ファーストキス 1ST KISSのレビュー・感想・評価
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タイムトラベルに恋愛が絡むと ほぼ100パー悲しい。
2人の関係は冷めてしまっていたが、15年間一緒に暮らしていたパートナーを失った喪失感はハンパない。
だから、カンナ(松たか子さん)は離婚届は出されなかったが事実上は他人となったにも関わらず、駈(松村北斗さん)が死なない未来にしようと過去に戻って八方手を尽くす。
しかし、何度やっても何をやっても、未来に戻ると遺影はそのままだ。それどころか、非常停止ボタン方式の時には、電車脱線事故で65名もの命が奪われてしまう。
そしてカンナは、もう駈を助けるには私とカケルが出会わなかった世界線にするしかないと覚悟を決める。
で、(かき氷が売り切れないように)ダッシュでかき氷屋に駆け込んでからの展開に胸が熱くなる。
カンナは、自分が未来から来たこと、駈が15年後に死んでしまうこと、2人の関係は冷えきり、破綻した結婚生活だったこと、カケルを救おうと何度も過去に来てイロイロやってみたがダメだった事を話す。
ここでカンナとカケルの立場の逆転が起こる。
というか、今までは未来の事実を知っているカンナ44才と知らなかいカケル29才だった。
それが未来の事実を知ってるカケル29と知らないカンナ29となる。
この時のカケルの決断が胸アツなんだヨ。
カケルは、15年後に自分が死んでしまうことは避けられないとしても、15年間幸せな結婚生活を送ることは出来ると考えたんだろう。
そして最後の朝。何も知らないカンナには、いつもの朝だけど、カケルにとっては最後の朝だ。
15年間仲良くやってこれたのも、今日の事を知っていたカケル29~45の努力が大きかったのだろうが、15年前のカンナ45の努力が報われたことでもある。
タイムトラベルに恋愛が絡むと ほぼ100パー悲しい。
今回も結局カケルは助からず、カケルの手紙やピザの話になって切ない。
だけど今回の事故のコトを駈は知ってるので、赤ちゃんを助けたあと自分も助かるようにする世界線もある。
なんなら、始めからベビーカーが線路に落ちずに何も起こらないという世界線もある。
だから、駈がもしかしたら生きているのかもしれないと匂わせて終わる悲しくない最後も有りだと思う。
悲しく終わったほうが余韻が有るような気がするけど、僕は余韻が残らなくてもいいから、悲しくない終わり方のほうが好きである。
だって、悲しいのって何かイヤじゃん (^^)。
見応えのある、ほぼ2人芝居
あらすじを読んだ感じ、浮世離れしたラブストーリーを思い浮かべたが、ただのファンタジー系タイムリープものに終わらなかったのは、やはり松たか子の演技力と、そしてそれに劣らぬ松村北斗の受けの芝居のうまさ。
冷め切った夫婦関係が続き離婚届を出す予定だった日に事故で逝ってしまった夫、駈。ふとしたことから15年前にタイムスリップし、出会う前の駈に再会するカンナ。駈が15年後に死なないよう考えを巡らせ何度も彼に会いに行き運命を変えようとするが、結局彼を失う未来は変えられないままラストチャンスを迎える。
ここまで何度か悶えるようなキュンキュンシーンもあるが、こっからラストまでの展開は落涙必至。
タイトルのファーストキスの意味と駈がそこから育む愛、カンナへの手紙。3年前に注文していた餃子。
実質ほぼ2人芝居。同じ場所で異なるシチュエーションのテンポのいい掛け合いは、実年齢差はあれどこの2人が恋に落ちることになんの疑問も抱かせないような説得力があり、物語に没入できた。
このところ、見たいと思う映画に出演している松村北斗。色眼鏡なしにこの人が出てるから見たいと思わせてくれるような実力をつけたように思う。
結婚、恋愛、タイムリープの複雑さ
友達に付き添い、昨日初めて上陸した長野県の松本の映画館でこの作品を観た。
観終わった感想は
結婚生活ってタイムスリップでもしないと上手くいかないんだな。
ぼくの好きな作品で、Netflixでも公開してる「涙の女王」も妻の余命宣告から冷え切った関係を取り戻していく。
冷え切った夫婦には、そんな大きなキッカケがないと、復活するにはきっと大変なんだろう。(自分は未婚です。)
それくらい結婚、恋愛は複雑で努力が必要で一筋縄ではいかない。坂元裕二さんは、そんな複雑な恋愛を描くのがお上手ですね。
恋愛は思ってるより努力が必要で、最近よく目にする恋愛映画は急に失踪していなくなったり、お互い話し合わずにすれ違うみたいな、お話が多いような気がする。
そういうのってお互いの会話や歩み寄りが足りてなく起きている。
確か、この映画にも出演してたYOUさんがなんかの番組で言ってたんですけど「恋愛で、私のありのままを知ってください、ドーンと生の料理を提供するのではなく、ちゃんと湯掻いて、灰汁をとって、焼いて、煮て、しっかり調理してから相手に提供、接するのが礼儀」(めっちゃニュアンスです、、)
この言葉をふわっと思い出した。
その他に思ったこと、感じたことを箇条で書くと
・軽妙でユニークな会話がやっぱり面白いな
・タイムリープがご都合主義で引っかかる部分が多々あったな
・タイムリープの説明やルールもう少し欲しかったな
・松たか子が、自分の母親に似てる瞬間があってノイズだったな
公開初日なので、ネタバレ無しで書いてみました。
松たか子のコメディエンヌっぷりと2人の冷え切った関係が背景にあり、...
