「欲しい話が足りず、加えた話がちょっと???」花まんま hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
欲しい話が足りず、加えた話がちょっと???
映画予告見るに、生みの親と育ての親に挟まれ、ドロドロに苦悩する兄妹、でも最後はハッピーエンド的なイメージで行ってきましたが、少しファンタジー?要素も入った物語でした。死んでいった人との思い出、娘の結婚、その思いを込めた家族の一言と、泣かせてくれる要素はふんだんであり、泣きましたが、物語から来る涙は繁田 仁(酒向 芳)が幼いフミ子(小野 美音)が作った花まんまを受け取るシーンのみで、それ以外は結婚式に出席した方なら誰もが感じるだろう、父親の娘を送り出す思いや家族の思いを感じてのいわゆる結婚式で流す涙と同じだったかもしれません。
物語が小さな頃から一気に大人になっており、その間の兄妹の時間を描けていれば、兄・俊樹(鈴木 亮平)が言う「俺が育てた」に厚みが増したでしょうし、同様に、仁と喜代美(南 琴奈)との過去時間がもっと描けていれば、真に物語から来る涙を流せたのかもしれません。喜代美がある意味物語のキーでありながら、彼女自体の行動、発する言葉がなく、存在感が薄かった。それと式の最後のシーンでフミ子が「どちらさんですか」的な事を聞きますが、知らない人は通常、新郎側の客なので、礼を言って終わり。(新郎に確認する)それと「花まんま」がわかるのは繁田家だけであり、引き出物にはしないでしょう(笑)。花まんまのようなお弁当(ごはんと梅干とから揚げ…でしたっけ?)だったらまだ良かった。
原作から話を広げた物語とのことですが、欲しい話が足りず、加えた話の要所が「?」っと思わせる。そこが惜しかったなと。
出演者は皆さん好演でした。特に幼き頃のフミ子演じた小野 美音ちゃんと駒子演じたファーストサマーウイカさんは粋で美しく印象に残りました。エンドスクロールの最後にでも、俊樹と一緒になったシーンが出てくるかと期待しましたが…(笑)。私も妹を持つ兄。色々と頑張ったねお兄ちゃん!
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