あの人が消えたのレビュー・感想・評価
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“あの人が消えた“その意味するものは・・・
予想以上に楽しませてもらいました。面白かった。
「あの人が消えた」なんて、意味深なタイトルから、心霊系のホラーかと思ったんですが、しっかりしたサスペンスでした。
それも話が二転三転、あっと驚くクライマックスからの衝撃のラスト!
いや~、ホンッと楽しませてもらいました。
このての作品は内容をあまり知らない方が楽しめますよね。
もうひとつ、高橋文哉さんと田中圭さんのコンビも良かったです。ほのぼのとした感じで、和ませてもらいました。
【ネタバレ】
後半の彼女の独白。
真相を話していて、次々と伏線が解決されていく。ちょっとコメディタッチの展開にホンワカとしていたら・・・
ちょっと待てよの、いきなりのサスペンス展開!そこからさらに、衝撃のラストへと向かうストーリーには、ホンッと驚きました。
そして、最後は・・・切ないの一言です。
コメディですな
観る人は読まないで。
前半は、
こんな下世話な配達員なんて居ないし、
こんな奴即クビになるだろうし、
中村倫也あたりが通報してクビになり、
クビになってもこのマンションに来て、
ストーカー容疑で逮捕されされるのか❓
うわーなんてクソつまんないんだー、
て思いながら、
久々に時計気にするくらいでした。
見所は、公安の潜入捜査のシーン。
Mて言った時は声出して笑ってしまった🤣
袴田が乗り込んできて女幽霊降臨🤣
交番が来て今度はグーパンチ👊
いやコレ、中々楽しいじゃん❗️
梅沢富美男まさかのご本人役😱
でも公安がこんなにベラベラ喋る訳、
フツー無いよなー、
猫が盗聴器飲み込む❓
あんな真っ赤なプロテインて、
ほぼトマトジュースやろ❗️
からのナイフ🔪
意外と強い田中圭💪
そこで気づいた❗️
高橋はもう死んでんだ😱
でもスパイに転生出来て良かったね👌
あのMて高樹澪かな❓
て思ってたら、菊地凛子❗️😱
そっか、染谷の妄想だから
奥さん出てきたんだ🤣
そゆこと❓
ラストのアニメは
残念な様な、
あれで良かった様な、
複雑でした。
久しぶりに満足
私のすべての感情をまんまともってかれました。
高橋文哉に田中圭じゃなきゃいけなかった意味も納得。
田中圭が高橋文哉をあたたかく見守るように、
たよりなさそうに見えて実は違った荒川先輩は
さりげなく丸子を見守っていた。
二人でひとりのように思えた。
すべてのキャストが完璧。テーマソングも完璧。
本作のような、オリジナル作品がつくられるなら
邦画もまだまだ元気だ大丈夫だと思えた!
母と心から楽しみました。
(一応ネタバレにしました)
かなり好き
謎解きとラストがかなり良い。
かなり好み。
見やすさ◎
ストーリー◎
キャラクター○
没入感◎
個人的好み◎
この内容だと見終わった時に暗くなりがちだけど、これはいい意味で裏切られる。
前半はキャラがよくわからなくて、イライラするし面白くないかもと思ったが、後半はかなりの没入感。
途中アラがあるし、ラストは嫌いな人はいるかもしれないけどうまく着地している。
面白かったし、泣けたけれど…。
無駄に画面が豪華で、なんならヒロインが一番地味という。
しかも、チョイ役で中村倫也さん、また出演しているし☆
ストーリーも、令和の今ならツッコミどころ満載過ぎて、昭和のパラレルワールドのお話かなと思うくらいだった。
特に、公安云々のあたりは、一気にコメディ路線に入って、迷子になりそうだった。
まあ、最後、降り積もっていた違和感が一気に解消されて、「シックス・センス!」ってなるところが見どころでしょうか。
主人公が「あなたがいてくれて本当によかった」という言葉をもらって、成仏?するところで泣いちゃいましたー。
主人公に限らず、孤立化傾向の社会の中で、こんな言葉もらえたら幸せと思う人、たくさんいそう。
面倒くさい時もあるけど、家族や友達や恋人、同僚や近所の人と仲よくしようと思った。
FALLOUT
予告編くらいの情報しかいれずに鑑賞。
配達員が主人公という事で偶然にも「ラストマイル」と通ずるものがあり、あちらは工場、こちらは配達となんだか繋がってるんじゃない?と思うところが個人的にはツボでした。