松たか子のコメディエンヌっぷりと2人の冷え切った関係が背景にあり、悲壮感はゼロ。にやにやしてしまうシーンが多々。
大切な(だったはずの)人を助けるために、過去に戻って未来を変える、というよくある設定で中盤は進むけど、結末を変えるのではなく、「今」という未来を変える話。
パンをマグカップに乗せる癖、すごく分かるなあと思ってたら、最後にしっかり言及してた。
総じて悪い映画ではないけど、坂元さんの期待値が高過ぎて、すごく良いわけでもない。やっぱり、日常の、会話を積み上げる連ドラが観たい。
個人的に恋愛映画に心動かなくなってるのか、坂元さんの描く恋愛が微妙なのか。ラストの手紙のベタさもあえてなんだろうけど、うーん。
恋は盲目、結婚したら解像度が上がって4K。好きなところを発見し合うのが恋愛、嫌いなところを見つけ合うのが結婚。細かい針を刺していく。
台詞回しや言い方のニュアンス、夫婦のやり取りの細かな描写が、ここ何年かの自分を投影して身につまされた。松村北斗、理性的で嫌味な奴似合う。
何年か後に観たら印象も変わるのかとも思うけど、子供のいない夫婦の恋愛、というのは、この先はもっと刺さらないのかなというのが今の実感。
スタッフが豪華。撮影が四宮秀俊(ドライブマイカー、きみの鳥は歌える)、音楽の一部に坂東ゆうた(大豆田とわこ)。
結果は変わらずとも過程は変えられる
ストーリーの終盤に硯駈(松村北斗)が未来を知ったあといろいろ試行錯誤しながら、結果を変えるよりもカンナ(松たか子)との関係を変える過程を重要視するストーリー、脚本がとても良かったです。
クスッとする笑いが散りばめられているからこそ最後の悲しみがより深く心に染みました。
松たか子さんと松村北斗さんは作品の要ですが自然で凄く良かったです。
天馬教授(リリー・フランキー)の、良い人に見えて後半に裏側の性格が見える細かな演出が見事ですね。
ところでひとつ疑問点が。
タイムスリップをしている時に度々写真を撮る子供たち。どこにでも現れるのですが妖精なのでしょうか?ちょっと不自然に感じました。
セリフが脚本がややカジュアル
ラストにワンモアサプライズがほしい!
「ミルフィーユ効果?」により何度も過去に遡り、まだ出会う前の若い時の亭主と接触することで未来を変え、彼を不慮の事故から救おうとする妻の話です。
タイムリープして、若い時のイケメン亭主と中年のおばさんが出会い、改めて恋に堕ちる・・・というのはありがちなストーリーではありますが、本来演出的にも絵面的にも若干、違和感が残るところです。
しかし、年齢重ねてもとても可愛い松たか子さんが妻を演じており、私にとっては大変魅力的で力技で納得させられてしまった次第です!
