十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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この尺でも足りないか。。?
基本情報によりますと。。
「本作は東映黄金期の礎を築いた
脚本家・笠原和夫さんによる幻のプロットを、白石和彌監督&「孤狼の血」チームが60年の時を経て映画化した集団抗争時代劇」だ、そうですよ。ふむふむ。
ストーリーを簡単に言うと
日本史上最大の内戦である戊辰戦争
(新政府軍vs旧幕府軍)のさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩の裏切りのエピソードって事でよろしいか??
新発田藩の家老・溝口(阿部ちゃん)の策により、罪人達が砦を守る任に駆り出される事になる。
罪人達と共に護衛作戦に就く兵士郎
(太賀君)
旧幕府軍の同盟軍として新政府軍と戦おうとしない藩に不満を募らせている。
(だから選ばれてしまったのね泣)
溝口の腹心であり娘婿の入江数馬(野村君)
荒井万之助(田中俊介さん)
の3人と、集められた罪人達は砦を守りきれるのか?!
罪人達の自由を賭けた壮絶な戦いも見所です。
もしかしたら、この溝口という人物を冷酷過ぎる!と思う方もおられるかもしれませんね。
ただ違う視点から見ると"最小限の犠牲で多くの民を守った"とも考えられました。
(この表現アウトですかね?大丈夫かな?汗汗)
侍だったか?と言われたら考えちゃいますが、策士であり政治家だったなと思いました。
小さな藩を戦場にする事もなく、戦争に巻き込まれて死ぬ人も出さなかった。
家老としては優秀な人物でした。
(兵士郎を撃った時はグギギギー!だったけど)
そして、彼個人としては痛すぎる代償を払う形になった着地には唸りました。
肝心の罪人達ですが。。
タイトルでは十一人。
だけど実際は十人でしたね。
(まさかのラスト!あの方を含んでの数字だったとは!)
政(山田君)のエピソード以外は、それぞれの犯した罪についてもさら〜っとセリフ一丁で説明されるだけですのでね。
これ以上は尺を取れないのでギリわかるように工夫はされていましたが、もう少し深掘りして欲しかった。
いまいちキャラに感情移入しにくかったです。
画面も全体的に暗いのでね。
(悪い意味ではないです)
お顔もハッキリせんのですよ。
辻斬(小柳涼太さん・元お相撲さんなんですね!)なんてずっとワタルだと思って観てました(°▽°)
エンドクレジットまで気付かず
"一ノ瀬"って出て来て、
ん?!役名が違う?! ん?!颯?! 誰?!Σ('◉⌓◉’)ってなりました。
つか、偶然すぎる一ノ瀬w
一ノ瀬颯君は二枚目でした。
ラストのおっかぁに泣いた( ; ; )
あげたら色々とムムム( ̄  ̄)な所もあるのですが、何だかんだ言ってもしっかり最後まで観れました。
(ナダルだけは。。。登場の度に現実に戻されてしまった( ̄∇ ̄)
(せいじは実際にも得度して僧侶になった様なのでギリ良しとします?犯した罪にも納得できたw)
しかし豪華キャストでしたね。
行きますよ!まず太賀君ね!!
大好きなんですよね。本当に良い顔になってきました。
太賀君の殺陣は初めて見たのですが、相当練習されたのではないでしょうか。
見事な刀さばきに加え、葛藤や怒りの表現、鬼気迫る表情が素晴らしかったですね。
胡散臭い笑顔の芝居が大好きなのですが、今回は封印。次作「本心」ではありそうなので期待してますw
そして何と言ってもこのお方でしょう!
爺っつぁんを演じた本山力さん!
老ぼれと見せかけて実は槍術師範という役どころで、官軍相手に凄まじい殺陣を披露してくれました。
炎と血しぶきと爺っつぁん!
明らかに、間違いなく"死闘"なのだけど、美しさもまとっていて不思議な感覚になりました。
命が燃え尽きる前に再び、一瞬だけ燃え上がる炎のようでした。絵になる〜!
"侍タイ"から時代劇に対してのハードルが下がったのか、苦手意識があったはずなのに、もっと見ていたいと思いました。
もう爺っつぁんから目が離せずで、なんならもう推し!
(本山さんの実年齢に驚き!全然爺っつぁんじゃないw)
W主演のようですが、いまいち見せ場が弱かった印象の山田君。
ちょっと太り過ぎでは??一緒に痩せよ♡
死罪だなんて重すぎる2人。
おろしや天音ちゃん。医学を学びたかっただけなのに〜泣 大切なお手てがぁ〜泣
こちらも、侍の女房と恋仲になっただけなのに〜泣
役名も実際も二枚目の颯君。
お顔半分えらい事になりました泣
生まれた時代が違っていたら、こんな事にはならなかった2人でした。
(不倫はアウト〜だけどね♪)
そんな中驚いたのが、紅一点のなつを演じた俳優さん。
知らない方だったので調べたら鞘師里保さんという方で元モー娘。の子なんですね!
