グラディエーターII 英雄を呼ぶ声のレビュー・感想・評価
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最後はローマの歴史の物悲しさを感じた
前作をちゃんと予習し、YouTubeの予習動画も見てから挑んだので、人物の繋がりや変化などもなんとなくわかった。
ローマの歴史はほとんどわからないのですが、愛する人と共に過ごすことすら、ままならない世界で、どう生き抜いていくか、とい、生の力を感じた。
地獄への道は平坦という詩が心に残りました。
親子のシーンは、毎シーン泣けました。
ローマ壮絶。
ローマの歴史に興味を持得た作品でした!
暴力性
巨匠渾身のスペクタクル!
20数年を隔てての続編なので、列伝的な別の物語かと思ったら、れっきとした続編だった。
五賢帝によるローマ帝国史上最も平和で安定した時代は皇帝マルクス・アウレリウスの死によって終焉し、後継者コモドゥス帝による暴政時代へと移り変わる。
アウレリウスの嫡男コモドゥスと、アウレリウスが後継者に指名したローマ軍の将軍マキシマスとの抗争を描いたのが前作だった。
コモドゥスの死後、コモドゥスには実子も養子もいなかったことから「ネルウァ=アントニヌス朝」は断絶、かつてアウレリウスやコモドゥスに仕えていた軍人たちが入り乱れて帝位を争い5人の皇帝が乱立した内乱の時代となる。
間もなく内戦を制したセプティミウス・セウェルスが「セウェルス朝」を樹立するのだが、この映画はその王朝の二代目当主ルキウス・セプティミウス・バッシアヌス(通称=カラカラ)とプブリウス・セプティミウス・ゲタの兄弟が共同皇帝として統治した時代を舞台としている。
歴史的には、カラカラが暗殺されるのがコモドゥス暗殺の約25年後なので、前作と本作との間隔とほぼ合致している。
コニー・ニールセンが唯一前作から継続したキャスティングでルッシラ(アウレリウスの娘でありコモドゥスの姉)を演じている。
ルッシラは将軍アカシウスの妻となっていた。
前作ではマキシマスへの純愛を持ちつつ弟コモドゥスからの近親愛的な執着を受け入れた、運命に抗えない女だったが、本作では幼い頃に手放した息子への贖罪の思いを抱えながらも、マキシマスの遺伝子に暴政打倒の希望を抱き、夫への愛と信頼を示しながら夫を革命に向かって歩ませる強い女になっている。
内乱前の王朝の血筋だから粛清されていてもおかしくないが、現皇帝の特別な計らいで(常に監視されながらも)貴族的な生活をしているという設定だ。
主人公ハンノことルシアスを演じたポール・メスカルはアイルランド人俳優で、国技ゲーリックフットボールの選手だったらしい。その鍛えあげられた肉体で説得力のあるグラディエーターぶりを見せている。
出演していた英国のTVドラマを観たリドリー・スコットに抜擢されたとのこと。
前作の主人公マキシマスと同様に亡き妻への愛を貫く男だが、ルシアスには母親への愛と葛藤がそこに重なっている。
ルッシラの夫アカシウス役のペドロ・パスカルは、『ワンダーウーマン 1984』(’20)で情けない敵役マックス・ロードを演じた人。
一転して、本作での役どころは肉体も精神も強靭で威厳も兼ね備えた将軍だ。
妻への熱い愛情から、彼女の生き別れた息子であるルシアスに対しても特別な感情を抱く。
ルシアスとアカシウスの二人は架空の人物(のはず)だ。
カラカラ(フレッド・ヘッキンジャー)とゲタ(ジョセフ・クイン)を双子の兄弟という設定にしたのはなぜだろうか。
父セウェルス帝が兄カラカラを副帝に任命したことに弟ゲタが反発して兄弟が不仲になったため、セウェルス帝は後にゲタも副帝に任命して兄弟の立場を対等にした。そのままセウェルス帝の後を継いで兄弟で共同皇帝に就いたのだが、その経緯の説明を省くために双子の共同皇帝としたのか…。
とにかく、この兄弟は出生地も誕生年も違うので実際は双子ではなかった。
カラカラの側近に成り上がるマクリヌスも実在の人物だが、黒人のデンゼル・ワシントンを配役したのには驚いた。
元奴隷で、ハンノ=ルシアスを剣闘士として見出したことで王朝との距離を詰めていく狡猾な商人の設定だが、実際のマクリヌスは騎士階級の家系出身で、セウェルス帝時代に役人になっている。ただ、そもそもローマ民族は多民族の混成だったので、属州には黒人の騎士階級一族があったのかもしれないし、マクリヌスがイタリア民族だったとか、ゲルマン民族だったとかを確認したわけではないので、単に私の印象に過ぎない。
