「単純すぎでは?」ライオン・キング ムファサ しょうじきさんの映画レビュー(感想・評価)
単純すぎでは?
結論をいうと、映像は美しすぎるが、内容はライオンキングファンとして面白いとは思わなかった。
個人的な意見になることを承知の上で書くと、ムファサが尊敬される王様だったことは、前作を見た人なら誰でもわかる。それをわざわざ120分も使って映画にする必要あるだろうか。ムファサの英雄談を描きたいのなら、ライオンキングお馴染みのキャラクターを主要なキャラにするのではなく、全く新しいライオン(なんでもいいが)視点でムファサたちを掘り下げるような物語の方がよさそう。
最近のディズニーは、“誰もが憧れるヒーローキャラ”をつくることに熱中して、“多くの人が共感できるキャラ”はつくれていない気がした。
「ライオンキング ムファサ」のあるシーンを見て、幼いスカーは、幼いシンバと似ていると思えた。自分は唯一の王子で、いつか国を支配することが当たり前だという考えを持っている。
では、歳をとったスカーは、自分と似たシンバを見て、なにを感じたのだろう。ムファサへの復讐のためだけにスカーはプライドランドに留まり続けたのか。なぜ、すぐシンバを始末すればよかったものを少しの間、逃げる猶予を与えたのか?
このようなスカーの心理的描写の答えを出しつつ、キングダムハーツのような第三者目線で話が進んでいけば、もっと楽しめたかもしれない。「ライオンキング ムファサ」で終わらず、もっとスカーに焦点を当てた続編に期待したい。
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