「【”手書きの綺麗な文字は会いたい人と巡り合わせてくれる。”今作は爆風スランプの名曲”大きな玉ねぎの下で”の歌詞を基に紡ぎあげた平成と令和の二つの秘めたる恋を絶妙に絡ませた物語なのである。】」大きな玉ねぎの下で NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”手書きの綺麗な文字は会いたい人と巡り合わせてくれる。”今作は爆風スランプの名曲”大きな玉ねぎの下で”の歌詞を基に紡ぎあげた平成と令和の二つの秘めたる恋を絶妙に絡ませた物語なのである。】
ー 今やPCの時代だが、年に1.2回は喫茶店で親に手紙を書く。メールでも良いのだが、何だか味気ない気がするのである。-
■今作では、令和バージョンは、同じ店の”Double"で働くが顔を合わせない昼はカフェで働く看護師見習いのミユウ(桜田ひより)、夜はバーで働く進路が決まらないタケル(神尾楓珠)とその仲間達。
平成初期バージョンは今日子(伊藤蒼)と虎太郎(藤原大祐)の秘めた恋と、彼らの文通の表面上の顔、大樹(窪塚愛流)、明日香(瀧七海)達の姿が描かれる。
そして、この物語は令和バージョンと平成初期バージョンが、絶妙に繋がっているのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・令和バージョンは、観ていて非常にまどろっこしい。どう見ても相性が良いミユウとカケル。管理ノートでは相手の事を考えて、丁寧に文章を綴っており気持ちも繋がっているのだが、面と会うとそういう関係だと知らない事もあり、会えば喧嘩ばかりである。
・一方、平成初期バージョンは病弱な今日子(伊藤蒼)と虎太郎(藤原大祐)が、お互いに写真に大樹と明日香の後ろにチョコッと映っているだけなのに、”この人だろう”と思い、手紙の遣り取りをする姿。
そして、大樹はラジオDJ(江口洋介)になり、今日子(西田尚美)と虎太郎(原田泰造)は結婚し、その息子がタケルという設定が巧い。
・そして、看護師見習いのミユウは、今日子の病室に置かれていた息子のメモの”頑張ろう”サインを見て、もしかしたら・・、と思うのである。
<だが、令和バージョンも平成初期バージョンも、”大きな玉ねぎの下で”の歌に惹かれる様に、ミユウとカケルそして今日子と虎太郎は出会うのである。(平成初期バージョンは、”小さな山盛りの玉ねぎの横で”だけれども。
今作は、爆風スランプの”大きな玉ねぎの下で”の歌詞から紡ぎあげた平成と令和の二つの恋物語なのである。サンプラザ中野くんと、サンプラザ中野もチラッと登場しています。>