序盤こそきなくさい所がありましたが、後半に突入してからガラッと展開変わって面白さが加速していくタイプの作品で楽しめました。
なろう小説好きの配達員の丸子が訪れたマンションで感じた違和感を独自に探っていくミステリー調な作品で、ドラマを作ってる監督のドラマっぽさは章立て以外は感じず映画だなと感じれたところから好印象でした。
そこから怪しい住人を訪れていってと探偵の様な行動を取っていたら島崎という男が犯人だ!というところまで追い詰めていけてひと段落かなと思ったら物語はここから始まるんだと言わんばかりに急展開し始めていきます。
島崎と小宮が刑事ということが分かってから丸子と荒川さんが話を聞いていってパーツがどんどん埋まっていくんですが、所々怪しいところがあって探ってみると島崎が小宮にナイフを突き立てていて、今まで登場してきた人物の頭文字を合わせると「す べ て う そ」と繋がってからは島崎を2人で協力してとっ捕まえるという展開は予想していなくて驚きました。
ただまたここから一捻りがあって、連続殺人というのは本当で他に誰が殺されたのかと思ったら丸子がもうすでに殺されていて、荒川さんと話を聞いてる時には既に死んでいて、だから行動にちょくちょく間があるなと思っていたので点と点が線でつながってゾワっとしました。
地縛霊がいるかもよと序盤ボソッと言っていたのがまさか当人に返ってくる展開は予想外でしたし、地縛霊ならではのアシストが活きていたのはお見事でした。
要所要所に細かいネタを用意してくれてるのも面白くて、寿司屋での例えが的を得ているようで全然得ていない感じだったり、突然梅沢富美男さんぶっ込んできたり、荒川さんの飄々とした感じだったり、島崎(別府)のイキり要素だったりとドカンと笑うよりも細かくクスクス笑えるものが多くて好みでした。
物語がひと段落したと思ったらまさかのスパイ転生の世界に丸子が転生しているという明るい気分にしてくれる終わり方はとても斬新でした。
ステータスが見えてたり、しっかりと悪役令嬢いたりとその世界に転生できていてボソッと呟いた言葉すらも回収してくるかぁと唸りました。
荒川さん見事にゾンビに転生してて成功なのか失敗なのか…良かったです笑
今作のどデカい欠点としては丸子の行動が正義感とはいえどやり過ぎているのだけはその後の展開込みでもちょっと許容できないなぁと思ってしまいました。
配達以外の要件でしょっちゅう訪問してくるし、部屋の中ジロジロ見てくるし、手紙なんか渡しちゃったりしていて、多くのレビューに書かれている様に高橋くんじゃなきゃ許されないと思うし、なんなら高橋くんでも怖い行動をとっているのだけは引っかかり続けました。
頭文字のトリックももうちょい分かりやすいのにすれば良かったのになぁと笑いながらも思ってしまいました。
全体を通して「スパイ転生」の前日譚を見ている感じで面白かったですし、ミステリーとコメディの反復横跳びしている斬新なスタイルも新鮮で良かったです。
「ブラッシュアップライフ」見た事無かったんですが見てみようと思いました。コップンカ。
鑑賞日 9/26
鑑賞時間 18:20〜20:15
座席 F-3
モヤモヤが残る
なかなか練られた脚本で面白かったです。
ミステリータッチの話で進行して行き、終盤にコメディタッチの種明かし、さらにシリアスな種明かし、さらにタイトルの種明かし(消えたあの人とは実は○○のことだった、○○○○センス的な落ちですね)、さらにバッドエンドの後のハッピーエンドと、これでもかの盛り沢山で楽しませてくれます。
ただスッキリしない感じが残ってしまうのは、シリアスな種明かしをしたところでこのシチュエーションは実はこうでしたという説明がないところ。島崎が小宮を抱き抱えていたのはこうでした、沼田が血だらけの幽霊を見たのはこうでした、長谷部がベランダで血まみれで煙草を吸っている島崎を見たのはこうでした、警官が適当な説明をしたのはこういうわけでした(本当に部屋に乗り込んでいたなら疑わないハズはなく、この説明が一番難しい)といったところが、自力で想像しても自分を納得させられるシチュエーションが思い付けないのでモヤモヤしてしまう。そこの種明かしもスカッとやってくれていたら、エンターテイメントとして100点だったんですけどね。
