雨ニモマケズのレビュー・感想・評価
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大感謝
群像劇と呼ぶにはそれぞれの事情や関係性の描写が薄いが、なんだか心地よかった。
前半は開場前の舞台裏をワンカットで見せていく形。
テンポはいいし、それとなく背景も察せられるけど、手ブレが強すぎる点は気になった。
性格の悪いキャラが多くてイライラもするのだが、それは演技がしっかりしてる証拠。
重鎮さんもマネージャーさんも、後半で心情が変化していくのが表情で伝わってきて見事だった。
山田さんやウィリアムさんなど安心感のある大人が素敵。
後半は本番の様子が中心で、数曲はフルで聴ける。
ここに尺を取りすぎとも感じるが、楽曲が好みだったので苦にならなかった。
アフロ組や紅白組は楽しかったし、ユイの唄も染みたし、『Colors of Life』歌ったMARISAさんの声がカッコいい。
思わせぶりにしといてミナトの歌が聴けないのは残念。
(ゴスペルにロックダンスって時点で新しいのは伝わるけど)
役柄もあるが、南役の安野澄ちゃんが芝居も声も髪型(しつこいようだが、ショートボブ最高)も魅力的。
横顔のラインや笑顔の口元が芳根京子っぽい。
上村侑や和田光沙の出番が少なめなのは物足りないが、他の役者もみな遜色ない演技で不満はナシ。
小さいながら、何人かは確実に自己と向き合ったり価値観が変化したり前に進んだりしている。
想像するしかない部分も多いが、その奥行きは演者が出してくれた。
何より、彼らを「もっと見たい」「もっと知りたい」と思ってしまったからには、自分にとっては良作だ。
最後に朗読もあるが、タイトルと内容はあまり結びつかず。
しかしお弁当屋さんは2部まで何してたんだろ。笑
素晴らしい作品
褒めすぎだと言われそうで恥ずかしいですが、私は素晴らしい作品だと思いました。
観終わってこの感動を伝えてたくて投稿しました。
俳優さんたちが演じているのですが、ステージもステージ裏も本物や本当を見ているようでした。
パフォーマー、裏で働く人、弁当の配達人・・すべての登場人物が良くて意味があります。
音楽が流れる中でやり取りや物語が展開されていく作風が好きです(例えば「私をスキーに連れてって」ような感じ)。高揚感が高まります。
そしてステージ裏の人の動きややり取りをワンカメで追うところ。リアリティーを醸し出します。
以下、少しネタバレ
↓
満点に欠けたのは、エンディングをもっと引っ張って余韻やエピソードを観たかったというのと、埋め合わせが弁当だけ?だったら南がかわいそう(含み笑いをしていたから、想像に任せますというオチだとは思いますが)というのと、エンドロールの映像を例えばメイキングやオフショットなどにしても良かったのではないかなという、自分の欲求です。
ワンカメで追う技法は「カメラを止めるな」を彷彿しますが、「カメラ」と同じように、評判を呼んでヒット作になること(を期待すること)も彷彿します。
「痛快娯楽音楽映画」というキャッチですが、楽しさも感動もあり、老若男女に観てもらえる作品だと思います。
「ゴスペル」を焦点にしたら確かに賛否両論あると思います。
「ゴスペル」にはそういうちゃんとしたところがあるものだと思いますので。(関係ないけど私の知り合いにゴスペルをやっている人がいて「ゴスペラーズはゴスペルではない」と言っておりました)
ただそれとは別に私は素晴らしい作品だと思いました。
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