「原作とはまったく別物でしたぁ」本心 マーベリックさんの映画レビュー(感想・評価)
原作とはまったく別物でしたぁ
芸達者な池松くん、ミヨッシー(三吉彩花)の好演には救われましたし、原作をまったく読んでいない方には、個々のテーマの軽重も気にならなかったやもですが… 映画にするための脚色は自由なれど、一部設定が無理筋で、原作の大事な設定が無くなってしまっていた為、何が主題か、とても分かりにくかったのでは?
もはや実現可能な状況となっているヴァーチャルフィギュア、リアルアバターを利用する近未来でのAIやメタバースというテクノロジーの功罪。一方、深刻な社会問題としての、政治の無能、貧富の差や差別の拡大、自然死という名を与えられた自殺(尊厳死?)などなど。平野啓一郎の原作は、それらを巡って、人間の右往左往や受容と絶望・希望・愛を描いたスゴイ野心作です。
やはり2時間での映像化、その為の改変が多すぎて、石井監督をしても作品に纏める無理だったか、と言うのが一番正直な感想かなぁ⁈
個人的には「ガタカ」のような、もっともっとドライ、無機質、淡々とした映像の中での人間性の苦闘、抵抗みたいな描き方を勝手に期待してました。
気になる方は、やはり原作を読んでください!
オプンチアさん、コメントありがとうございます。ガタカはほぼ3人の主人公だけにフォーカスされた、スタイリッシュな映像が素敵でした。おっしゃった検察官の粋な計らいや主人公イーサンの弟との遠泳勝負も良かったですねぇ
ガタカいいですね。DNAの塩基、GATCも覚えたし、不適合者のイーサン・ホークのおどおどした目、ラストで検察官の粋な計らいもよかった。イーサン・ホークとユマ・サーマンが結婚。ジュード・ロウも居て豪華てした。
かばこさん、コメントありがとうございます。やっぱり原作は重いテーマ盛り沢山かつオープンエンドだったから、焦点絞り切れなかった? ガタカは大好きでして、登場人物とテーマをシンプルに絞り込んだ事、あの映像美が堪りませんよね?