに心より感謝いたします。

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のりあき

5.0タイトルなし

2024年12月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

長い年月の取材がすごい。袴田さんの硬い表情、1日中部屋をぐるぐる歩く様子、司法の罪を思う。

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えみり

「これからはもっと巧妙にやらねば」という検察の意志表示か

2024年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 1966年の事件から58年、1980年の最高裁での死刑判決確定から44年、今年漸く再審無罪が確定した袴田巌さんの来し方を振り返り今を見つめるドキュメンタリーです。 この度の無罪確定後、静岡県警や検察は袴田さんに直接の謝罪を行っていますが、最も重要な問題である「証拠捏造」については一切言及していません。 客観的合理性よりも「組織の論理」が優先した結果としか考えられません。 それはつまり、「この時はまずったけど、これからはもっと巧妙にやらねば」という意志表示にすら感じてしまいます。

 本作では、2014年に一旦釈放されて(無罪ではない)からの袴田さんの日常生活を丹念に追っており、新聞などで伝えられる「拘禁症状」とは如何なるものかが分かります。

 時として理解出来ない言葉を口走ったり、一日中部屋の中をひたすら歩き回っている姿から、死刑判決を受けていつ執行されるか分からない恐怖に数十年間晒されて来た人が受ける抑圧の苛烈さを伺い知る事が出来ます。

 その中での唯一の救い(と言うのは他人の無責任な言い方ですが)が、巌さんの無実を信じ粘り強く再審請求を支持し続けて来たお姉さんの前向きな力強い姿です。 警察・検察・裁判所の無責任な先例主義・官僚主義は巌さんのみならずお姉さんの人生をも黒く塗りつぶしてしまったのでした。

 ただ、もっと深く紹介して欲しかったのは、こんな無理筋の「有罪」論を検察はどんな論理で押し通し、裁判所はそれを認めたのかという点です。そこをより詳細に検証する事で彼らの暴走がより具体的に明らかになり、今後の戒めにもなります。我々一般の人間には裁判記録は容易に触れられないだけにそこを知りたかったです。

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La Strada