何やっても最終的に悲劇に収束してしまうことが歯痒かったり、夫婦関係の悪化が全部亭主の不理解のせいみたいに描写される部分はなんとなく癪にさわりました(笑)が、基本コメディタッチで肩の力が抜けて楽しめる作品と思いました。
ラストは順当過ぎてほぼ読めてしまったのが、ちょっと物足りなかったです。ワンモアサプライズはあって良かったし、むしろ当然の流れだと思ったんですけどね。私が脚本かくなら部屋の置物、洗濯物、書物とかで匂わせ演出しますよ。餃子なんかには決して負けない(笑)。
では。
脚本の巧みさ
この映画は観て損はありません。
本当にいい映画でしばらく余韻に浸りました。
最初は正直内容は期待していなかったのですが、思いのほか良すぎました。
まず松村北斗の演技が素晴らしかったです。40代のときは声も表情、歩き方も違う。20代のときと使い分けも素晴らしかったですし、感情表現に心揺さぶられました。
松たか子の安定の演技力が更にプラスされストーリーをより良いものにしているように感じました。
ストーリーも現実離れしすぎているタイムトラベルの話ではなく、観た後に人生について考えさせられ、後悔のないように生きたいと思わせられるものでした。
もう一度映画館で観たいです。
もう一度、恋をする
タイムトラベル×ラブストーリーが、坂元さんらしいナチュラルでクスッと笑える可笑味ある空気感で綴られ、塚原監督ならではのSFなのにスッと受け入れられる自然なテンションで描かれていました。主人公の2人が、ありえない出来事も大騒ぎせず落ち着いて受け止めて行動していくので、良い意味でSF感がなくストレス無く観れたのが個人的にとても良かったです。
カンナが、旦那さんが死んでしまう未来を変えるために何度も過去へ戻る。この行動により、冷え切った夫婦関係になってしまう前の気持ちを思い出していく。
プロットとしては既視感が強く、結末も予測はつきます。本作は物語というよりも、カンナと駈のやり取りや表情がとても魅力的。2人の心情の動きを優しく見守ることで、じんわり心が温かくなる。恋をするっていいな、相手を想いやることって大事だな、同時に些細なことで見失ったり手放してしまうんだな。
現実は映画のようにやり直すことはできないから、ちゃんと毎日を生きていこうと思いました。
自分も周りの人も大切にしたい
「ファーストキス」に寄せて
最後まで観て、この物語は本当はどちらが始まりだったのか?この世界線だとして、やはりあの始まりに行き着くのか?という、不思議な感覚になった
そして、こういう最後なら、きっと2人にとって最悪な結末も、そんなに悪くなかったのではないかと思った
2人の演技が素晴らしい
令和の『四月物語』
松たか子の魅力が爆発しています。
これだけでも見る価値があります。
岩井俊二の『四月物語』(1998)は松たか子をこれ以上ないくらい魅力的に描いた傑作ですが、
25年以上経ってからそれと並ぶかそれ以上に松たか子という大女優の魅力がスクリーンを引き裂かんばかりに写し出されている、そんな映画です。
話のスジや結末はおおよそ第一幕時点で想像ができるようなものではあります。
『世にも奇妙な物語』の『昨日公園』を連想した人は多いでしょうし、そうでなくても過去を改変して未来を変えるというのは「使い古された」設定ではあります。
しかし、坂元裕二のシナリオ力と、松たか子の魅力によって、それでも涙が抑えられません。
文句なしの傑作です。
倦怠期の方々是非御覧ください
電車事故で亡くなった夫に生きていて欲しいがためタイムとリープを繰り返す 松たか子らしく松村北斗らしく伝わってくる意地らしさが可愛らしい。生き残る事よりも結婚生活を無くせない 15年後の君に逢いたい がすごく響き泣けました。なにを持って人となすのか?という問にもなっていて 結果は変えられないではなく、それでもそうする 意思の強さと在り方が良かった。知っていながら避けられない最後の手紙は涙で一杯。是非2人で見て欲しい映画です。
【”結婚したのだから、”その時が来るまで”愛する人とは相手を思い遣り楽しく過ごす事の大切さを描いた作品。”中盤まで何度も時を駆ける松たか子さんの姿を楽しみ、最後半は、グッと来てしまった作品でもある。】
ー 鑑賞中、リチャード・カーティス監督のタイムトラベルラブコメディの逸品、「アバウト・タイム 愛おしい時間について」が頭を過った作品である。-
