「オマージュのてんこ盛りだが、それに尽きない。」エイリアン ロムルス image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)
オマージュのてんこ盛りだが、それに尽きない。
基本的なプロットは踏襲しつつ、1作目から『コヴェナント』までの過去作へのオマージュをこれでもかとぶち込んで作っていて、ちょっと過去作のおいしいところに頼りすぎててズルいな…という感想が頭をよぎる瞬間が無かったわけではない。にもかかわらず、心を掴まれ興奮している自分も間違いなくいた。過去作との連続性と持ち味を踏まえた上で、単独作としての面白さも十分打ち出すことに成功していると言ってよい。
特筆すべきは初期作のものに肉薄しているクリーチャー造形の生々しさ。まったく素晴らしい。そして、クライマックスの気持ち悪さはシリーズ随一と言っても過言ではないぐらいのインパクトがあった。
オリジナリティという面では、やや足りないところもあるので星を0.5減らさせていただいたが、『プロメテウス』&『コヴェナント』を少々蛇足的に捉えている自分的には、リドリー・スコットが自ら監督しなかったことが本作の出来栄えには功を奏したように思えた。『プロメテウス』&『コヴェナント』は創造主スコットの自己主張が過剰でやや暴走気味、それよりもアルバレス監督の「このシリーズに良い形で貢献しよう」という思いの方が優ったのではないか。
どうやら本作には続編が決まったようだ。アルバレス監督には、次作ではオマージュは控えめにして、もうちょっと遊んでもらってもいいのではないかとさえ思った。
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