ネタバレ! クリックして本文を読む
本作は吸血鬼の話ですが、ダークファンタジー…を通り越してもはやグロ映画。
パッケージ画像からオシャレ映画を想像してると痛い目見ます。いや、オシャレ映画ではあるけど(部屋の内装とかはオシャレ)、メインはグロと血飛沫。
家族で見るのに気まずいほどのエロシーンはないけど、下品な台詞がチラホラ。
結構な血飛沫&人体切断、肉見えてる、内臓見えてる、むしろ内臓がアクセサリー代わり。準主役は血と内臓。
あらすじ:
互いに名前も事情も知らない訳アリの犯罪者が6人、金持ちを誘拐したら大金を貰えるとだけ聞いて集まってくる。首謀者はランバートと名乗り、それぞれ実名も何をしていたかも教えるな、金持ちの娘を誘拐し、一晩見張れば大金が手に入るとだけ言って去っていく。犯罪者集団は誘拐するのが12歳の子供と知って動揺、更にはそれが裏社会で有名なラザールの娘と知って逃げ出そうとするような素人集団。しかし、逃げようとした時には屋敷は完全に施錠されており、窓には鉄格子。いつの間にか自分達の方が監禁されていた。誘拐してきた娘アビゲイルに何かあれば自分達はただでは済まないと、アビゲイルを無事にラザールへ引き渡そうとするが…
主役?準主役?のアビゲイル役アリーシャ・ウィアーの演技が最高に良かった。
昨今は何故かホラー界でもダンス流行りのようで、『ミーガン』でもAI人形と少女の謎のダンスシーンがバズったお陰で、グロを削ってかなりオシャレ寄りの仕上がりにしたそうだが、本作ではダンスはダンスでもバレエ。
ずっとバレエっぽい動きで追ってくるので、てっきりバレエができる子をキャスティングしたのかと思いきや、本作で初めてバレエを習ったそうな。
また、ニューヨークか何かの訛りも、先生を付けずに独学で学んで矯正したそう。
こりゃまたすんげぇ子役が出てきたぞ!
今後要注目だなと感じた役者でした。
本作は一言で言っちゃえば「訳アリの有象無象が集まって、可愛い吸血鬼相手にワーキャーする話」なんですが、これがまた屋敷内の狭い範囲でバタバタしてるだけなのが面白い。格好良くアクションしてほしい気持ちはもちろんあるけど、実際こんなバケモンが現れてあそこまでやれたら上々過ぎる。
一応それぞれの生い立ちというか、前職は何だったかとか、家族関係とか、そういったことが徐々に明るみになっていくんですが、最初は本名すらわからず「有象無象」そのものだったのが、犯罪者同士が段々お互いを理解していき、徐々に心惹かれたり反撥したりするのがまた面白い。ただのグロホラーかと思いきや、人間ドラマっぽい部分もあって、主人公ジョーイとアビゲイルの成長物語でもあり、でもそれが詰め込み過ぎになっているわけでもなく、なかなか良かったです。
先に挙げた『ミーガン』っぽさもやや感じましたが、正直本作は『ミーガン』ほどテーマがハッキリしていたとは言えない気がします。そこが残念でした。
まあ、本作はモンスターユニバース…になるはずだったモンスター映画リブートのうちの1作品なので、テーマも何もって感じなのかも。
本作ではそんなにCGっぽさは感じないというか、別に使う必要性のあるシーンがそんなになかった気はするんですが、実際、監督のこだわりでSFXの使用は最低限にし、血糊も大量に作ったとか。
ちょっと安っぽさを感じたのはそのせい…でも!!個人的にはSFXは小綺麗過ぎて違和感を持ってしまうタイプなので、この「本物」感がとても良かった。
最近はSFXが当たり前になってしまったからこそ、たまにこうしてリアルを追求する人も再び出てきて、SFXの薄っぺらさを実感することあり、しかしファンタジックな美しさはやはりSFXの方が向いてるのだろうし(その薄っぺらさ=「存在感のなさ」が逆に良いのかもしれない)、作品によりけりなんでしょうね。
ディズニーが今更CGやSFX一切使わない作品作っても、あんまり需要ないだろうし…
久々にVODではなくレンタルディスクで見ましたが、やっぱり良いですね。久々にレンタルして、そういやVODじゃ裏方のインタビューやNGシーン見らんねーじゃん!ということに今更気付いてショック(たまにおまけ動画として公開してる作品もあるけど)。
今はVODの方が需要あるんだろうけど、棚に並んでるジャケットを1本1本見て選ぶ楽しさを改めて感じました。
↓↓↓
以下
ラストの
ネタバレ
↓↓↓
ラストは、実子を手放してしまった罪悪感からか、思い入れて優しく接するジョーイに、父親に見捨てられたと感じて腐っていたアビゲイルが心動かされ、ジョーイが娘を成長させたと知った父親はジョーイを認め、屋敷から解放する…というストーリー。
ちょっと唐突だけど、結局のところ言いたいのは「親子の愛」とか「(親子間の)赦し」みたいな感じだったのかな。
『ミーガン』は続編がありそうな終わりだったのに対し、こちらはなさそうなので、ラストがちょっと駆け足だったのはまぁわからないでもないというか、仕方ないというか。
そもそも、人間ドラマが落ち着いて後半、血みどろシーンが主体になってきた辺りからは、もはや製作陣が遊びに走った気がする。子供のようにはしゃぎながら作ったのでは…笑
あと、ここまでイイ話をしといて何だけど、「顔にチ〇コ?」「はい?」の会話がおもろすぎて記憶に残ってしまうからやめてほしい。あの2人良かったなぁ。