■結婚して15年になるカンナ(松たか子)と、カケル(松村北斗)の毎日の生活は冷え切っており、カンナはカケルに”離婚届を役所に出して来てね。”とぶっきら棒に言うが、会社に行った夫は線路に落ちたベビーカーに乗った赤ちゃんを助けるために事故死してしまい、二度と帰って来なかった。
だがある日、カンナが車を走らせていると、トンネルの中で崩落事故があり気が付くと、15年前の夏に初めてカケルと会った高原のリゾート地に来ていた。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤の重い雰囲気から、カンナがカケルの死を防ぐためにタイムトラベルを何度も行う姿が可笑しい。冬服で真夏のリゾート地に現れ、慌ててTシャツを購入したり。
で、カンナは15年前の自分を未だ知らない若き純粋なカケルを見て、二度目の恋に落ちるのである。
・そして、カンナはカケルの事故までの生活パターンをポストイットでポイントを書き込み、”カケル死亡”の赤いラインと”カケル生存”の白いラインに分け、”カケル死亡”のラインの赤いポストイットを一つ一つ潰そうとするのである。
カケルの良く行くお肉屋さんのコロッケを貶してカケルに叱られたり、芝生の上で大嫌いな犬達にまとわりつかれたり・・。
そして、その度にカンナはリセットして、対策を考えて来るのである。犬達に対してはフリスビーを何度も投げたり。クスクス。
ー 一々、カンナが登場するとその姿をポラロイドカメラで”カシャ”と映す女の子と男の子も可笑しいが、カケルが気付いた時にカンナが十何枚もあるその写真を見せるシーンに使うとはなあ、上手いなあ。-
■それにしても、カンナが15年前に行った時のカケルとの遣り取りを見ていると、ヤッパリ二人は相性が良いんだよね。カケルも”何だか貴女だと良く喋っちゃうんですよ。”などと言っているし。
カケルは担当教授(リリー・フランキー)の後援会のサポートで来ていて、教授の娘(吉岡里帆)は、どう見てもカケルの事が好きなのに、全然気が付かないのである。
・ちょっと切なかったのは、カンナが”カケルと出会わなければ彼は死なないのだ。”という選択肢を選ぶシーンかな。けれども、矢張りカンナとカケルは出会ってしまうのである。そして、何度も何度も行列に並んだかき氷屋で漸くかき氷を食べる時に、カケルはカンナが落とした”カケル死亡”と書いてあるポストイットを見つけて、漸くカンナが誰であるのかに気付いて行くのである。
・序盤と再後半に映される”三年待ちの餃子”を竹原ピストルさんが演じる配達員が配達に来るシーンのカンナのリアクションの違いも、”脚本、上手いなあ。”と思ってしまったな。
ー 最初は、”こんな餃子頼んでいたかなあ。”再後半は(自分の死の日時を知っていた)カケルが頼んでくれたんだ!”-
<そして、二人は予定通りに結婚するのだが、二人は朝ごはんは一緒に食べて(でも、カンナはパンでカケルはご飯)、夜はベッドに一緒に寝て、カケルは会社に行く時には”行ってきます。”と振り返ってカンナの顔を見ながら言い、カンナもキチンと”行ってらっしゃい。”と笑顔で言うのである。
そして、カケルが事故で亡くなった後に、彼が残してあった手紙をカンナが見つけ、その内容が流れるシーンには、思わず沁みてしまった作品である。
カケルは、ヤッパリカンナの事を心底愛していた、正義感の強い良い男だったのである。
今作は、結婚したのだから、”その時が来るまで”愛する人とは相手を思い遣り、楽しく過ごす事の大切さを描いた作品なのである。>
脚本、キャストすべてに満足
近年、松村北斗さんのお芝居がいいなと思っていたところに 坂元さんと松さんのコラボ。
コレは!と初日に鑑賞させて頂きました。
すべてを伝えられた駈さんが 赤ちゃんの安否を確認して安堵したシーン。
あぁ…彼はここで腹を括ったんだろうな、そしてそんな駈を好きになったんだとカンナも想起したんじゃないかな…と 。
ここですれ違っていた心が揃ったように感じました。
そこからの15年間のふたりの姿に自分も夫に大切にされてるな…とあらためて思うなどしました。笑
まだまだ言い足りない…
他でもたくさん感想を残しますね。
寂しいだけじゃない 愛おしいもたくさん含んだ時間を過ごしていきたいなと気付かされた作品でした。
演技力が光る
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