いや、雰囲気あってとても良かったです。
モー娘。時代知らなくてごめん。
江戸幕府から明治政府へと政権が移り変わろうとしていた時代。
"正義と悪" 簡単に分ける事のできない時代の中で、正義も組織も信じられず賊となった彼ら。
あの時代に生きた、再び自由を手に入れようとする姿が印象的だった。
ありがちな"誰かを守る為に命をかける"というわかりやすい展開にならず、主人公の政も何度も逃げようとする所も新鮮だった。
(結果、大切な誰かが待つ藩を守る事を選択したが。。)
無罪にならなくても逃げ切れれば自由だ。
政はさだの元に戻りたい。
そんな思いっきり人間臭いドラマになっていたのも面白かった。
美しくもなく、ただただ、死んでいった彼らだが、その孤高の魂はとても熱かった。
その魂が繋いでくれた、救ってくれた命のお陰で、今の我々があるのだと、心にそっと刻まれた。
最後に。。
溺死したノロ(宝くん)に政が胸ドンした事で、それが心マになって蘇生した。。って事なんだろ〜けど、さすがに時間経ち過ぎてそれは無理ゲー(°▽°)
人として死ぬか、鬼として生きるか、その選択の外にいるのがアウトローかもしれません
2024.11.6 イオンシネマ高の原
2024年の日本映画(155分、PG12)
戊辰戦争下の新発田藩にて、砦を護るために遣わされた罪人と藩士を描いた時代劇
監督は白石和彌
脚本は池上純哉
物語の舞台は、1868年の新発田藩
戊辰戦争にて、新政府軍と旧幕府軍の対立を見守ってきた家老・溝口内匠(阿部サダヲ)は決断の時を迫られていた
同盟軍への恩義と時代の潮流を考えた結果、同盟軍につくフリをして、官軍に寝返ろうと考える
内匠は鷲尾(仲野太賀)にアイデアを募り、彼は「決死隊」にて峠の砦を封鎖し、官軍が藩に入るのを食いとめ、その間に同盟軍とともに偽の出撃をさせようと考えた
そこで鷲尾は、「死罪寸前の罪人」を10人集め、自身を含めた藩士4人で砦へと向かうことになった
同盟軍が藩から出るまでの時間稼ぎをする手筈だったが、一向に狼煙(合図)が上がる気配もない
そんな中、新発田藩のために死にたくない罪人の政(山田孝之)は勝手な行動を取り始める
そして、そこに予定よりも早く、官軍の先発隊が到着してしまうのである
映画は、そこでいきなり戦いが勃発し、数人の罪人が命を落としていく様子が描かれる
相手は戦の用意をしてこなかったが、立て直しの第二陣には砲撃隊まで加わり、さらに罪人たちの命が失われていく
そんな中、政の弟分のノロ(佐久本宝)は、砦にあった爆薬に油水を塗って殺傷能力を強化させ、反撃を果たしていく
物語は、純粋な侍である鷲尾が内匠の掌でで踊らされる様子が描かれ、その落とし前がラストで行われる
実質的な主人公は鷲尾であり、組織のために戦った者が裏切られ、無惨に命を落とす様子が描かれていく
侍の時代の終わりでもあり、武士道を嘲笑うかのような内匠の銃弾は象徴的であり、刀から銃へと戦い方が変わる瞬間だったように思えた
映画は、戊辰戦争自体を知らなくてもわかるように解説され、戊辰戦争が新発田藩を巻き込む過程も説明してくれる
策を弄した内匠が足元を掬われるものの、それを非道で切り抜けるのだが、その代償はあまりにも大きかった
とは言え、そこまできっちりと描いてしまったことで、155分の大作になってしまった感がある
アクションシーンが多くて、展開が早いと思うものの、政が抜け駆けしてピンチという流れが多すぎるようにも思う
また音声が非常に聞き取りづらいので、何を喋っているかわからないシーンが多いので、いつか上映されるかもしれない字幕版かノベライズで単語を補完するより他がない
動きだけ見ていても話の内容はわかるので、聞き取りづらさがストレスにならない人ならOKなのかもしれない
いずれにせよ、組織のトップの非道さと末端の言いなりの悲哀という構図があって、アウトローはその危険性をいち早く勘付いているという構成になっていた
それゆえに構図がわかりやすいので混乱することはないのだが、罪人の数人はあまり出番がないので、ふと見失ってしまうかもしれない
決死隊の侍の見分けはそこまで難易度が高くないが、新発田藩の藩士もろもろとか、先発隊の側近クラスになると意味不明な感じになってくるので、公式パンフレットの相関図を頭に入れて置いた方が楽かもしれません
好き嫌いが分かれるかもな映画でした
観終わった直後、救いのなさにちょっと唖然とした。
そうか,みんな死んじゃうんだなぁ、と。
せめて,妻のために生きようとした山田孝之くらいは生かしてあげてもいいかなと思ってしまった。
それにしても、若様と藩を守るためならどんな裏切りも汚いことも平然とこなす家老、これを冷静に演じるアベサダオも良かったが、仲野太賀の迫力ある演技が圧巻。
ストーリーにはやや無理がある展開だが、白石監督らしく、血とグロと暴力のてんこ盛りなのも私は好きで満足。
特筆すべきは,賊軍の中で1人見事な殺陣を演じる年配の役者さん、これは誰だと思わず調べてしまった。本山力さんの殺陣のシーンはそこだけ世界が変わると思うほど素晴らしかった。
少し時間が経って考えると,賊軍目線では救いはないのだけど、藩にとっては武士道には大いに反する家老がとった卑怯な作戦が結果的には人々を幸せにしてると思うと,歴史の面白さを感じた。
日本映画のいいところと悪いところを併せ持つ映画
日本映画の悪い所:
・画面が暗い。見えねぇ。
・キャラがわからん。誰や、こいつ。見た目で個性を出せ。
・さらにリアリティを追求しすぎて全員どろどろ。さらに見分けがつかない。
・血しぶきぶしゃー。無駄にグロい。
・無言の睨みあいがあればいいってもんじゃねぇ。
・話がクドい。話のテンポをあげてくれ。
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてくりゃいいってもんじゃねぇ。
・しつこい。そのくだりはもうやった。
・お涙頂戴要素を盛り込みすぎ。その要素、本当にいりました?
