「全てにおいて高水準ですが、テンポの悪さが気になりました。」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 コレッキャ・ナイデスさんの映画レビュー(感想・評価)
全てにおいて高水準ですが、テンポの悪さが気になりました。
本作はやはり、背景描写やエフェクトを含む映像美の圧倒的なクオリティが際立っています。
果てしなく続く無限城を疾走しながら、善逸・しのぶ・炭治郎&冨岡の必殺技が、それぞれの個性を生かした演出で描かれ、椎名豪さんのハードロック調の楽曲が戦闘の熱量を最大限に引き上げていました。
特に猗窩座戦は原作以上に盛り上げる演出が施され、派手なライトアップと噴水の演出が視覚的な高揚感を強烈に喚起し、テンションをぶち上げます。
冨岡と猗窩座が無限城を縦横無尽に飛び交う高速戦闘は圧巻で、まさに映画ならではの迫力でした。
ただし、猗窩座戦の後半、炭治郎が覚醒してからは少しテンポが崩れた印象です。
原作の強みは、情報の取捨選択と圧縮が驚異的に上手い点にあると思っています。
コマの見せ方、台詞とモノローグの切り替え、回想の挿入タイミングなど、伝えるべき情報を最適化しつつも読者の負荷を最小限に抑える“情報密度の高さ”こそ、鬼滅らしさの核だと思っています。
しかし映画では、全情報が圧縮されずに全て展開されるため、映像・音声の豪華さの裏で、原作特有のテンポの良さが失われているように感じられました。
原作が重視していた部分が、映画化の際に丸々削られてしまったのが気になりましたが、鬼滅の世界をより濃密に堪能できる映像体験としては非常に満足度が高いです。
完全無欠とはいえないものの、世界中の他作品と比べても極めて高水準のアニメ化であり、次の童磨戦への期待も大きく高まりました。
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