伏線のための映画
前情報一切無しで鑑賞。伏線のために主人公のキャラがブレたり、辻褄の合わない点が出てきたり…。細かい所が気になって素直に楽しめなかった。
まず主人公のキャラブレ。ヒロイン相手にはウジウジするくせに事件に対してはやたら首を突っ込むし、証拠が乏しい中で犯人と断定して個人情報収集、集荷ですと嘘をつく、この人危険と手紙をばら撒く。完全に不審者はコイツだし、観客に好かれる要素が無い。
辻褄の合わない点で言うと、「実は公安です」→「公安は嘘です」と360°ひっくり返したせいで、主人公が集めた情報の数々(ゴミの分別、返り血の目撃証言、ストーカーの隣人が引っ越したことetc…)を、監禁されてたはずのヒロインが知っているという矛盾が生じてしまった。
「主人公が実は死んでました。」これも微妙。割と古典的などんでん返しなのでどこまで大きく、キレイにひっくり返せるかが大事になるが、1章分の時間だけ「実は死んでました」はインパクトに欠ける。一作丸々「実は死んでました」の作品だってあるわけだからどうしたって比較しちゃう。
また、死んでからも地縛霊としてモノに干渉してしまうせいで、「実はこのキャラが居なくても筋が通るんですよ」という、「死んでました」というどんでん返しの最大の魅力が損なわれている。
改善するなら、どんでん返しは一作一個に絞る。特に、公安→嘘のどんでん返しは完全に無くてもいい。そして、主人公はもっと早く死なせて、「いつから死んでた!?」と驚かそう。それだけでミステリーとしての質は大きく上がるはず。
伏線回収が気持ち良い
何を書いてもネタバレになっちゃうので個人的に1番気持ち良かったところだけ書くと、田中圭さんが着てるTシャツがghostとかUNDEADとかなっててどんだけゾンビ好きのキャラ設定やねんってツッコミ入れてたらまさかのフラグ回収。
ラストの展開はテレビ的な感じがして少し蛇足感が否めないが、エンタメとしては賛否両論を作っていて一つの正解ではあるのだろう。
鑑賞動機:あらすじ9割、ユカち…高橋くん1割。
でも予告も見ていないし、キャストも高橋、北、田中の三人しか把握していなかったので、部屋から出てくる面々に驚かされる。
何かやってやろうというチャレンジは支持したいが、2回捻り後は成立してるのかが…うーん審議。最後はまあおまけか。
『ユージュアル・サスペクツ』(を連想する)派だけど、やっぱりもう少しリアルな方向の方が好みだし、驚きも強くなったと思う。
確かなのは高橋くんが一番かわいいことか。
性急
ラストシークエンスだけは面白かったが…それ以外は説得力が無さ過ぎで、全編通してBGMが煽り過ぎなような気がする。
物語の進行は悪くないような気もするのだけど、結構ゴリ押しが酷くて…登場人物の行動に疑問符が付きまとう。
配達員が205号室に踏み込むまで、彼の思い込みとハヤトチリの可能性が捨てきれずで、ここに緊張感や逼迫感が有ればもっと違ったんじゃないかと思われる。
主人公と同期もしくは感情移入できてれば違うのだろう。
断片的な描き方はまぁいいとして、島崎をロックオンするまでの迷いとか葛藤とか、色々描いてくれてりゃもっと違ったのかなぁ。なんせ前半戦に説得力がない。
「嘘」が語られる後半戦は突拍子もない事でいいのだけれど、事実は小説より奇なりとも言うし。
前半戦で主人公を通して紡いだロジックを観客が信用しないと、この落差は生まれないのだと思う。
「なんだ、そんな事だったのか…w」
からの一転でいいんだけれど、落差どころかこの前半を咀嚼しきれなかった俺は段差に躓いたくらいだった。
落としどころはまぁ、悪くはないとは思うのだけど、その部屋ってさ…風呂場に血塗れの死体があったんだよね?
…そんな冷静にというかノスタルジーに浸れるものなのだろうか?
ベランダでタバコを吸ってた時が、用済みの女性を殺した時だとして…この「用済み」の単語も?ではあるのだが…そんな返り血をベッタリ付けたまま自分ちのベランダでタバコなんか吸うかね?
あまりに不用心すぎやしませんか?