日本映画のいいところ:
・きっちり最後まで話を作りこんでくれるところ。
・自己犠牲の浪花節。二枚目、超かっこいい。
・殺陣が最強にかっこいい。じじぃ、かっけぇ!
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてきたかなと思ってたら、そのキャストがちゃんと自分の役割をこなしてくれるところ。特に千原せいじ。
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全体的に画面が暗くて汚いです。
映画はファンタジーなので、そこらへんを無駄にリアリティ出さなくてもいいんじゃないでしょうか。
二枚目を描写するような時代劇じゃないんで!みたいな感性なのかもしれませんが、見た目に違いがわからないので「これ、だれだっけ…」ってなります。
中盤以降、ぐっと引き込まれます。
状況が状況だけにああなったりこうなったりはするのでしょうが、
もうどうしようもない状況を何とかしようとしているのはとても良い。
ここまで、ネタバレをオフにするつもりでぼやかして書いたのですが、
感想としてどうしても書きたかったので、やっぱネタバレオンにします。
「そりゃその選択するでしょ。何考えてんだアンタ」ってシーンがありました。
降伏したら官軍にするぞー、って宣言くらったら、そらアンタ。誰でも寝返るでしょ。
「おまえらの親がー」とか、国が地元がとか言って説得されますが、
その国に処刑されかかってる状況で、藩や地元に愛情を注げるものなのでしょうか?
政は嫁さんラブなのでまあわからないでもないですが、他のやつらはもう自分を殺そうとしたやつらがどうなろうと知ったことかな状況じゃないんでしょうかね?
なんでそこでほだされるんだろう、という点だけものすごくひっかかってもやもやしました。
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最後に一言。
「じじぃ。超かっけぇ。ものすごくかっけぇ!!!!!」
勝利者などいない
東映の時代劇
時代劇の中でも東映の時代劇は
・エンターテイメント全振り
・歴史考証なんざ知らん現代的ムード
・迫力重視のブレッブレのカメラワーク
・血みどろの斬れ飛ぶ腕や足などの残酷描写
・個人描写より命令に従って死んでいく登場人物
などの思い切った作風が特徴
これは基本的に勧善懲悪の時代劇しか
なかった時代に任侠映画等で勝負してきた
東映が時代劇でも同種のスタイルで
映画作りをしてきたところ
そしてこれは時代劇がどんどん
テレビ放送に移行していき
斜陽にあった時代劇映画を
再興させるための打開策で
あったとも言える
で今作は
「日本侠客伝」「仁義なき戦い」などの
脚本を書き上げた笠原和夫が
戊辰戦争で藩に官軍を食い止める
ためだけに新発田藩の罪人が駆り出される
「十一人の賊軍」のプロットを蘇らせたもの
この脚本は結末の展開に
当時の東映社長・岡田茂が激怒し
第1稿350枚が破り捨てられ
残っていなかったとか
このエピソードを知った
「碁盤斬り」「孤狼の血」等の
白石和彌監督が現代に合うよう
メガホンを取った作品
さてその結末はどうだったか
前述したような東映エッセンスを
ふんだんに組み込みながら
ド派手に散っていく罪人たちと
精錬に藩の為に散っていく者
迫力満点でした
東映の剣会の殺陣はあの
張り詰めた空気感まで伝わってくる
ようでした
人物描写が弱い
感情移入できない
という感想もよく見ますが
そんなもんいらないのです
ただ「使い捨ての罪人たち」
でほぼ全員死ぬからです
確かに最近
人の道を外れた者たちの
彼らにも事情があるんだ!
