シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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ガンダムのテーマのひとつが具現化
前情報をあまり入れずに鑑賞。もう少し戦争アクション物かと勝手にイメージしてたらまさかのロードムービー。良い意味で裏切られました。
とにかく臨場感が半端なく、目的地に着くまでの道中で発生するイベントが生々しく恐ろしい。クリーチャーも未来メカも登場しない今と地続きの世界。ただの生身の人間がとてつもなく怖い。主義主張が変わると、人はかくも残酷になれるのかと、ガンダム作品のテーマのひとつをリアルに表現した、今年一番の映画でした。
ブラックジョーク
「エクス・マキナ」(14)のアレックス・ガーランド監督という期待が大きく膨れ上がった状態で観賞しました(笑)。今まさに大統領選の終盤、トランプVSハリスでアメリカ合衆国が真っ二つという状況と重なり、架空の物語でありつつリアルに感じた分だけスリリングでした。国が分断した経緯や状況説明がさほどなく、いきなり混乱の渦中で翻弄させられる展開は、そういえば「エクス・マキナ」的かなとも思いました。アメリカンドリームが世界中の人々を魅了していた頃に比べると隔世の感があり、観ていて楽しくはなく(むしろ悲しい)、悪い冗談だよという気分になりました。ケイリー・スピーニーはよかったけど、「エイリアン:ロムルス」(24)のレイン役の方が魅力的な感じがしました。
何を伝えたかったのだろう
戦闘の緊張感と異化効果のある音楽が秀逸
米国の内戦──SFでは終わらないような昨今の情勢を感じますが、 アレックス・ガーランド監督は、「もしトラ」の恐怖より「戦争」そのものをどう受け取るかということを問いたかったのだと思います。だからプロットはないに等しい。
西海岸とフロリダが連合した「WF」に政治的匂いはしないし、兵士たちは極力「残酷」に命乞いをする相手を殺していき(大統領を一発で仕留めて笑顔で記念撮影)、戦争犯罪を防ぐためらいなんて微塵も見せないのです。
農場で死体を運ぶ民兵は、「お前はどんな米国人なんだ?」と訪ねながら、ジャーナリストのうちアジア系のメンバーをためらいなく銃で殺していきます。
これが、分断の行き着く先であり戦場の本質であることは、ガザやウクライナで行われていることを知れば当然です。ヒズボラの指導者を殺したことを「素晴らしい」と国家元首たちが笑っている姿がダブりました。
戦争が始まると、気がつけば出会う敵をすべて殺してしまうことが少なくないのです。そして、主人公たちも戦場で取材するうちにだんだん、殺戮にのめり込んで行きます。ベテラン記者のジョエルは、戦場に参加できる興奮を隠せないし、女性カメラマンたちはより臨場感のあるショットを撮るために危険な射線上に身を投げ出していきます。ジャーナリスト達に傍観者という欺瞞がないのは救いですが、当事者になってしまう。自分が戦争に巻きこまれたら冷静では居られないのです。
前半、市役所のような施設におけるWF民兵による銃撃戦は、音やカメラワークのスピードが、いきなりすごいリアリティを感じさせますが、なぜか流れる音楽はポップで快適です。そのギャップが興味深い。
TBSラジオのセッションで、宇多丸さん(ヒップホップ・グループ"ライムスター"のラッパー)が、「敵兵を処刑する凄惨なシーンで、デ・ラ・ソウル(De La Soul)のSay No Goがかかるのは凄い。この曲はホール&オーツなどをサンプリングしたポップなアンチ・ドラッグソングなのに、何故?と思うが、兵士だけでなくカメラマンたちが戦場でハイになっていく姿を暗示しているのかも知れない」と言っていました。なるほど、鋭い指摘です。
以後も美しい曲や快適な曲が多く、状況とのズレが大きい。燃える夜の森の中をスローモーションで走行するシーンは、スタージル・シンプソン(Sturgill Simpson)のゆったりとしたカントーソングが流れて、飛び交う砲火が美しい花火のように見えます。
ホモ・サピエンスの悪しき習性。戦争が始まると我々人類は後先忘れて殺戮にのめり込んでしまう。脳の中では、快感物質さえ分泌されているのかも知れない。
それが戦争の「一つの本質」であること自覚させる映画なんだと思います。
これは新機軸!平和の対極にある無秩序の怖さ
単一民族国家の日本人からは内戦というイメージは難しいけれど多民族国家であるアメリカ合衆国では起こり得る事象なのでしょうか?
戦場カメラマンという視点から内戦状態のアメリカが淡々と映し出されていきます。
カメラマン志望若い女性のロードムービーかと思いきや薄皮1枚の下にはゲームのコールオブデューティのような世界が確実にあって、平和と対極にある【無秩序】が広がりつつある恐怖。
一国民が内戦の大義や理由などよく分からないままカオスに巻き込まれていく様は現代の戦争表現だと感じました。
全く前知識無しで鑑賞したせいか最後までダレること無く緊張感を維持して観ることが出来ました。特に音響面は素晴らしくIMAXだと臨場感は更にアップします!
