聖なるイチジクの種

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聖なるイチジクの種

解説

家の中で消えた銃をめぐって家庭内に疑心暗鬼が広がっていく様子をスリリングに描き、2024年・第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞したサスペンススリラー。

「悪は存在せず」などで国際的に高く評価されながらも母国イランでは自作映画で政府を批判したとして複数の有罪判決を受けたモハマド・ラスロフ監督が、2022年に1人の女性の不審死をきっかけに起きた抗議運動を背景に、実際の映像も盛り込みながら描きだす。

テヘランで妻や2人の娘と暮らすイマンは20年にわたる勤勉さと愛国心を評価され、念願だった予審判事に昇進する。しかし仕事の内容は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を下すための国家の下働きだった。報復の危険があるため家族を守る護身用の銃が国から支給されるが、ある日、家庭内でその銃が消えてしまう。当初はイマンの不始末による紛失と思われたが、次第に妻ナジメ、長女レズワン、次女サナの3人に疑惑の目が向けられるように。捜索が進むにつれて家族でさえ知らなかったそれぞれの顔が浮かびあがり、事態は思わぬ方向へと狂いはじめる。

2024年製作/167分/ドイツ・フランス・イラン合作
原題または英題:The Seed of the Sacred Fig
配給:ギャガ
劇場公開日:2025年2月14日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

  • ソヘイラ・ゴレスターニ

  • ミシャク・ザラ

  • マフサ・ロスタミ

  • セターレ・マレキ

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第82回 ゴールデングローブ賞(2025年)

ノミネート

最優秀非英語映画賞  

第77回 カンヌ国際映画祭(2024年)

受賞

コンペティション部門
特別賞 モハマド・ラスロフ

出品

コンペティション部門
出品作品 モハマド・ラスロフ
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映画レビュー

2.5見事な前半と脱力する後半

2024年12月28日
PCから投稿

舞台はテヘラン。父親は政治犯専門の裁判官で保守的な暮らしを守っているが、高校に通う娘2人は東京やNYの娘と変わらない生活を楽しんでいる。親子の間の緊張をはらみつつ平穏な暮らしが続いていたが、イランの政治状況が厳しさを増してくると、父親は職場で宗教弾圧をすすめる立場に立つようになり、娘たちの学校も学生デモへの取り締まりが苛烈さを増してくる。国内の暮らしが動揺するのと同時に、家庭の平和も壊れ始める。

テヘランの政治状況を果敢に取り込んだ作品で、カメラもおおむね端正でよい映画。…なんだが終盤からとつぜんイラン版『シャイニング』みたいな謎展開になりはじめて、なんじゃこれはと終わってしまう。こういうのが評価されてしまうくらい、2024年は世界的に不作の年だったってことですな。

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milou

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