劇場公開日 2025年2月7日

「アナログというちょっとした不便さで人は温かい気持ちになれる。」大きな玉ねぎの下で おつろくさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5アナログというちょっとした不便さで人は温かい気持ちになれる。

2025年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

以前から考えていたのですが、令和の現在は例えば交通事故を誘発するあおり運転とか、些細なことで店員にキレちらかすモンスタークレーマーとか、昭和の時代には考えられなかった人たちが多く存在しますよね。自分はこれが人と人のつながりがデジタル化しすぎて、生身のコミニュケーションが出来なくなった社会の仕組みにも原因があると考えていました。

本作では夜と昼の通常は会う事のないスタッフが、あえて連絡ノートという超アナログな方法を使って仕事が円滑に進むように努力をしてみるという目の付け所がエモいんです。最初はトイレットペーパーを誤発注したり現代っ子らしいアナログ慣れしていないところを露呈していましたが、丈流の描く力こぶマークに美優が反応して二人の距離が少しずつ近づいていくところなんか、昭和生まれの自分が観たらワクワクします。

ラストは、実際に虎太郎と今日子が玉ねぎの無人販売所で逢った時みたいに、若い二人が本音の気持ちをさらけ出して上手く心を一つにできるのが、最高の落としどころですね。続編に期待してしまいます。

おつろく