みたいのをジャンプ漫画でも
色々見ますがそこってあんまり
必要ですかね
バトル漫画で戦いの虚しさ
とかをやたら出してくるの
正直げんなりうんざりしてます
この映画みたいに
新しい時代に生きる新政府と
それまでの社会を作ってきた
徳川幕府が日本人同士戦って
決着を付けなければいけなかった
戊辰戦争
これ以上の虚しい戦いは
ないわけでですから
この映画は新発田藩の家老
溝口内匠から剣士鷲尾兵士郎
まで自分の立場に囚われて
戦っていきます
それでいいのです
作中の描写だけで
だいたいわかるくらい
配役で使い分けされています
山田孝之演じる政なんか
超わかりやすい
別に主人公ではない
新発田藩は憎んでいるし
隙あらば官軍に寝返る
1人でも逃げたら全員無罪放免は
ナシという条件は後に
嘘八百であることが
バレますが
そもそも罪人同士が自ら
協力する義理はない
展開が進むと自然と
結局そうなっていきますが・・
あとほんとね
仲野太賀素晴らしい
お父さんもまだバリバリ
だけど二世俳優ほんとすごいよ
個人的には期待通りの
東映時代劇感満載で満足でした
血肉飛ぶ娯楽映画
今まさに自藩の家老に斬りかかろうとする足軽、鷲尾兵士郎(仲野太賀)が、憤怒の鬼と化して叫ぶ。
「俺は11人目の賊だ!」
この映画の「義」の完成と言える場面。
仲野太賀の迫力に感動した。
しかし義というものは、いつの時代も政治やエラい人に踏みにじられるものなのです。(という最後に繋がっていきます)
登場人物10人の賊は、それぞれ個性的でおもしろい。
妻を手篭めにした侍を殺した政(山田孝之)、
医者の勉強がしたくてロシアへ密航しようとしたおろしや(岡山天音)、
檀家の奥さんと密通した坊さん引導(千原せいじ)など、
悪いと言えば悪いが、仕方ないといえば仕方ない、情状酌量の余地がある罪人ばかり。
政治がよければ犯さずに済んだ罪もある。
10人全員の過去が語られるわけではないが、
そこは推して知るべし。
全員根っからの悪いやつではないと思わせてくれる。
いや、だんだん彼らこそ人間として正しいように見えてきさえする。
この11人(罪人10人足軽1人)で砦を守る戦いをするのだが、戊辰戦争の東北は、なかなかわかりづらい。
2022年公開の役所広司主演映画「峠 最後のサムライ」も戊辰戦争の東北が舞台だった。
こっちは長岡藩の街も民衆もついに戦火に覆われた。
しかし歴史的には、新政府軍のターゲットは長岡でも新発田でもなく、元京都守護職の松平容保がいる会津。
松平容保は、鳥羽伏見の戦いで幕府軍が負けると、さっさと京都から会津に逃げ帰っていた。
新発田藩としては、どっちにもつきたくない戦いたくない、来ないでお願い〜って気持ちかもしれない。
藩主も若くてオドオドしている。
だから家老溝口内匠(阿部サダヲ)みたいな存在が必要になる。
この家老が大変イヤなやつ。
卑怯。
卑怯という言葉がぴったり。
自分の考えばかりが正しいと思う政治家。
人を使い捨てにする、嘘をつく、他人の命はゴミより軽い。
でも結局、最後の最後には、同盟を裏切ったおかげで新発田藩は戦火を免れ、民百姓は殿や家老に感謝するという幕切れになっていた。
…この最後のシーンに複雑な思いを抱いた。
歴史的事実とはいえ、阿部サダヲには最後の最後まで卑怯で腹黒で、憎まれものでいてほしかった。
同盟を裏切ったのも、賊たちを使い捨てにして殺したのも、みんな民百姓を守り国を守るため致し方なかったのだというふうに見せてほしくなかった。
善人面するなコラと思った。
ずっと卑怯で腹黒いイヤな奴でいてくれればよかった。
死んでいった賊たちを思えば、いたたまれない。
阿部サダヲの娘が自刃したのも、砦で死んだ恋人、入江数馬(野村周平)のあとを追っただけではなく、父の卑怯な行いを知ってからの絶望の自刃にしてほしかった。
「すまなかった」と娘の亡骸に向かっていう言葉も薄っぺらい感じがした。
もっと後悔しろ!と思った。
(もう溝口家老と阿部サダヲの線引きがなくなってる!笑)
★いかさま賭博師の赤丹(尾上右近)は魅力的だった。
声もいい。甘さと精悍さが両立してる。
★謎に腕が立つ爺っつぁん(本山力)もカッコよかった。
「元毛利家槍術指南役」と、最後の斬り合いの場面で明かされる。
やっぱりねーっ!そうだと思ったー!かっこいいー!と、心の中で喝采。
★血も首も肉片も飛びまくる。
斬り結ぶ敵味方の真っ只中にいるような実在感ある戦闘シーンは見事
★ゆりあんリトリィバァの登場は何なんだ?あそこで映画への没入感が一気に引いた。
★娯楽映画として見よう。
良い作品になる可能性がいっぱい詰まった「佳作」
言いたい事は山のようにあるのだが、悪い作品であったかと言えば「否」
ただ、少しずつ「惜しい」が重なって、評価としては佳作どまりだった・・・
11人の賊たちの個性の表現、溝口家老の鬼気迫る感じの演出、脚本が「違う」感(阿部サダヲさんは最高なのだか彼の眼力やお芝居だけではカバーしきれていないのが残念)
原油はあんな燃え方しないのにとか、いつの間にか鉄砲隊が全くいなくなるとか
大砲は山道は運べないのにとか、ナダルだけはどうしても違和感しかなくて受け付けなかったとか・・・はみんな横に置いてもね
でも、官軍の将、二人と対峙する長州藩士の最後の殺陣や仲野太賀さんのラストの立ち回りとその絶命した時の表情は最高だった
あと、鶴瓶さんの息子さんは最近どんな役も見事こなしていて実は密かに「推し」である
あと、砦のストーリーはフィクションだと思うが奥州小藩新発田藩の辿った道は史実通りなのでこれで歴史に興味持った方は是非そちらの世界へもどうぞ
幕末エクスペンダブルズ
時代が大きく動いた幕末。
〜勤皇の新政府か幕府を助ける佐幕か〜
越後の一藩、新発田藩も難しいかじ取りを強いられた。藩論は早くから勤王にまとまっていたが、佐幕諸藩に包囲された状態にあり、同盟軍の圧力によりしぶしぶ奥羽越列藩同盟に参加することに。
しかし実際戦列には参加せず、出兵には応じるなど慎重に行動しつつ、新政府軍と連絡を取り合い、新発田に上陸すると直ちに同盟を離脱した。
これが奥州戦争の帰趨を決め、歴史に「新発田の裏切り」と呼ばれる出来事になる。
(新発田藩からすると裏切っていないが)
この間の権謀術数の駆け引きは、やはり史実の方がおもしろい。
長い割にスッキリしない。
ちょっとフィクションすぎた印象。
新発田城下を戦火から守るため、新政府軍と同盟軍が衝突しないよう、同盟軍が新発田を出るまで要の砦を守りきれば無罪放免とする言い渡し。
時間稼ぎに罪人を使う時点でコレあるか?と思うが、ここまではまぁ面白い感じ。
後にこの無罪放免が嘘で「守っても守らなくても処分」ということがわかるが、コレをひっくり返さないのが残念なところ。
十一人が賊軍として同時に揃わないので、なんだかなぁ…(八犬伝のあとだから余計に感じる)
しかも各キャラが薄いので感情移入しにくい、登場時に字幕でキャラ名出してもらいたかった。
御家老、
処分の仕置きは逃がしてもよかったのでは?