隣人はいて、しかも口論が煩くて眠れないと怒鳴り込んできてるわけだよ。
彼は「血塗れの女性をみた」と証言している。つまり彼は多少なりとも返り血のついた島崎を見てるわけだ。
…辻褄が合わな過ぎやしないかい?
とまぁ、こんな具合に至る所に状況と感情の誤差を感じてしまう。
ご都合主義と言えばそうだし、軽いと言えばそうだ。
こんな穴だらけの脚本でありながら、俳優だけは豪華で困る。
とは言え、赤点とは思えず…外国人バイトのファミレスの厨房ではなく、本格的な料理人のいる厨房で調理すれば良かったのになぁと項垂れる。
まぁ、なんせBGMが露骨だった。
何だけど、冒頭に響く靴音なんかは、引き絵でも臨場感を損なわず素敵だった。
分かんないけど「録音賞」ってこういうのが選考の基準だったりするんだろうか?
なせか耳に残るし、印象的だった。
カイザー・ソゼやないか!
予備知識なしで鑑賞しました。
配達員の丸子が、仕事をほったらかしで、名探偵ぶりを発揮しようとするあたりに「羊急便だったらクビだろうな」と思うくらいのノリで見ていました。
どの場面かは忘れましたが、前半の方でマグカップの底が無駄に思い切り映るシーンがあり「え?コバヤシっぽくない?」って思い、そこから、あぁ、ユージュアル・サスペクツのリスペクトなのねと気づいてからは、回収しながら見ることが出来ました(ラストでやっぱり、コバヤシだったと分かったときは、スッキリしました)。
最初から気づいていたら、もっと拾えただろうに、気づくのが遅かったのですけれど(クレマチスって毒があるんだっけ、花言葉コワいんだっけ、など、いろいろと拾って回収したいと思い過ぎてしまいました)。
感想としては、コワいところはもっとコワく、笑えるところはもっとくだらなくして頂けると没入出来たのかな。
あと、クレマチス多摩の住人か同僚に、一人くらい全く顔も知らないけど濃い俳優さんを入れてくれると、もっと混乱して見られたので、良かったのかな。
軽快さ
何と言うんだろう。面白くない訳ではないが、何だかふわふわしている。
実際にあれば、明らかに怪しい宅配ドライバーだ。自身がストーカー扱いされかねない。
中盤の告白もどこから見ても嘘っぽい(実際嘘なのだが)。安易に信用する2人に共感する事が出来ない。
そんな軽い感じで進むのに、最後、殺されていたのは、何だか、どういう気分になったら良いのか?混乱の方が大きかった。
#,あの人が消えた
ミステリー?ホラー?コメディ?展開がオモシロイ
途中まではドキドキのミステリー感がありました。が、突然あれれ?って感じでコメディなオチで作品終了かな?と思ったら、そこからマタマタ展開がかわり‥
最終的には丸子くんが亡くなっていたのは残念でしたが面白く鑑賞できました!
「アレ」と「アレ」の合わせ技一本(笑)。ネタ自体は丸パクリだけど、その心意気や良し。
最初に言っておくと、俺、こういう映画は大好きですよ!!
でも、たいがいの映画好きならだれでも知っている、超有名どんでん返し映画のメイン・ネタを立て続けに二連発!! それも、ほぼ無加工で!!
これが許せるラインかどうかは、しょうじき人によるだろうなあ。
(元ネタの映画をどちらも観ていない人のために、タイトルは伏せます。わかりにくい書き方になってすみません)
まず、どっちも知らなかったってお客さんは僥倖かと。
ただし、きっと将来何かのタイミングで元ネタのほうの映画を観て、びっくりするんだろうね。
「あああああ! まるで一緒じゃんかあああ!!」って。
そっちが先で、こっちが後ですから。
しかもカブったんじゃなくて、意図的にパクってるんですから(笑)。
(パンフを観ると、元ネタの映画を出演者に見せて、演出まで真似させてる!)
大半の「両方元ネタを知っている」人は、かなり複雑な気持ちに襲われるはずだ。
ここまでそのまんま、同じネタを使って、果たして許されるものなのだろうか?
これはもしかして、神をも恐れぬ所業なのではないか?
