劇場公開日 2024年9月6日

「ラストさえ良ければ…」エイリアン ロムルス サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ラストさえ良ければ…

2024年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

謎の宇宙生命体に蹂躙される恐怖を描いた初代『エイリアン』の正統派続編でありながら、『エイリアン2』のようなモンスター映画でもあり、向こう見ずな若者が殺されるモンスターパニック映画の様相も呈し、ファンたちが考える「実際にエイリアンと遭遇したらどうするか?」も描いた欲張りエイリアン映画である。

だから多少のツッコミどころには目をつぶって絶賛しても良いと思っていた。…ラストのあの展開を観るまでは。エイリアンの素晴らしい造形からかけ離れたあの白っぽいチープなモンスターは何だ。あれが人間とエイリアンの行き着く形なのか。あれは、ちょっと酷いのでは。『エイリアン』シリーズの良さは、数々の恐怖描写だけではなく、エイリアンたちの得体のしれない造形にもある。それがどうしてああなった。

と、ラスト以外はおおむね満足だった。特によかったのは、事前知識があってもエイリアンは対処が難しいし、どれだけ危険な生き物が相手でも人は人を助けずにはいられないというところ。究極生物の恐ろしさと人間の善意を描いた良作だった。

サブレ