俺にとっては駄作ではなく傑作でした
何が言いたかったのだろう。
流石です素晴らしすぎる
映画は、観るいろんな感情。
この映画は、まさに今。
「戦争続ける意味ないよね」
「戦争を止めて欲しい」
が、伝わる映画でした。
戦争を辞めて欲しい今こんなことになってるを、伝えたい命をかけて撮り続ける戦場カメラマン
戦争怖いから面白いに、変わる戦場カメラマン
人ごとと思ってたら自分も、やられる
止めても仕方ない
見て見ぬふりをしてたから、
ドンドンおかしなる。
(人間関係と同じ)
ラスト「何それでも人間?はらたつわ」
で、終わる これこそ洋画!
映画館で観れてほんとよかったです!!
戦争の中身が、わかる映画です
先月はエイリアン1位ですが、
今月一位です!
ただたんに
気持ち悪い 怖い て言ってる場合でわない
もし戦争なったらと
なってない時に、ひとごとでわない
為に観といた方が、いいと思います
すごいです
イオンシネマ津 最高です
もっと、時間を増やして欲しいです
どこの映画よりも、みごこち座り心地最高です
戦争映画のネクストステージ
戦場にかける橋など昔の戦争映画→地獄の黙示録→プラトーン→フルメタル・ジャケット→プライベート・ライアン→1917→シビル・ウォー。
誰と誰が何で戦ってるのか、この人達はどっちの軍なのか、どういう状況なのか何も分からず。理由も正義もカッコ良さも勇気も哀れもヒーローもヒロインも無い、あるのは次の瞬間に頭を撃ち抜かれて死ぬかもしれない圧倒的な恐怖。戦争とはそういうものなんだろう。移動にともなって1人の人間が成長するロードムービーとしても素晴らしい出来ばえ。なんでもCGで作れる時代の嘘くさい映像が一切無い。しかし何をさておき、なんといっても、またすぐ見たい何度も見たいと思う映像はラストのワシントンD.C.大攻防戦とホワイトハウス突入。低予算で真面目に面白い映画を作ってきたA24が蓄積してきた思想と技術とお金を惜しみなく投入して大大大成功した後世に残る映画。映画ファンは絶対に映画館で見ておくべき。久々の文句無し5つ星!
期待外れでした。
一見単純なエンターテイメントだが
この映画の前に極右が作った正義を装った「サウンド オブ フリーダム」があまりに中身空っぽのマッチョ映画だったので呆れてしまったが、対する左派が作った今作は見応え十分で、過激な内容ながらも様々な視点から成り立つ物語で、映画としての出来はこちらが圧勝。
ニューヨークからワシントンDCに向かう道中の惨事はアメリカと世界の問題の象徴している。
ガソリンスタンドは格差社会の歪み、赤いサングラスは人種差別、戦争に無関心で一見平和な街は日本ではないだろうか?
新人女性ジャーナリストの視点から内線を捉えているのが、物語に共感を呼び分かりやすくしているし、成長の物語としても良いのだが、もう少しキルスティン·ダンストとの絡みをドラマチックに描いて欲しかった感じ。
内戦の対立軸はハッキリとは描かれていないが、もしもトランプ大統領が独裁者として政府に居座り、それに対抗する州がワシントンD.Cを落とすイメージ。まるでスター・ウォーズの帝国vs反乱軍同盟のような構図で、大統領を殺せば平和になるという話はあまりにも単純過ぎるけど、エンターテインメント的には分かりやすくて楽しめますね。
独立プロの作品だけどこんな内容の映画を堂々と作れるアメリカって、やっぱりすごい。
予想以上の面白さ
この作品はどの目線でどこを切り取るかで印象や感想が大きく異なるだろう。
いわゆる「戦争もの」という狭いジャンルでありながら、世界的な情勢や内戦の詳細など政治的な描写を思い切って省くことで(元大統領をピンポイントで明確に狙い撃ちしているが)、制作側の意図はともかく結果的に戦争映画という枠組みを超えて色んな広がりを持たせる事が出来たのではないかと感じた。だからこそ「戦争もの」でありながら主役を戦争そのものではなく軍人や兵士でもなく、完全なる一般市民でもないジャーナリストという立ち位置に据える事で、この作品ならではのリアリティを感じさせる独特の「ロードムービー」として上手く成立したように思う。それが個人的には非常に面白く感じたポイントだった。とは言え内戦に至る背景や情勢などもリアルに描いてくれよという意見も当然あるはずで、そう考える人にはやはりイマイチな印象になるだろう。そういう意味では賛否が割れるのは仕方ない。そもそも「戦争もの」って観た人の大半が納得するという事が一番難しいジャンルかなという気もするしね。また制作側の狙いとしてはアメリカを舞台にした話であると同時に、実はどこの国にも当てはまる事なんだと気づかせる意味もあったかも知れない。つまり戦争という名の普遍的な悲劇を題材にした「寓話」として捉えれば、僕的にこの作品は「アリ」だったという事だ。
