「誰目線で見たら良かった?」ウィキッド ふたりの魔女 toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
誰目線で見たら良かった?
大ヒットブロードウェイミュージカル「ウィキッド」を映画化という
ことで期待して観たのだがちょっと自分に合わなかった。
最初に断っておくとミュージカル映画は大好き。それでこの採点なのは
好みの問題だろうか。
舞台のミュージカルは未見。前知識もほぼなしで鑑賞。そのせいか物語が
どういった方向へ進んでいくのか、それぞれの登場人物の役割はどうか
分からず。知っている人に比べて置いてきぼりを食らった感じがする。
印象的だったのはテーマパークを丸ごと作ってしまったような巨大な
オープンセットで撮影された映像、豪華な衣装やその他の美術面。
どれだけ巨額の予算を投入したんだろうか。豪華絢爛な映像を見るだけでも
鑑賞料金の元を取ったような気になる。
後に悪い魔女と善い魔女になる二人の友情物語?
善い魔女になるのは野心的で美しく人気者のグリンダ。自分の解釈が間違い
なのかも知れないが、彼女の言う”良いこと”って、彼女にとっての良いこと
でしかなくて、人のために何かしてあげたように見えて実は「良いことを
しようと努力している私って素敵!」と自己満足しているような感じだ。
親切とおせっかいの違いが分からない世間知らずのお嬢さんに見えた。
外見の良さはもう完璧で人当たりも良く、人気者になって当然だと思うが。
そんなグリンダの親切が純粋に相手のことを思ってのものなのかがいつも
疑問に感じてしまって、後に悪い魔女になるエルファバとの友情も実は
表面的なものなのではないか?と疑ってしまった。
パーティーの席で奇妙な踊りをするエルファバをみんなは嘲笑した。
エルファバに合わせてグリンダが躍ると誰も笑わなかった。この場面は
感動ポイントらしく、近くの席の人の嗚咽が聞こえてきた。残念ながら
自分はここで泣けなかった。
グリンダが全く無垢な心で無償の愛を捧げる人として描かれていたら
彼女の気持ちに寄り添って彼女目線で物語をとらえられたと思うが
全ての登場人物に対して客観的にしか見られなかった。
学長マダム・モリブルとオズの魔法使いが何を企んでいたのかとか
エルファバとグリンダが袂を分かつ経緯とか、頭が悪い自分には今一つ
ピンとこなかった。
メインキャストやダンサーが歌って踊る場面は見事であるとは思いつつ
物語にあまり感情移入できていない自分には「歌と踊りが上手い役者さん
たちのショー」でしかなかった。お気に入りの映画だったら没入して
その世界に自分もいるような気持ちになるのに。
あと、巨大なセットと大勢の出演者で実写映画ならではのミュージカル
場面を作り上げたのに、魔法で猿が変異するあたりからCGだらけになって
急に画面が安っぽくなった。
鑑賞前は「気に入ったら何回も観る」と意気込んでいたが、そこまででは
なかった。アリアナ・グランデがとにかく可愛くてその姿を見るだけで
癒されるからまた観に行きたいけど。
今回は席数200程度の一般スクリーンで日本語吹き替え版を鑑賞。
Dolby-CinemaとIMAXでオリジナル音声版を観たらそれで終わりになりそう。
toshijpさん、コメントありがとうございます。アリアナ・グランデの演技良かったです。コメディエンヌは特に難しいと思うのでアリアナ頑張ったな、才能に溢れた人なんだなあと思いました。アカデミー賞授賞式(NHKが編集したもので地上波で見ました)は、かの有名なOver the Rainbow(「オズの魔法使い」)をアリアナが歌うというゴージャスな場面から始まりました!もしご覧になっていなかったら心からお勧めします🌈
わかります!私はたまたま舞台(劇団四季)見ていました。かなりはしょって3時間で、多分それでエッセンスが凝縮されたから女性二人の友情と自立がググーンと迫ってきてこんなミュージカル初めて見たという思いでした。映画版は後編にあたる部分を見ないと、という感じなのかも知れません。衣装と美術は映画ならではで見事でした
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