2度目のはなればなれ

劇場公開日:

解説・あらすじ

それぞれ2度のオスカー受賞経験を持つイギリスの名優マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンが、「愛と哀しみのエリザベス」以来50年ぶりに共演し、89歳の退役軍人がノルマンディー上陸作戦70年記念式典に参加するため老人ホームを抜け出した実話を基に描いたヒューマンドラマ。

2014年、夏。イギリス、ブライトンの老人ホームで暮らす老夫婦バーナード(バーニー)とレネは、互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。ある日、バーナードはフランスのノルマンディーへ向かってひとり旅立つが、彼が行方不明だという警察のSNS投稿をきっかけに、世界中で大きなニュースとなってしまう。バーナードとレネが離ればなれになるのは、今回が人生で2度目だった。決して離れないと誓っていたバーナードがレネを置いて旅に出たのには、ある理由があった。

監督は「シンクロ・ダンディーズ!」「理想の結婚」のオリバー・パーカー。本国イギリスでは2023年10月に公開されたが、グレンダ・ジャクソンは同年6月に他界し、これが長編映画の遺作となった。

2023年製作/96分/G/イギリス
原題または英題:The Great Escaper
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2024年10月11日

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映画レビュー

4.070年抱え続けた心の傷と向き合う旅

2024年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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ニコ

3.5老夫婦の歴史を一瞬にして体現してしまう名優の凄み

2024年10月17日
PCから投稿

泣ける

老人ホームで暮らす老夫婦が、残された時間を互いに助け合いながら過ごしている。演じるのはマイケル・ケインとグレンダ・ジャクソン。夫婦で過ごした時間の長さを、一瞬にして体現してしまう名優の凄みに驚かされるし、2人ともとことん枯れ果てているのに、いつもひとかけらのユーモアを絶やさないのはさすがだ。2人の深い関係性は、夫がノルマンディー上陸作戦の記念式典に出席するため施設を飛び出したことで、さらに細部が加筆されていく。夫の行動には、戦争に加担してしまった人間の後悔が動機としてあり、そこが、この物語に深みを与えている。

まるで、一筆書きのように流暢に、そして、端的に綴られるストーリーは、実話を基にしているという。しかし、本作の場合、映画のためのあらゆる脚色よりも、ケインとジャクソンの行間を掬い取るような名演によって、凡庸なドラマに帰結することを免れている。特に、1960年代のスウィンギング・ロンドンを代表する人気俳優として活躍したケインと、『恋する女たち』('69年)以来、演技派の名前を欲しいままにしたジャクソンを知っている世代にとっては、2人が細くなった背中を寄せ合っている姿を見るだけで泣けてくるはず。

ケインはこれで俳優引退を表明し、ジャクソンは映画が完成した直後、2023年6月15日に帰らぬ人となった。

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清藤秀人

4.0しっかりとした芯のある人間ドラマ

2024年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

大戦を生き抜いた高齢の主人公が海辺のケア付き住居から抜け出しフランスで行われるDデイ記念式典を目指す。それだけですでに魅力的なストーリーだが、主演がマイケル・ケインであるがゆえにユーモアや温もりだけでない確かな深い味わいが染み渡る。特に心揺さぶるのは現在と過去の紡ぎ方だ。メインとなる夫婦(ケイン&故ジャクソン)の日々の穏やかな暮らしや主人公が旅先で出会う人々との交流が丁寧に描かれる一方、そこに各々の経験してきた戦争の記憶が繊細に添えられ、これまで口に出来なかった思いがじわりと浮き彫りになっていく。その奇をてらうことのない縦軸、横軸の絡み合いが胸を軋ませてやまず、とあるパブでの一幕、そこからの静かなる展開が私には本当にたまらなかった。かと思えば、いたずらに誰かを英雄視する行為に対しケインが放つ言葉も忘れ難い印象を残す。これぞケイン。彼だからこそ表現しえた芯のある生き様のドラマがここにはある。

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牛津厚信

3.5期待したが、いつものマイケル・ケインだった・・。

2025年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

私はマイケル・ケインがそれほど好きではない・・。
が、今作は実話に基づく感動作で期待せずにいられなかった・・・でもやはり過去作同様、そうは至らなかった。

原題「The Great Escaper」は、そうあの傑作「大脱走」(The Great Escap)の名詞形=偉大な脱走した人!
と言っても今作は "老人ホーム" からの脱走♪

チェックするとマイケル・ケイン出演作は過去に26作見ていた。
が、ケインがすごい! や ケインのシーンに前のめりになった!って事がほぼ一度も無い・・。
それは存在感がないのでも、演技が下手などでも全くない。
記憶からそれがなぜなのかを考察すると、
喜怒哀楽が激しい役や、魂を揺さぶる様な激しい行動を起こす役をやってない気がする。

主役を支える役や、沈着冷静なアドバイザー的役などが多く、観客がその役に惚れ込む・・という事がほぼなかったのでは・・と。
アカデミーの助演男優を獲った「サイダーハウス・ルール」でも私が見入ったのは、ほぼ 子供や "トビー・マグワイア" のシーンだった。

今まででケインの分する役で一番、印象的だったのは、「ダークナイト」シリーズの"アルフレッド"役で、執事だが切れ者サポート役が、頼もしく感じ好感を持った。

そして今作は主役でずっと出ずっぱりなので、今までにない物を見せてくれるだろうと期待した。 が、やはりほぼ感情移入する事なく。悪く言えば "無味無臭" というか、いつものケインで、その演技に見入る事はなかった。
私的に今作一番の山場は、その脱出から戻って来た時のマスコミや周りの人の歓迎シーンだった。

妻役の グレンダ・ジャクソン はケインより老けて見えて、演技というより本当に終焉を迎える人の様で違う意味でシンパシーを感じた。
(尚、ご当人は今作撮影後の翌年に亡くなっている。)

物語としてはよく出来ていると思うが、こういう作品に一番大事な人物描写に見入るシーンが少ないのだ・・。
もし今作主役を、クリント・イーストウッドがやっていたら、もっと味のある作品になったのでは・・と。
う~~ん残念。

マイケル・ケイン(御年92歳)は今作が最後の出演だそうだ・・。

PS
実は今作、UNEXTで評価が★4半と抜群で、フィルマ&映画コムも★4だったので、即視聴してしまった。
IMDbの★は視聴後にチェック。  ★7.0と微妙な評価だった。
結果、私の感想は好評まで至らず、IMDbも先にチェックすべきだったと・・・。

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レオン