逃走

劇場公開日:2025年3月15日

逃走

解説・あらすじ

「赤軍 PFLP 世界戦争宣言」「REVOLUTION+1」の足立正生が監督・脚本を手がけ、半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した東アジア反日武装戦線の元メンバー・桐島聡を描いたドラマ。元日本赤軍メンバーという経歴を持つ足立監督が、自身の半生と重ねあわせながら、桐島の苦悩と決意を描きだす。

社会運動が高揚していた1970年代の日本。新左翼過激派集団である東アジア反日武装戦線「さそり」のメンバー・桐島聡は、重要指名手配され逃亡の日々を送っていた。いつ逮捕されるかわからない緊張感のなかで日雇い仕事を転々とし、やがて「内田洋」という偽名で神奈川県藤沢市の工務店に住み込みで働くように。1960~70年代のブルースやロックを好む彼は、近所のライブバーに通い趣味を楽しむ一方で、かつての仲間たちの姿を思い浮かべては日本社会の欺瞞や凋落を見つめ続けていた。2024年、70歳となった彼は末期がんと診断され、病院のベッドで生死の狭間をさまよう。

国内外で活躍するベテラン俳優・古舘寛治が主演を務め、青年時代の桐島を杉田雷麟、桐島の恋人となる女性を中村映里子、桐島とともに逃亡する宇賀神寿一をタモト清嵐が演じた。

2025年製作/110分/G/日本
配給:太秦
劇場公開日:2025年3月15日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
足立正生
脚本
足立正生
企画
足立組
エグゼクティブプロデューサー
平野悠
統括プロデューサー
小林三四郎
アソシエイトプロデューサー
加藤梅造
ラインプロデューサー
藤原恵美子
撮影監督
山崎裕
録音
大竹修二
美術
黒川通利
スタイリスト
網野正和
ヘアメイク
清水美穂
編集
蛭田智子
音楽
大友良英
挿入曲
山下洋輔トリオ
助監督
鎌田義孝
山嵜晋平
制作
渡辺美穂
スチール
西垣内牧子
題字
赤松陽構造
キャスティング
新井康太
企画協力
寺脇研
宣伝デザイン
100KG
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(C)「逃走」制作プロジェクト2025

映画レビュー

3.5 観客「を」選ぶ作品

2025年8月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他、映画館

泣ける

知的

少し前に『桐島です』を興味深く鑑賞したが、本作は同じテーマを扱いながらも切り口が異なり、最初はやや戸惑った。

特にモノローグや空想の会話が多く、さすが癖の強い足立正生監督という印象。桐島が本当にどう考えていたのかはさておき、監督自身の思いを桐島のセリフに託して語らせているように思えた。

そのあたりをどう受け止めるか――つまり監督の妄想にどこまで付き合えるかが、本作の好みの分かれ目だろう。

私自身は、のめり込むほどではなかったが、全体としては十分に面白く感じられた。

ただ、ラストで本名を告白したり、警察に毒づく場面には思わず胸が熱くなった。

それにしても、山下洋輔・坂田明・大友良英による音楽は掛け値なしに素晴らしい。フリージャズに馴染みのない人にはどう響くのかとも思うが、私には心地よく響いた。

作品全体が観る者を挑発し、試しているかのようで、賛否を呼ぶに違いない。(と思ったら、評価の振り幅が物凄いですね。)

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スー(ジェーンじゃない方)

3.0 自責……。

2025年7月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

誰もがおそらく一度は見たであろう桐島のポスター。
子供の頃、一体何をした人なんだろう?と疑問に思ってました。
テロは許されませんが、理由が分かった気がしました。うーん‥‥。

一人で逃げ続けた、メンタル。
その辺は、上手く描けていた思います。

仲間の絆の強さなど時が経っても強力なのですね。
歴史の一部を知れて良かったです。

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や

4.0 信念としての闘争

2025年5月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

約半世紀に及ぶ逃走。たった1人で自分自身や仲間の亡霊と対話しながら逃げ抜く人生。後半は時代も変わりどこか滑稽になっていく様を表現するようなコミカルな音楽が流れる。しかし主人公はずっと変わらず真面目に真摯に思想や仲間との絆と向き合っている。最後に警察と対面して瀕死の状態での「やっと来たな」からのセリフは痛快そのもの。人は一つの信念を大事にして生きていくことができる…それは美しいことだと私は思う。
あと、古舘寛治という役者がやっぱり好きだなと改めて思う。

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Sato

3.0 逃走が闘争?

2025年5月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

49年におよぶ逃亡生活の末に病死した東アジア反日武装戦線の元メンバー・桐島聡を描いた作品。
1970年代の日本で、東アジア反日武装戦線・さそりのメンバー・桐島聡は、企業爆破殺人事件の実行犯として重要指名手配された。その後、逃亡の日々を過ごし、いつ逮捕されるかわからない緊張感のなかで日雇い仕事を転々とし、内田洋という偽名で神奈川県藤沢市の工務店に住み込みで働いていた。ブルースやロックを好み、近所のライブバーに通う一方で、かつての仲間たちの姿を思い浮かべては日本社会についての不満、逃走が戦いだという認識で過ごしていた。2024年1月、70歳となった彼は末期がんと診断され、病院のベッドで余命1週間と医師から告げられた。そしてついに、自分が桐島聡だと言い、その4日後に亡くなった、という事実に基づく話。

狼、第一の牙、さそり、と3つもグループが有ったことを知れた。
人が死んだことについては反省してたんだとわかった。
その理由が、爆薬の量の計算ミスであり、人が死ぬことは想定外だった事もわかった。
逃げることが戦う事との認識だったとは、そんな事を思っていたのだとわかったが、個人的には、違うんじゃないか、と思った。
青年時代の桐島役の杉田雷麟は長髪の時の桐島聡によく似ていた。桐島の恋人の女性役の中村映里子は魅力的だった。
桐島とともに逃亡したが、先に逮捕された宇賀神寿一は刑期を全うし、罪を償って著書も発行したりしてるが、ほぼ最後まで逃げ切った桐島聡とどちらが幸せな人生だったのだろう。
ふと、小野田寛郎さんを思い出した。

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りあの