それはさておき、デンゼル・ワシントンの存在感がこの映画のドラマ部分のスケールを上げているのは間違いない。衣装の袖や裾をたくし上げる仕草が優雅で、借金を負わせた元老院議員の一人を追い詰める場面では強烈な威圧感があった。朝廷の要職に就いたときの、椅子を撫でる恍惚の姿も印象的だ。
映画のオープニングに映し出される、前作を振り返る油絵調のアニメーションが…良い。(“スコット・フリー・プロダクションズ”のロゴ映像と似た手法だ)
画面が実写に切り替わって穀物の粒が映し出されると、それを手ですくい取る主人公ルシアスが登場する秀逸なイントロダクションだ。
ルシアスは後にコロセウムでも地面の砂をすくい取る場面があり、マキシマスと同じ行動で血縁を匂わせている。
開巻間もなく、ローマの海軍が北アフリカの一国を攻め落とす海岸の合戦が描かれる。
ローマ軍を指揮するのはアカシウス、防衛側の大将がハンノ=ルシアスで、ルシアスとアカシウスの因縁がここから始まる。
のっけから迫力の戦闘場面だ。
やはり戦士であった妻をこの戦闘で亡くしたルシアスは、捕虜となりやがて剣闘士となるのだが、アカシウスへの仇討ちの機会を探るのだった。
コロセウムでの闘技会が折あるごとに開かれ、剣闘士となったハンノ=ルシアスは過酷な戦いを強いられる。
人間だけでなく、凶暴なヒヒやサイを相手に戦う。オマケに、このヒヒとサイがまるで怪獣なのだ。
こういう奇抜な(もはやSF的な)戦いで前作と異なるバリエーションを見せてくれるのだが、予告編にも使われていたコロセウムに水を張った疑似海戦が特に圧巻だ。水中にはサメがウヨウヨいるのだ。さすがにルシアスが水中でサメと戦うことはないが、落ちたら一巻の終わりとなる。
いったいどこからサメを連れてきたのか、海水をどうやって運んだのか(サメが元気なので、海水なんだろう)…と、思ったのだが、どうやら実際にコロセウムに水を張って海戦を行った記録があるみたいだから、驚く。
この海戦の最中にルシアスがアカシウスがいる観覧席に矢を射る。
役人に誰が射たのか問い詰められたルシアス率いる奴隷闘士たちが、口々に自分だと言う場面が感動的だ。
リドリー・スコットが敬愛するスタンリー・キューブリックの『スパルタカス』(’60)の名場面を模している。
さて物語では、ハンノ=ルシアスの出自と復讐、マクリヌスの陰謀にカラカラ帝の暴走、アカシウスとルッシラ夫妻の体制への抵抗が絡み合って、狂気と愛の模様が展開する。
基本的な構成は前作をなぞっている。
合戦→奴隷から剣闘士→闘技会で連勝→皇帝の狂乱・暴挙→脱走→暴動→決闘……
変化要素として工夫されているのは、敵役がアカシウス→カラカラとゲタ→マクリヌスと、二転三転するところだ。
正義と愛のキャラクターがルシアスとアカシウスの2人登場するため、前作と違って感情移入が主人公に集中しきれない面がある。
ましてや、妻は戦士として合戦で死んだのに敵側の将軍を仇だと狙うのに違和感があるし、その仇討ちも途中で立ち消えになるから、この主人公の闘いに寄り添いにくいのが難点と言える。
最後の決闘を終えたルシアスが国境の門の前に仁王立ちし、内側にいるマクリヌス配下だった近衛兵団と外側にいるマキシマスの精神が息づくローマ軍に存在を誇示する場面は、これで悪政が打破され新しいローマ帝国に踏み出す第一歩を示唆するという、前作と同じ大団円の図だ。
なにはともあれ、史実を下敷きにしたファンタジーとして、よく考えられたストーリーだと感心する。
前作から画的にも物語的にもにスケールは倍化していて、大迫力のスペクタクルを堪能するには、劇場で観るべき映画だと断言する。
狂人のように描かれたカラカラ帝であるが、暴君であったことだけでなく、全ローマ領民へ国籍を付与して民族・人種の差別を撤廃し、ローマ民族を地中海世界を統合した大民族へ発展させた皇帝としても歴史に記録されている。
共同皇帝だった弟ゲタ帝とは副帝のころから対立していて、自らの手で殺したのも事実とされている。
マクリヌスは、カラカラ暗殺を主導したと見られており、その直後に実子との共同で帝位に就いている。だが、カラカラの血族であるヘリオガバルスに敗れて殺害されるまで、わずか1年強の短命政権だった…。
リドリー・スコットの思いが詰まった傑作
ポール・メスカル目当てで観に行きました。前作は観ていない&予備知識...
