「◇若返ってリメイクされたSF古典」エイリアン ロムルス 私の右手は左利きさんの映画レビュー(感想・評価)
◇若返ってリメイクされたSF古典
本歌取という和歌の手法があります。古歌(本歌)の1句もしくは2句を取り入れて作歌する方法で、本歌を背景として用いることによって、表現に奥行きを与え立体化することができます。
"エイリアン"は、巨匠リドリー・スコットが1979年に産み出した歴史的名作で、#ジェームズキャメロン #デヴィッドフィンチャー など名監督による続編も存在する重曹的なコンテンツです。
現在、映像、音楽など多様なコンテンツがデジタルアーカイブ化されて、世界中どこでも誰でも気ままに任意に取り出して鑑賞できる時代になりました。初期作から40年以上の歳月を経て、変わったところはキャストの若年化。青春ドラマ的切り口は新鮮ですが、それにしても登場人物たち揃って暗い印象は、世の中の停滞感のせいでしょうか。
もう一つはテンポの良さ。リドリー・スコット監督得意の静止するタメの画像を廃して、場面を巧みに切り替えながら休むことなく物語は前進していきます。
散りばめられた旧作のオーマージュの数々には、オールドファンたちもニンマリしてしまうでしょう。そんな意味でも、老いも若きも、性別も人種もバランスよく分解再編集された仕上がりに感心、感動のひと時を過ごしました。
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