首なんか似た奴でいいのでは?
銃で解決するところも小物感。
同盟軍を煙に巻いた策士はどこへ?(怒)
最終戦は剣の勝負で家老斬ってもよかった。
(史実上生存した人物は殺せないのか)
ナダルの演技に驚いた。
普段の大げさな感じがむしろ大河に合うのではないか(笑)
スッキリしない。暗いのが、偉いのか?痛快時代劇じゃいけないのか?
仲野太賀好きです。
本作では、真っ直ぐさが良かった。
そこは絶対報われてほしかった。
全体として、面白かったのですが、もっとスカッとした痛快時代劇が良かった。
理不尽な結末を、すでに予告編でネタバレするのもどうかと思ったし(最初から無罪放免にする気はなかったって)、何か、悲惨な末路や暗い話にした方が、作品の格が上で、明るい面白さは格が下だとでも思ってるのではないか。
『八犬伝』の馬琴の言葉「現実はそうはいかなくても正しいものは報われる世の中であってほしい」を思い出した。
時代劇にしては最後がスッキリしない
戊辰戦争のなんたらは解るのだが、百歩譲って突っ込み処満載なのも許せるのだが...アベサダの大老役が最後にやられない(殺されない)のは賊軍側の武士役の仲野太賀の無念極まり無い為、時代劇としては全くNGである。特にアベサダの大老は農民達をあんなに殺生しておいて最後迄生き残ってはいけない。(史実であったとしても…)
監督は時代劇が何たるかを理解していない。史実を元に大老が殺されていないとかなら別の老中を創ればよかっただけなのに…。
これでは観た者達が納得出来ないし、胸のすく思いがしない。
アクション映画としては良いが、設定が時代劇なので最後は皆スッキリしたいのだ‼︎
ノベライズに比べると
ノベライズ本を読んだ時は、話はまあまあだけど、映画にすると面白いんだろうな、という印象であったが、実際の映画は、怪力男がそれほど怪力でもなく、生臭坊主もそれほど生臭でなく、火付け女?は三味線を弾かなかいなど、萌えポイントがことごとくスルーされていて、超がっかり。何のために戦うかも、途中ぼけてしまい、感情移入したくてもできなかった。ノベライズ本の勝ちかな。主人公がどれほど奥さんを大事にしているかの冒頭部分を削っているので、そこで既に負け試合。
新堀田と書いてシバタと読む(笑)
いやぁ、3時間弱があっという間に終わっちゃった😂
山田孝之のヘタレっぷり、仲野太賀のカッコよさ、阿部サダオの狂気が絶妙過ぎて、最後まで一気に駆け抜けて、バッドエンドなんだけど、何か清々しい気持ちにさせてくれる極上作品です😆
ナダルやゆりあんも思ったほど酷い大根ではなかったし、野村周平が本人とは真逆のメチャクチャ好青年だし、アイツが全ての和を乱している元凶だから早くいなくなれって思ったら見事に退場してくれたし、でも音尾琢真は早すぎだよって思ったら、子供に若返った中尾明慶君、まさかの生き返りで裏のMVPと、もうてんこ盛り🤣
玉木宏も贅沢すぎる使い方しよるわ、爺さんも本田忠勝ばりの活躍しよるわ、もう、とにかくよかった☺️
生きたいのか死にたいのか。
時は幕末から明治。
大政奉還後、次々に起こる官軍と幕軍の戦い。
罪人とおぼしき者たちがどちらにもいい顔したい新発田藩の策略に飲み込まれるお話。
まず全員の素性がイマイチピンと来ない。早口であいつはあーだこーだ言ってたけどついていけなかった。
そして山田孝之の立ち位置がどーにも。。。裏切って戻って裏切って戻って、逃げるけどまた戻って自爆って。。。仲野太賀の最後も、十一人目の賊宣言がなんとも言わずもがなな気がして。
さらにみんな歯が綺麗。そこが一番入り込めなかった所
これはTVの〇〇周年特番二夜連続前後編2時間ドラマとかでもうちょっと掘り下げてやった方がいいような。。。
油田掘って火つけたら自分も危ないだろ、、、っと思ったらホントにぶっ飛んだ(^_^;)
とても面白かったです。
今年ベスト!最高に面白い!
なんとなく見てみたらこれが大当たりでした!