人によっては、アウトだと思うだろうし、
人によっては、セーフだと思うだろう。
断りもなく、有名どんでん返し映画のオチをパクるのは許せないっていう「全否定派」も、一定数はいるはずだ。
一方で、すでにどちらのネタも「古典」であって、当然「再利用」して構わないと考える人もいると思う。本格ミステリーにおける「犯人=探偵」とか「犯人=記述者」とか「犯人=子供」とかと一緒で、ヴァリエーションさえつけてやれば問題ない、と。
少なくとも、その2ネタにたどり着くまでの「手順」において、十分に新しい作りになっているからそれでいいじゃないか、という意見も当然あるだろう。
あと、登場人物名で、ちゃんと「これはオマージュです!」って仁義を切ってるんだから、なんの問題もないっていう考え方もあるでしょう(笑)。
僕個人の意見は、基本的にはOKだろう、と。
自分は本格ミステリーマニアでもあるので、著名なトリックを無断で再利用すること自体には大いに抵抗があるんだけど、この展開で、あのネタを2連発でかまして来ると、こちらが全く予期できていなかったのは確かで、それだけでも十分「どんでん」としては機能しているのではないか、とも思う。
ネタ自体は既知のものでも、「ああ、ここでそういう使い方もできるのか?」という驚きを観客に与えられれば、それで十分なのではないか。
とはいえ、ここまで「そのまんま」しかも「2連発」で援用するとか、監督ホントに面の皮が厚いなあ、とも思う。いい根性してる。いい性格してる。
「つべこべ言いたい奴は言えばいい。俺は『●●●』と『●●●』が大好きで、いつか自分の映画でもこのネタを使ってみたかったんだよ! オマージュなんだよ! だから役名も◉◉◉にしたんだから無粋な文句とかいうな」ってところなんだろうなあ。
じゃあ、ついでにもう一つの元ネタ映画の主人公の名前も出せばよかったのに、と思ってよく見たら、ラストにでてくる●●の名前にそっちがまさに使われてるのか……(笑)。
まあ、あの『金田一少年の事件簿』にパクられた島田荘司先生だって、高木彬光の『人形はなぜ殺される』と全くおんなじトリックの小説書いてて、後から指摘されたら、あれはリスペクトだみたいなこと言ってたし。荒木飛呂彦先生だって『薬菜飯店』とかシュヴァンクマイエルとかパクりまくってるし。
こうやって「再利用」されながら、いつしか「誰でも使っていい」ような「みんなのネタ」になっていくというのなら、それはそれでいいことなのでは?
― ― ― ―
設定として、宅配屋を「探偵役」に持ってきたのは、なかなかの慧眼だと思う。
たしかに、とある地域の個人情報を細かく知っていて、モノの出入りを把握していて、しかもインターホンを押しても「あなた誰ですか?」って追い返されずに相手にドアを開けさせることが出来るというのは、宅配の配達員ならではの特殊スキルである。
これだけ「探偵役」として「ふさわしい」職種の人間が、いままでなんで小説や映画で探偵役を与えられてこなかったかというと、「こんな宅配屋は嫌だ!」と観客に嫌悪感と恐怖感を引き起こして、ドン引きさせるとヤバいという判断が、制作側にあったのではないか?
正直、偽依頼をでっちあげてインターホン鳴らしてくる配達員とか、
ドアを開けたとたんにいろいろ根掘り葉掘り訊いてくる配達員とか、
どこに何を配送したか覚えてて休憩中に情報交換してる配達員とか、
自分の仕事や趣味を知っててファンですとか告白してくる配達員とか、
マジで超こわいんですけど……(笑)
まあ本作に出て来る丸子くんは善良そうだし、害もなさそうではあるけれど、やってることはかなり犯罪すれすれというか、実際にこんなのが来たら絶対ビビるというか、こんな宅配屋は嫌だ!