ULTRA 4DXで観ました。最高!
内容は素晴らしいです。多くのレビューに同感です。
日程的に近場のシアター通常版でと思っていましたが、予定が空いたこともあり、思い切って追加+¥1600でULTRA 4DXで観ました。やばいです!
以前にスターウォーズとかで体験した時には、ほぼ宇宙空間なので、こんなものかなぁと80点くらいの満足度だったので、ベストな作品を探していました。
グラディエーターでは海のシーンは船に一緒に乗っている感覚になり、船酔いしそうだし、コロシアムの臨場感も半端ないですが、ここでも船での戦闘シーン、弓矢は飛んでくるわ(エアー)、破壊されるわ(背後にボコボコ)、水しぶきだけでなく、血しぶきまで飛んできて、リアルすぎました!もちろん、同じミストなんですが、サムライ映画並みにバッサリ血しぶきシーンがあり、不快な体験もできます、、
細かなツッコミ所はありますが、映画なんで楽しんだもの勝ちですね!
昔見た あの感動は?
まさに大作!その迫力にやられた
前作「グラディエーター」が24年前の映画。何回も観たわけではないから、内容はおぼろげにしか覚えていられない。なので事前に復習をして臨んだ本作。復習していてよかった。観ていなくても大丈夫な作りにはなっていた。でも、地面を触り土のついた手で剣を握る仕草がマキシマスを思わせるシーンとか、観ているからこそ伝わる細かいところがあったのも事実。
本作の主人公ルシウスが前作の主人公マキシマスの息子という設定。それならばあの妻と息子は!?と思わなくもない。仕方ないところなんだけど。でも、前作よりもパワーアップしているのが戦闘シーン。そりゃ24年もたってるからと思っても、やはりその迫力にやられてしまった。さすが巨匠リドリー・スコット。特に、あの闘技場で海戦をさせるという発想に驚いた。史実でもあんなことがあったのだろうか?あれだけ巨大な水槽を作るとしたら相当な建築技術が必要になるはず。そしてサイ乗った戦士と戦うシーンもお気に入りだ。前半のクライマックスと言えるシーン。最後までワクワクしながら戦闘シーンを楽しんだ。CGも使っているだろうが、実物大の闘技場を作ったって言ってたから、結構リアルに感じてしまう。
脚本もなかなか深みがある。ルシウスがローマ軍に妻を殺されたため故郷ローマへの恨みを募らせていくが、徐々に心境が変化していくという流れ。やはりカギを握るのはマキシマスってところは、前作を復習しておいてよかったと思える。無茶苦茶な皇帝、元老院の腐り具合、グラディエーターたちのつながりと矜持、そして大迫力の戦闘シーン。どれもがハリウッド大作と感じる素晴らしい出来だった。
素晴らしい歴史アクションドラマ
古代ローマを舞台とした歴史アクションドラマ。
戦闘シーンや衣装、舞台セットはとても良かった。少し前にイタリアに1ヶ月旅行していたので見覚えのある場所ばかりでとても満足した。
さらに役者の演技(特に黒人の奴隷主のマクリヌス)・政治ドラマとしても面白く、皇帝に諫言を囁いてのし上がり、ローマを火の海にしたマクリヌスの怒り・復讐は見事と言うしかない。
前作はコンモドゥスの最後には不満があったが今回はマクリヌスの立ち回りがそこら辺の不満を全て解決している。
ただ唯一主人公の心情の変化がわかりにくかった。ローマ絶対許さないマンがローマのために戦う戦士に変貌した理由が伝わらなかった。あと最後コロッセウムに戻るシーンは要らなかったと思う。
ⅠとⅡのどちらが良いか、ということはなく、それぞれ味わいが異なり面白い。
「グラディエーター」の時もそう思ったが、まずは地味な時期を選んだな、という印象を受けた。ローマ皇帝は50人以上いるが本作でも再々名前の出るマルクス・アウレリウス帝の後、約40年程の帝政混乱期。有名なのは悪名高いカラカラ帝ぐらい。グラディエーター両作品はこの時代にすっぽり設定が収まり、いわば不安定の時代に生きた父(マキシマス)と、母子(ルッシラとルシアス)の物語となる。