キャストがとにかくよく、特に終盤の仲野太賀の演技は圧巻でした。
阿部サダヲ、山田孝之、野村周平も最高。
途中の賊軍たちのかけあいも楽しめましたし、尾上右近の賭博のシーンが最後に効いてくるのもたまらなかったです。
そしてIMAXでもないのに音響と映像の迫力がすこがったです。
もう二回くらい見たいと思える。
DOLBYのある劇場でみたらどうなるのか楽しみ。
来年アカデミーにくい込んでくると思います。
結局、御家老の溝口(阿部サダオさん)の権謀術数で新発田藩は救われたのだ。うーんお見事、名家老じゃ。
最後に「メデタイ、メデタイ、メデタイな」と踊る領民の浮かれぶりを見れば、藩を守ることに対していかに優秀だったかが分かる。犠牲になった者や、溝口にとっては皮肉な掛け声にも思えるが。
家老の溝口は、正に家老が成さねばならない藩の平和、安定、存続という仕事を見事にやり遂げたのだ。
そのためには鬼にもならねばならん。
その結果、領地、領民、家臣、そして幼い領主をも守り抜いた。コレを名家老と言わずしてなんと言えよう。
とはいえ、溝口の計画全てがトントン拍子でうまく行ったわけではない。
同盟軍が城内から引き揚げるまでの1日か2日、官軍を足止めする計画も、不測の事態が生じて順調にはいかない。
賊軍を無罪放免するのがウソなのが、入江たちの立ち話でバレちゃうし、娘は砦の入江んとこ行っちゃうし(^^)、同盟軍は、なかなか出てかないし、塹首したのがコロリ患者だったのがバレて、そのうえ幼い殿が何か喋っちゃうし、うまく引き入れた官軍の山縣のヤローには砦の官軍壊滅の責任に中野太賀の首持って来なきゃならないし、もうテンワヤンワだ。
なかでも溝口にとって1番の想定外は、娘の自害だろう。妻にも自分に触るなって言われちゃうし、僕も一瞬 ボウ然としてしまったヨ。
溝口もある程度の犠牲は覚悟していたのだろうが、藩を守るためとはいえ、コレは溝口にとって、余りにも大きな犠牲だったろう。溝口スゲー可哀想 (ノ_・、)
話は変わるが、映画がなかなか終わらないと思った。
もうボチボチ砦の官軍やっつけて、そろそろ終盤かな?なんて思ってると、次から次へと想定外の事態が引き起こって、スゲー面白いんだけど映画が全然終わらない。
映画が終わって明るくなった時の第一感は、「なんかスゲー疲れた」である。
あと、山田孝之さん生き残ると思ったら、逃げずに戻ってやられちゃった。
それと、数えてなかったけど、罪人自体は10人だったのねと思った。
時代劇が熱い!!!
たまたま死罪で囚われていた十一人が新発田藩家老の策略で、
無罪放免を餌に砦の護衛作戦の任につくことに…
ただただ無罪のために、生きるために…
官軍の侵攻を防ぐ中で団結していきつつも、
仲間がどんどんやられていくのが、
昔の任侠ものの時代劇版みたいだなー、
と思いながら観ていましたが、
鑑賞後に解説読んだところ、
ー 「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる
名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットから ー
とのことで、なるほどー!でした。
これぞ、エンタテインメント!!
仁侠娯楽時代劇の面白さでした。
だいぶグロいところは苦手でしたが…
しかし、いつもながら、
白石監督は役者さんを良い顔で撮られるなぁ…と思いつつ、
今回は仲野太賀さんが、本当に素晴らしかった!
今年の個人的最優秀男優賞です!!
コメディもシリアスも達者に演じられる仲野さんを観ながら、
なぜか先日鬼籍に入られた西田敏行さんを思い出してしまい
涙が出てしまいました。
それと、もう一人、本山力さんの立ち回りがハンパなかった!
最高にカッコ良い爺っつあん。
その美しい殺陣の所作をずっと観ていたかったです。
時代劇が熱い!!!
首
2週続けて日本の歴史もの映画が立て続けに登場してきて中々面白い期間だなーと考えながら鑑賞。
賊軍と呼ばれる悪党たち含め多くの人間の思考が入り乱れる群像劇で2時間半とボリュームたっぷりにお送りされる時代劇で堪能させていただきました。
白石監督らしくグロ全開のチャンバラが繰り広げられるので惨さが惜しみなく発揮されていたのはとても良かったです。
特に太賀さんと本山力さんの殺陣は見応え抜群で、血みどろになりながら刃が体に貫かれながらも奮起する姿には手に汗握る展開でしたし、終盤足掻きに足掻きまくる兵士郎の鬼気迫る表情込みで感情が揺さぶられました。
砲弾もガンガン飛んできますし、クリーンヒットで体がバラバラになりますし、爆破シーンも大盤振る舞いの如くたくさん流れますしで豪華な映像が繰り広げられていて嬉しかったです。
油を用いての大爆発シーンなんかウッキウキで待ってましたし、見事に爆破してくれるのでここだけでも満足度はとっても高かったです。
十人の悪党と浪士たちそれぞれにフォーカスを当てるためには仕方なかったんだと思うんですが、それ込みでも登場人物の印象がブレブレになってしまったのは惜しいところです。
全員がそれぞれ特殊な力を持って戦場に適応していく感じの話だと思ったら、非戦闘民の方が全体的に多く、辻斬もエゲつない力を発揮するのに離脱するシーンが多かったのはもったいなかったです。
政とノロが義兄弟のような感じで徐々に関係性を深めていくのは良かったです。
実の兄に似ているから政に懐いていたノロでしたけど、政を助けてからは本当の兄弟のように見えてきて、覚悟を決めるシーンなんかカッコ良すぎて痺れました。
兵士郎は筋が通った真っ直ぐな男で、どのシーンでも最前線に切り込んでいく姿に惚れ惚れしました。
キャストになぜか芸人さんがちょくちょくいるのはおそらく監督の好みだとは思うんですが、せいじさんは別にせいじさんじゃなくても良いと思いましたし、若干残る関西弁が舞台的にはノイズになったかなーと思いました。
ナダルさんは迫真の表情自体は良いんですが、いざ喋ると感情が乗り切ってないのでお笑いになってしまうのが良くも悪くもってやつでした。
ゆりやんは…必要でしたかね…?あそこにカメラワークを割くのははっきり言って無駄でしかなかったような…。
大いに楽しませてもらいました。
新機軸の時代劇がたくさん出てくるのは日本人として嬉しい限りです。
時代劇には容赦のないグロが必須だなと改めて思いました。
鑑賞日 11/1
鑑賞時間 17:10〜19:55
座席 A-1
心熱く涙した! 賊軍の十一人目、誠意ある覚悟に男気を感じた!
