「前半のSF世界を評価しつつも不満点もあり」エイリアン ロムルス moviebuffさんの映画レビュー(感想・評価)
前半のSF世界を評価しつつも不満点もあり
俺がブレードランナー2049で見たかった未来世界ってこういう感じなんだよなーと思いながらニヤニヤしてしまった、前半のあの地上の世界観は最高だった。近年のSFのデザインのセンスで良いと思えるものがなかなかなかったので、ああいう薄汚れた未来の世界観を大作映画で見れたのは嬉しかった。ただし、ここは自分がコンセプトアートやSFデザインが好きな人間であるが故に楽しめる部分で、そういう部分に興味がない人は「ここもう少し短くても良くね?」という感想になったことだろう。
さて、肝心のエイリアンとの遭遇以降の部分だが、楽しませてはもらったのだけど、個人的には過去作にオマージュ捧げ過ぎかなと思う。一作目がスコット、二作目がキャメロン、三作目がフィンチャー、四作目がジュネ。何が言いたいかというと、その当時、新進気鋭の映像作家が雇われて来たのがエイリアンシリーズなのである。ポイントは彼らはB級のホラー映画監督ではなかったってこと。つまり、それぞれがそれぞれのイマジネーションを使ってこんなグロテスクなシリーズなのに巨費を使って芸術的に全く違うビジョンを見せてくれる事が面白かった。
なので、今作は最近のゴーストバスターズやターミネーターみたいにおじさんファンへの目くばせとかしなくていいから、思う存分フェデ・アルバレスという監督の色を出せば良いのになと思った。そこでちょっとマイナスポイントかなと。及第点なんだけど、こじんまりまとまった感じは否めない。人が死ぬ数や描写がR指定にならないようになのか、ひかえめすぎるし、エイリアンほとんど最後ザコみたいな弱さで全然完全生物感ないとことか・・。最後のあれもエイリアン4とかぶってるからなんかアイデアとして弱いしね・・。ま、リドリースコットがプロデューサーでそんなに自分の色出せないとかもあるのかもだけど・・。SFの絵作りの部分は本当に好きなんで、残念だなと。
で、もともと俺がエイリアンシリーズに期待してるのって、「悪くはなかった」ってレベルの作品じゃないのよ。若い監督には本気でエイリアン1と2超えて俺の名前を歴史に刻み込んで最高傑作撮ってやろう、ぐらいの野心を持って作品作ってほしいなー。フィンチャーの3は失敗作だが、野心はあるのよ。それが悪い方にからまわりしちゃったけど笑。そういう意味ではやっぱニールブロムカンプのエイリアン見たかったなー笑(ここ知らない人はネットで検索してみてね。)