「鳥肌指数0」ゼンブ・オブ・トーキョー かさでみーさんの映画レビュー(感想・評価)
鳥肌指数0
思い出したのは中学時代の修学旅行だ。班の自由行動の中にサンリオピューロランドがあった。登場サンリオのアトラクションで『怪獣プラネット ゴジラ』というのがあり、それに行きたい為に班の仲間にプレゼンして、見事行けた。
この作品の彼女たちも修学旅行に便乗して私利私欲に走る。推し活する者、好きな人と2人きりになりたい者、オーディションを受けようとするものなど。おいおい、こんなに班がバラバラになっても良いよか?ひとりぼっちになった班長が可哀想だよ、と思いながらも班長は鋼のメンタルで1人予定表通りに行動する。
むしろ、ここの高校生たちは単独行動やり過ぎで、大丈夫か?しかし、アイドルという集団行動する彼女達が単独行動しよつとするギャップは面白い。
大都会東京で簡単に遭遇できたり、あれだけ用意周到にプランを立てたのに定休日を調べてないとか、何かとツッコミたくはなるが、室井慎次に比べると可愛いものだ。なんせ彼女たちの魅力に引き込まれているからだ。
アイドル映画には【鳥肌指数】という物が存在する(俺の中だけど)。演技力の恥ずかしさなどで立つ鳥肌。立てば立つほど恥ずかし映画なのだが、鳥肌指数0だったのには驚いた。脚本が当て書きってのもあるだろうが、入念なリハーサルを繰り返し、見るに耐える以上の演技だった。むしろ大人たちの演技が過剰過ぎてこっちのが下手くそにも感じた。ヤッシーはヤッシーだけど。
本来なら所属するグループの音楽を多様したい所だろうがそのようなノイズがないのも良い。
とりわけ良かったのは、オーディション編での、オーディション会場前での彼女たちである。ここにいる彼女たちは全員オーディションを受け合格した人達なのだ。オーディションが受けれなかったという気持ちはどれだけ悔しいかわかるからこその表情が出てたような気がした。
そしてしっかりと、旅はどこに行くかじゃなく、誰と行くかという答えを見つけてるのが良かった。それが修学旅行で何を学ぶかという事だろう。
いつか、彼女たちが大人になって、久しぶりに集まり温泉旅行に行った先でまた…というのも見てみたいね。