白石和彌監督の最新作!
劇場予告を見て、1日も早く鑑賞したいと期待しておりました。
公開初日に休みとって行きましたが 期待通りの大変満足な仕上がりでした。
ありがとうございました。(*´ω`*)
良くこんな話を見つけたなっていうか、展開流れを創ったなと思います。
時代劇ってもう古い?? いやいやそんなことは無いね。
前作の”碁盤斬り”もそうでしたが 作り手が新しい風を吹き込む事で
ワクワク感が立ち起こります。
人としての思い行動、何故 今それをするのか、
どの様に生きて行くのか、スジのある人の心(仁義)を1本太く入れて描くことで
この新時代劇は完成されているのだと感じます。
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(話展開)
日本近代史上最大の内戦、1868年(慶応4年 / 明治元年)に起こった戊辰戦争。
新政府軍(官軍側)と対立する奥羽越列藩同盟(旧幕府軍ら賊軍側)。奥羽越列藩同盟へ渋々加入していた新発田藩が、新政府軍(官軍)への寝返りする流れ展開を描く。表向きは来藩した同盟軍へ同志を貫いている様に、戦に加担するかに見せかる。しかし殿の官軍側への御意志があり藩内を激しく動揺させることに。
官軍側が1日ズレ程の遅れで新発田藩に着いてしまうため、
領地果ての砦にて 長岡藩になりすまし 官軍側と交戦足止めさせる作戦を企てる。もちろん誰も敵わぬ官軍と戦うものはおらず、新発田藩にいた罪人を急遽藩命令により砦を守る役目を与える。それは無事に任務を終えたら無罪放免の特赦される約束でもあった。
砦にて集められた罪人たちの 壮絶な死闘が始まるのであった!
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(良かった場面)
・爆破場面全般。中々良い破壊っぷり。見ていて素晴らしい。
CGも多用しての絵ですが破壊の様、飛び散り方がイイですね。
・雨の日夜の橋の爆破。もう誰が誰何だか分かんねぇ事に成ってるけど
兎に角遣りたい事は分かった。あれは結構大変な撮影だったと思いました。
この吊り橋みてて感じたのは、映画”恐怖の報酬”を思い出しましたね。
あの ニトロ運ぶトラックが激流にかかるボロ橋わたるんですが あれとよく似た感覚を味わいました。
・湧き上がる井戸油を流して爆破炎上作戦。実際はある程度は燃え広がるだろうけど爆発炎上は無いと思うのよ。ダイハ-ドのビル爆破時みたいに逆流火炎で爆破場面入れてるけどあれは起こらないよね。でもその発想 見てて面白かったです。
・切腹?でも切腹しないw
溝口内匠:役 阿部サダヲさん、この人らしい役処。ありそうだわ。
最後まで 決断意思がフラフラで。藩内の民の事を思うと分からないでもないが この裏切り行為。 まさしく切腹モノですな。
・官軍側 水本正鷹:役 ナダルさん。お笑い系の人が出ているからとか とやかく言ってる人が居る様だけども それが一体どうしたのさ。スッゴク顔の険しい眼差しは良かったよ。前から役者向きの顔だと思ってた。ブラックレインに島木譲二さんも出てたし、鉄道員に志村けんさんも出てる。各場面に良い味が出てるならそれで良いのではないかな。
・さだ(政の妻):役 長井恵里さん
女郎屋に居たが、なつからお金を受けとる時の場面がよかった。
耳が不自由の表現と、夫の思いに触れる場面が良い。
(心熱くした所)
・入江数馬:役 野村周平さんの 命を擲ってでも必ず無罪放免特赦の約束を守る。騙すような恥ずべき行いをして本当に申し訳なかった・・・罪人達を前に頭を地面につけて謝罪する場面。人として成すべき事をする、真っ当な姿が心に響いた。
・爺っつぁん:役 本山力さんの戦い振りが凄い!
長州出身の剣術家で強盗殺人を犯した人って設定。とにかく殺陣がスゲ-!
他の連中の戦いをよそに一人バッサバッサと斬っていく姿がカッコイイ。
メッチャ頼れる活躍振りに心が燃えたわ。
・何と言っても ココ。
鷲尾兵士郎:役 仲野太賀さんの最後の活躍。
”俺が11番目の賊軍だぁ!” 刀を握った手を抜けないように紐で硬く縛って相手へ特攻して行くところですね。
あの場面は台詞含め心熱く涙しましたわ!
今 絶好調のアクション時代劇の決定版!