でも、この「根源的な恐怖感」をいったん棚上げにすることが出来るなら、「宅配の配達員が事件を探る」という導入はとても機能的だし、いろいろ拡張できる素晴らしい設定だと思う。
― ― ― ―
この映画の場合、第一部、第二部のちょっとテレビ感のある探索編があって、そのあと第三部で最初の転調があって(おばかスパイ風味)、終盤でさらに前出の二段落ちが仕掛けられる。
中盤で展開するコミカルなおバカスパイ話は、「誰が」「なんのために」語っているのかを考えれば、いかにも彼女の創作内容と通底する内容だし、そもそも相手に「まともに取り合われては困る」わけで、結構「理詰め」でこういうバカバカしい内容になっているのがよくわかる。そもそも、何をやっていたか一般人にぺらぺら話す公安なんて存在しない(笑)。元ネタ映画では「相手を騙す」ために用いられる語りが、本作では「相手に気付いてもらう」ために弄されるというのも、気が利いている。
ただ、うまくいってるか、滑ってるかと言われると、明らかに滑りまくっているので、結構ここは観ていて辛かった……(笑)。
自分は福田雄一の映画とか寒すぎて凍死しかねないタイプなので、梅沢富美男のくだりは本気で滑りすぎてて、正視に堪えないくらいだった。
あと、試みられている叙述的な仕掛けや、二転三転するどんでん返しは実に小気味いいし、こういう映画を撮ろうという意気込み自体、大好物なので大いに買いたいところだが、作品のリアリティ・レヴェル自体はあまり高いとはいえない。
一番ひっかかるのは、203号室にある死体の存在がバレない理由で、あんな建てつけのマンションならすぐに臭気がもれてしまいそうだし、ふつうに働いていそうな様子の女性が唐突に失踪して、部屋(家主や大家)に調査が入らないのは、会社員の僕からするとちょっと信じられない。この映画が始まる前に起きた事件というのも考えたが、丸子くんが何回か携帯で男性とやり取りしていたから、それはなさそうだし。
あと、駐在さんが配達員の話を真に受けない理由も結局よくわからない。不審者情報が入ったら、警察はまず大家に連絡を取って入居者を確認すると思うけど。てか、部屋に盗聴器と住民の写真があったと通報が入って、立ち入っての確認を求めない警官はさすがにいないのでは。
小宮さんの語ったスパイ話に、「島崎さんしか経験していないはず」のネタ(小宮さんが一緒に経験しておらず、かつ島崎さんが小宮さんと情報共有しているとは思えないエピソード)が満載なのもかなり気になる。あれって荒川さんが急に入ってきたから、その場しのぎに始まった話で、口裏を合わせる時間なんかなかったと思うんだけど。
たとえば、警官が島崎さんから直接訊いてきた以上、「自分は芸人で事故物件を調べている」というネタは、間違いなく「島崎さん自身の持ちネタ」だが、なぜか小宮さんのスパイ話にもこの話は何回も組み込まれている。
引っ越してきたばかりの小宮さんが、「巻坂さんが何かと鉄をゴミに混ぜて捨てている」(丸子くんくらいしか知らない)ネタを知っていて、話に盛り込んでいるのもかなり怪しい。まあ同じフロアだから、知っていてもおかしくはないが、総じて小宮さんは「このマンションの内情に詳しすぎる」。
有り得る可能性としては、もとから島崎さんと小宮さんは「知り合い」で、いろんな情報を映画が始まる前から共有していて、島崎さんが盗聴して手に入れたマンション内部の情報も耳にしていて、常態的に島崎さんは小宮さんの部屋に出入りしていた……即ち二人は「共犯だった」くらいしか、僕には思いつかないが(笑)。
その他、巻坂さんのゴミの分別の話は結局どうなったのかとか、同じマンション内でこんなことやってたら実際は一発で捕まるだろうとか、ストーカーはドアをガチャガチャなんかしないだろうとか(即通報されてジ・エンドになると思う)、いろいろと気になる点は多い。
そもそも、住人に「逃げろ」ってお手紙まで渡すくらいなら、もう少し警察に食い下がればよかったのに……。
とまあ、探しだしたらいろいろと粗はある映画だとも思うが、このトリッキーなオリジナル脚本を映画化にまでこぎ着け、スマッシュヒットにつなげている監督の熱意は本物だ。
あと、二段落ちの「後」に待ち受けている「スパイ転生」ネタは、本当に良く出来ていると思う。
あれだけ『ゾンビ転生』だ『スパイ転生』だと「ネタふり」を怠らず、ちゃんと明快な伏線すら張ったうえで、あの多幸感のあるエンディングにつなげた手腕は素晴らしい。
ちょっと、『未来世紀ブラジル』みたいだよね、こういう終わり方。
