バイオハザード : 映画評論・批評
2002年8月15日更新
2002年8月31日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹系にてロードショー
原作ゲームを踏まえたカラクリがいっぱい
全世界で2000万本に迫るセールスを誇るものの、その怖さゆえにクリアした人は半分だけ、とも言われているホラーゲームの金字塔「バイオハザード」の映画版。ゲームの1作目は、閉鎖された洋館での静かな恐怖が描かれていたが、デスメタル調の音楽をバックにゾンビめがけてマシンガンを撃ちまくる本作は、どちらかと言えば第2作目に近い雰囲気だ。
もちろん、数多の原作モノと同様、ストーリーはまったくの別物だが、基本的な舞台設定はゲーム版を踏襲。洋館の大食堂や地下を走る輸送列車など、カメラアングルで原作からの引用がわかるというカラクリが味わえるのは、ゲームファンならではの特権だろう。また、監督が筋金入りの「バイオ」ファンというだけあって、ドアを開けるときの恐怖や緻密な銃火器設定など、ゲーム版のこだわりをしっかりおさえた描写もある。
さらに秀逸なのは、見事にゲームの物語とつながるエンディング。原作ゲームのようにパリや絶海の孤島、南極などへ舞台を移し、どんどんシリーズ化して欲しいところだ。
ちなみに、映画を見てゲームを遊びたくなった人には、任天堂ゲームキューブ版がオススメ。ド派手な映画よりも、怖さがじっくり味わえます。
(戸部浩史)