ザ・ルーム・ネクスト・ドア

劇場公開日:2025年1月31日

ザ・ルーム・ネクスト・ドア

解説・あらすじ

スペインの名匠ペドロ・アルモドバルによる初の長編英語劇で、2024年・第81回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したヒューマンドラマ。ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアという当代きっての演技派の2人が共演し、病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友のかけがえのない数日間を描く。

重い病に侵されたマーサは、かつての親友イングリッドと再会し、会っていなかった時間を埋めるように、病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み、自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時にはイングリッドに隣の部屋にいてほしいと頼む。悩んだ末にマーサの最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。マーサはイングリッドに「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と告げ、マーサが最期を迎えるまでの短い数日間が始まる。

「フィクサー」でアカデミー助演女優賞を受賞し、アルモドバルの短編英語劇「ヒューマン・ボイス」にも主演したティルダ・スウィントンがマーサを演じ、「アリスのままで」でアカデミー主演女優賞を受賞したジュリアン・ムーアが親友イングリッド役を務めた。

2024年製作/107分/G/スペイン
原題または英題:La habitacion de al lado
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2025年1月31日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第82回 ゴールデングローブ賞(2025年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ティルダ・スウィントン
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(C)2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. (C)El Deseo. Photo by Iglesias Mas.

映画レビュー

3.5変わった座組のアルモドバル映画

2025年2月28日
PCから投稿

アルモドバルは英語圏でもやっぱりアルモドバルな映画を撮るという印象は、短編だった『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』から変わらないのだが、主演の2人の演技の上品さもあって随分とさっぱりした映画になっというか、やはりスペインの役者と撮っているときの方が純正のアルモドバルだなとは思ってしまった。もちろんティルダ・スウィントンもジュリアン・ムーアも申し分なく魅力的で、ジョン・タトゥーロだっていい異物感だと思ったけれど、英語圏の演技とスペイン人の演技は本質的に何が違うのだろうかと興味深く考える機会になった。またすべてのカットがアルモドバル的であるにも関わらず、アルモドバル汁が『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』より希薄だと思ってしまったのは、単にテーマが違うからという理由かも知れないし、今回の作品のほうが年齢的な成熟が反映されやすくてソフィスティケイトされたのかも知れない。いずれにしても、本作みたいに変わった座組のアルモドバル映画はもう数本は観てみたい。

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村山章

4.5どう死ぬかは、どう生きたかということ

2025年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

知的

自分の命が残り少ないと察知した女性が、最期の日々をかつての親友に託して旅立とうとする。尊厳死、安楽死というワードで括られがちな映画だが、よく見るとそうではなく、どう死ぬかというテーマは、どう生きたかに繋がり、看取る側も自分の人生とどう向き合うかについて言及した、アルモドバルらしい斬新な視点がここにはあった。

そして今回も、アルモドバルは使う服や食器の色彩、部屋に飾られたアート、小説、映画を使って、観客の五感を常に刺激する。すべてに意味があるのだ。1度観ただけではなかなか全部理解できないのだが。

中でも最も斬新な提案は、死ぬ間際まで人は美しくあれ!ということだと感じた。それは死期が迫るほどに美しく、細く、カラフルになっていくティルダ・スウィントンに象徴されている。

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清藤秀人

4.0【スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督が老境に至り、或る戦場ジャーナリストの女性の死生観を、愛と尊厳を込めて、洗練された美しき色彩で彼女の衣装、意匠と取り巻く風景を描いた趣高き作品。】

2025年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

■子宮癌に侵されたマーサ(ティルダ・スウィントン)は、彼女の病を知ったかつての親友・イングリッド(ジュリアン・ムーア)と再会し、病室で語らう日々を送っていた。
 癌治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”を自ら決断した時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。
 イングリッドは、少し考えた後にその申し出を受けるのである。

◆感想

・ご存じの通り、今作はスペインの名匠、ペドロ・アルモドバル監督が初めて長編英語映画に挑戦し、第81回ベネチア国際映画祭の最高賞、金獅子賞を獲得したヒューマン・ドラマである。

・まず、思うのは”安楽死”と言う重いテーマを扱いながら、物語の流れが軽やかで色彩が美しいという事である。
 物語の流れは、マーサが戦場カメラマンとして生きて来た人生を、病床でイングリッドに語り、実際にその映像が映される構成になっている。
 そこでは、恋人だったフレッドが戦地に出掛けPTSDになり戻り、彼の子を宿しながらフレッドが無人の家の火災の中、人を助けるために死ぬシーンなどが描かれる。

・又、マーサが父の名を明かさなかった事から、疎遠になった娘ミシェルとの関係も語られる。

・イングリッドはマーサの願いを聞き入れ、場合によっては自殺幇助罪に問われかねないのが分かって居ながら、マーサの願いを聞き入れるが、彼女も又それに対する葛藤を抱えており、且つてはマーサの恋人であり、今は自分のパートナーであるデイミアン(ジョン・タートゥーロ)にその事を、マーサには内緒で相談しているのである。
 だが、その描き方は重くはなく、逆にどこかユーモラスに描いているのである。

・更には、ペドロ・アルモドバル監督が描出したマーサの最期の日々の彼女の色彩豊かな衣装や、一カ月借りた瀟洒な住宅の中の家具や美術品の数々から、監督の”人生の最期は、華やかに自分の意志で終えるべきである。”というメッセージが伝わって来るようである。

・マーサが、イングリッドが居ない時に、瀟洒な住宅のテラスのリクライニングチェアーで、紅い紅を唇に塗り、黄色い衣装で眠るように息絶えている姿も、監督のメッセージであると思う。
 彼女の死を知りやって来た娘ミシェルを演じたティルダ・スウィントンの姿には驚く。非常に似た女優さんだな、と最初思った程に、若々しいのである。
 そして、ミシェルはイングリッドと、マーサが死を選んだリクライニングチェアーに並んで寝そべると、空からは雪が舞って来るのである。
 趣高き美しき、ラストシーだと思う。

<今作は、名匠ペドロ・アルモドバル監督が、或る女性戦場ジャーナリストの女性の死生観を愛と尊厳を込めて、美しき色彩で描いた作品なのである。>

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NOBU

3.5マーサの部屋のインテリア、お召し物やメイク(特に最後の…)がとにか...

2025年8月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

マーサの部屋のインテリア、お召し物やメイク(特に最後の…)がとにかく色鮮やかでおしゃれでそこも見どころだった。
無知ですいませんがマーサは娘役と一人二役だった?

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zzzzz

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