最悪のバッド・エンドなんだけど、最良のグッド・エンドでもある。
まして、直前の「本」を使ったやりとりで、「霊は存在する」ことが映画内ロジックとしてはきちんと証明されているので、もちろん「異世界転生」だって「本当に」起こり得るわけだ。
現代日本の創作文化の核心とも言える「小説家になろう」を、重要アイテムとしてさくっと作品に絡めて来るところとか、終盤の「女の子を助けるために犠牲になることをいとわない」鍵ゲーや『ひぐらし』みたいな騎士道精神とか(本作は『Reゼロ』や『僕だけがいない街』や『シュタゲ』の精神的な同胞でもある)、この監督さんは若い世代向けのラノベやなろうの良いところを、しっかり享受して自らの創作の血肉と化している。
そして、それが最大限に生かされたのが、ラストの「異世界転生」だ。
いやあ、いいアイディアだよなあ。
いきなりステータス画面が出るとか、悪役令嬢がどうとか、ほんとわかってらっしゃる(笑)。
その他、どうでもいいことを箇条書きで。
●クレマチス多摩、ロケ地としては最高。とくに一番奥の部屋だけ一段右手にあるせいで、様子が廊下を曲がってみるまでわからないのが良い。
●これって「失敗する名探偵」がいて「真の名探偵」が乗り込んで来るパターンなのね。
●主人公が現世よりも携帯内の小説世界に幸せを見出してるのも、『未来世紀ブラジル』っぽい。ていうか、振り返って考えると、『ブラジル』自体が「異世界転生」願望の塊みたいな映画だったんだよな。
●タイトルや、「次々と人が消える」というクロユリ団地みたいなフリも、ミスディレクションとして秀逸。
●キャストは若干貧乏くさいが、深夜ドラマ感があって、作品のテイストにはあっているかも。北香奈は、作家感ゼロ、公安感ゼロなのが逆に良かったかも。
●総じて、笑いの要素は単純に寒かった。明らかに作品にとってはマイナスだと思う。
●パンフを読んで、監督の現場づくりで、「怒鳴ったり、リスペクトを感じない言動をしたり、セクハラ・パワハラ系のことをやっている人がいたらどんな立場であろうが即退場!というのを徹底しています」という部分に感心。昔は、単純に「空気を温める」「ピリッとさせる」ために現場でキレまくるPとか一杯いたことを考えると隔世の感がある。
●これは冗談でもなんでもなく、ずっと猫おばさんのことを手塚理美だと思い込んで観ていて、エンドクレジットで坂井真紀だと知って仰天した。
配達員の話が流行るのかな
どんでん返しの繰り返し。
どこかで見たことあるアイディアの積み重ねだけど、役者さん達の力で、面白いストーリーに仕上がっていました。
田中圭さんや中村倫也さんや染谷将太さんはやっぱり演技が上手いし、袴田吉彦さんも今の路線は正解。
シリアスかと思えばコミカルでもある。真顔で発されるコップンカーは、劇場内でクスクス笑いが起きました。
強いて言えば。
いやいや、配達員がそんなに室内覗いたらクレーム来ますって(笑)
そして個人的には、ラストシーン要らない気が。
そこで転生の設定?
あれもこれも表現したいの過剰な希望による盛り込みすぎな感じ。実社会でのミステリーだったはずが、え!?なんなん?ファンタジー!?と素に引き戻されてしまった。例え主人公の希望が叶った最後だとしても、映画としては、ですが、このシーンが無い方が好みでした。ほんとに好みの問題です。
ゴーストニューヨークの幻、ユージュアル・サスペクツ、どんでん返し
意外な結末で、「やられたわ…」という作品でした。期待せずに鑑賞した作品でしたが、飽きることなく最後まで観ることができました。染谷&菊池さん、夫婦で出演 羨ましいです。レイトショーでお客さんが、私含め6人しかいなかったのが、残念。
あれが、こうして、こうなって
うまく話がまわったなっていう話なんだよね。
これ系の話なら、一昔前ぐらいに面白いのがたくさんあったような。
途中の謎解きパートが「なんだ、この変な話?」って感じなんだけど、それが一応意味あるんだね。そこは工夫があるなと思ったの。
ただなんか納得できないのが、最後、主人公が死んでるんだよね。
そこ分からないようにして語りながら『実は、主人公死んでました!』ってやるんだけど、これ、まだ面白いのかな。さすがに「いい加減に『主人公死んでました!』は飽きたよ」って感じがあるんだけど。
大した効果がないのに登場人物を殺す脚本が好きじゃないだけかも知れないけど。
しかし俳優陣は豪華だったね。
全83件中、21~40件目を表示