是非、ご家族揃って
劇場へどうぞ!
誰の視点でみるか
雨の中、日本最古のシネコンで観ました。
(大森ではないです)
妻を新発田の藩士に手籠めにされ、怒りのあまり藩士を殺害して罪人となった政、および決死隊仲間の罪人の視点で観たら、溝口は保身しか頭にない冷酷な裏切り者、藩士で決死隊のリーダー、鷲尾にとってもそうだろう。
でも、新発田のような小藩で、近隣を大国に囲まれて常に苦渋を強いられている環境では、頭を使って生き延びるしかない。保身も、自分がいなくなったら藩の舵取りをする人がいなくなるからではないか。現に新発田は戊辰戦争では戦場になること無く、溝口は領民たちから大変に感謝されていたのは、ラストで描かれている通り。
主役は政・罪人たちなので彼らの視点で見てしまうが、対家老(藩)としては描かれ方はフラットで、罪人側・家老側のどちらか一方に肩入れするようになっていない。
人物も、家老をいかにもな「悪役」ともわかりやすい「名家老」とも描いていないし、罪人達も美化も露悪的にもしていない。
決死隊の構成は、そもそも死罪だった罪人達と、リーダーは藩の方針と異なる同盟派支持で不穏な動きをする鷲尾、彼は官軍討伐なら喜んで出向くだろうし、戦死すれば藩にはむしろ一石二鳥。もうひとりの若侍はコマッタチャン。それに示しをつけるために家老自身の娘の許嫁をつける。
切羽詰まって城内で首をはねた人々は、コレラの罹患者
犠牲者は藩士3人と死罪の罪人、コレラ患者だけで、他の領民は傷つけられていない。
領民から見たら溝口は小藩の被害を最小限に抑えた、名家老なのだ。
頭の良い名家老だけど、小柄で童顔で声が高くてちょろちょろ動く、人として軽そうな感じなのがリアル。こういう一見与しやすそうな人のほうが警戒されずにいつの間にか重要な位置にいたりする。阿部サダヲはこういう役がぴったり。
ラストマイルの、巨大通販会社に翻弄される運送会社の支店長と若干通じるものがありました。
溝口自身も娘婿を失い、娘に自害され、妻からは鬼と白眼視される。
個人として大きな犠牲を払っている。
家老として冷酷なことをせざるを得なかったので、家老としてその報いを受けねばならない。最初から覚悟の上で甘んじて受けたよう。筋が通った人物に見えます。
そして政の視点で見ている我々観客は、溝口の因果応報だ、と溜飲を下げたりする。
大義のためには小義は犠牲にする、それはそうなのだろうが、犠牲にされたものはたまったものではない。蟷螂の斧かもしれないけれど、甘んじて受けることはないのだ。
なつとノロが生き延びて、家老の娘からもらった大金を手つかずで(そう見えました)政の妻に渡すラストで、下層民ではあっても人である心意気が示されたのと、理不尽にどん底に突き落とされた妻が救済されたことで、観客として気持ちに収まりがつきました。
家老の娘が婚約者を追ってのこのこ戦場に来た場面は余分と思っていたが、このためだったのか。
罪人達はひとりひとり個性はあるようだけど、それが活かしきれていたかどうかは疑問
ドンパチは派手で大規模、クライマックスが2度もあってスゴイと思ったが、首が飛ぶ腕が飛ぶ肉片が飛び散る、スプラッタ残虐シーンが凄まじくて見ていられず目をつぶったところが多々ありました。
上映時間が長い。若干ダレるところがあって時々集中力が切れた。
芸人さん大量投入、観客サービスとか話題作りかもですが、出しすぎでは。
芸人さんのきらきら衣装とか中折れ帽、映画の雰囲気にあってなくて浮いてて異様でした。
銃一任の賊軍
銃なんか持たせたら、「大軍相手に放免より、侍3人殺して脱走しよう」って奴も出そうだが。
序盤で政をはじめ何人かの罪を犯した経緯が描かれる。
だが、時代言葉や方言に加えてBGMや効果音と被って分かるような分からないような。
これは全体を通して続くし、残りの罪人は台詞で軽く触れられる程度。
本質的な悪かどうか判然としないので、モヤモヤする。
そうこうしてるうちに次々と減っていくのだが、特に思い入れもないので感情も大きくは動かない。
というか、絆を深めるような描写はほぼ無いのに兵士郎は罪人の死にキレまくり、政も危険を知らせに舞い戻る。
死線を共にした連帯感として納得はするが、気持ちは乗り切れない。
罪人だけでも人数が多いし、入江やら御家老まで描くので全体として人物が薄いのが残念。
それ故か、タイトル回収に震えることもなかった。
素人集団の泥臭い戦いぶりは良かった。
ただ、SEが安っぽかったり、鉄砲の命中率が高すぎたり、兵士郎が強すぎたりは気になる。
罪人どもがいつ銃の扱いなんて覚えたのかも不明だし、橋もあんな中央で爆破させる必要がない。
乱戦では誰が何やってるか分かりづらいのも難点。
何人か演技が棒なのもノイズで、ナダルは下手ではないがナダルというだけでノイズ。笑
ナレーションは声なのか読み方なのか演出なのか、何かが浮いてた。
とはいえ長尺ながら退屈はしなかったし、人物を斜めに捉えるなど画づくりに魅力はあった。
爺っつぁんもカッコよかったし。
それにしても、政はよく殺されないなと思うし、引導は最後まで念仏唱えてただけだったな。
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