前作はコモドゥスという唯一無二の悪役がいて、対するマキシマスの復讐に筋が一本化されておりシンプルかつスピーディーで分かりやすく共感もしやすかった。ところが本作では背景がいささか複雑。政治的には皇帝が双子で二人いるし元老院もまだ機能している。登場人物にはアカレウス将軍もいるし、何と言ってもマクリヌスの存在感が群を抜いている。このあたり脚本はよく整理されており、史実ではカラカラがゲタを殺してから暗殺されるまではもう少し時間があったり(その間に悪行の限りを尽くした)、マクリヌスが実際には帝位を簒奪し息子をも皇位に就けたりしているところは端折っているものの、全体として時代の雰囲気はうまく表現できていると思うのです。ただ、このような背景ではルシアスの考え方や行動は複雑にならざるを得ず、直情径行なお父さんとは違った人物に描かざるを得ない。ここが本作が前作に比べ何か陰鬱な感じを受ける原因かもしれないです。印象としてはゴッドファーザーのパート1とパート2の違いみたいな感じ。あれも万事どっしり構えたマーロン・ブランドを描くのと、複雑な情勢の中、苦悩するアル・パシーノを描く違いが作品に表れていました。二代目は大変なのです。
スペクタル演出の大好きなリドリー・スコットですか、本作では人間ドラマに重きをおいたせいかやや抑制的な印象を受けました。これぐらいがちょうど良いよ。
86歳の心残り?
超えない
スペクタクルな大作で見ごたえあり
たまに"やらかす"リドリー・スコット監督としては.、及第点な作品
グラディエーター前作は、僕の好きな映画ベスト10に入る作品なので、本作の公開を楽しみにして、劇場に行きました。
主人公の存在感は、前作で軍団長(将軍)であった父(ラッセルクロ―さん)と、100人隊長(尉官)レベルである 本作主人公(ポール・メスカルさん)の2人を比べると、すべての面で役職なりのレベル差がありました。
特に演技での"貯め(ため)"の使い方は歴然としており、それがそのまま風格差になってしまった。
兄弟皇帝のキャラクター性と演技は、実に素晴らしく、魅せられました。<助演賞>
スタジアムでの"サラミスの海戦"は、エンターテイメントとして、とても素晴らしいが、
史実では、スタジアム建設初期は、このような派手な催しを行っていたようだが
前作で見せてくれたように、アリーナ下に各種設備ができてからは、流石にアリーナに水を入れる事が技術的に困難なので、
中期以降は、水を入れたりはしていません。
更にサメは淡水では、浸透圧の関係で、活動できないどころか生存の危機となります。
その辺の考証的な不自然さはあるが、
それでも海の上ではない、"競技場での海戦"は、今までのどんな映画でも観たことが無い 新鮮さ があり、
このシーンを観るだけでも、劇場に足を運ぶ価値はあります。 <エンターテイメント賞>
しかし この海戦があるので、冒頭の戦闘シーンは不要です。
また、主人公夫人の件を入れて、将軍との確執を作っているが、夫人がいなくても 確執が無くても
主人公と、前作主人公マクシマムの関係を掘り下げた方が、深みのある 良い映画に成ったと思う。
本作の海戦は素晴らしいが、前作の冒頭戦闘シーンと競技場でのシーンと比べると、
本作の戦闘シーンは、どうしても見劣りしてしまいます。
映画「300(スリーハンドレッド:2006年)」に出てきそうな、CG化されたサイと猿には、違和感がありましたが、
日頃から動物園や各種動画等で、両動物を見慣れている僕たちと違い、当時のローマ人には、このように見えたのかもしれない。
この映画を観たら、忘れかけてきている「グラディエーター(2000年)」を観て、「ローマビクトリー!」と叫びたくなります。
是非映画館で
思ってた以上に続編
全327件中、61~80件目を表示