ここではジャーナリストが軸なので、正義や綺麗事だけではない「ジャーナリズム」の残酷な側面の描写がある意味新鮮で非常に興味深かった。ジャーナリストという絶妙な立ち位置により、兵士のように戦うわけではないが一般市民のように逃げるわけにもいかない彼らもまた相応の「覚悟」がないと到底務まらない仕事なのだ。目の前で常に「人殺し」が繰り広げられ、それを映像に残す事こそが彼らの仕事だ。そんな極限の最前線では誰もが正常な感覚を見失い、どんな大義も正論も意味をなさない時があり、その瞬間は「何が正しいのか」なんてもはやどうでもいい話なのだ。ジェシー・プレモンス演じる兵士との壮絶な「やり取り」の場面はまさにその象徴と言えるし、これこそが「戦争の狂気」そのものなんだろうと思う。1秒後に自分が撃たれるかも知れないという恐怖。これって本当に想像以上なんだよね。
自分の昔話で恐縮だが、若い頃に友達と真夜中の歌舞伎町で遊んでいて、突然見知らぬ男に「拳銃」を突きつけられた事がある。到底本物とは思えなかったが、それでも恐怖で膝が震え出して止まらなくなった。拳銃が本物かどうかは分からなくても、少なくとも目の前に立っているこの男が「完全におかしい」ことだけははっきり分かったからだ。とにかく冷静を装いながら男を絶対に刺激しないよう努めてその場を静かに離れる事に成功したが、決して忘れる事が出来ない恐怖体験となった。それ以来、映画などでは拳銃を向けられた主人公がカッコ良く立ち回るシーンがお約束として出て来る度に、ひっそり心の中で「あんなに動けるわけねえんだよっ!」とつい突っ込まずにはいられなくなった。
さて本題に戻ろう。
この作品は内戦という設定のもと戦闘の激しさとリアルさに加えてジャーナリズム精神とその残酷さを一人の少女の「成長」を通じて描いた物語だと捉える事も出来るわけだが、こういった全体的なバランスが実にちょうど良く取れてるように感じた。銃撃戦の迫力はなかなかで、特に「銃声」のリアルさ(本物を聞いたことはないけど)が非常に印象的だった。そして何度も命を助けてもらったはずのジェシーが、自分を庇って死んだリーにカメラを向け、平然と置き去りにするラストは何とも言えない気持ちになる。こういう形で「ジャーナリズム精神」が継承されていくという皮肉が余韻として強烈に残るわけで、実に味わい深いシーンとなった。また大統領の「最後の言葉」もクソ過ぎたのがこの映画の集大成だったように感じる。何ならこれを描きたいがためにこの作品を撮ったのでは?と思えるほどだ。
内戦という仮定の話をシンプルに描いた「普通の戦争もの」なのかと思ってあまり観ようと思ってなかったのだが、上映が始まってからの評価もさほど悪くなかったので観てみたところ予想以上に面白かった。最近はここでの評価やレビューを参考にしながら観る作品を決める事も多いのだが毎度本当に参考になる。レビュアーの皆さん、いつもありがとう。
妙にリアル
フィクションだが妙にリアル
アメリカという国だからという事もあるが
そう遠くない未来を予言しているような説得力がある
目の前で人が死んでいく
それをカメラで淡々と撮るジャーナリスト
とても乾いた視線で戦場のリアルを映していく・・・
観客達も戦場体験をしているかのような錯覚に陥る
特にこの作品のハイライトの処刑シーンは凄い緊張感!
ここの演出は上手いと思った!
「どういうアメリカ人だ?」
出身地を聞いてアメリカではないと判断した時に
容赦なく銃で射殺するあの怖さ!
ラストのホワイトハウスでの戦場シーンも緊迫しており
久々に手応えのある社会派映画だなと思った
およそ1400kmの旅をするロードムービーでもある。
でも、劇中に起こる全てのトラブルって
全部ジャーナリスト志望の少女の所為じゃない!?
最後の最後もそうだし。
CMがとても良い出来
未来予知じゃないよね。
戦場カメラマンのロードムービー
予告編を見て、戦争もので大画面で見るべきと判断&アメリカ内戦とのことだったので、政治ものと思って見に行ったところ大分系統が違いました。
戦場カメラマンが、アメリカ内戦の取材をしていくロードムービーで、その中で、何と戦っているのか(何の意味があるのか)を問うというのが縦軸。横軸は受け継がれていくジャーナリスト精神。
思っていた映画と違ったため、あれれ?と思ったことと、メインテーマがいずれも打ち出しが弱く、感情がそれほど揺さぶられませんでした。
戦場に向かってるのに、無防備すぎるし、格好なども綺麗すぎて違和感(何日も野宿なのに、清潔感溢れる髪や洋服、白シャツで戦場行く??)
予告編が大分ミスリードで、この映画に合った地味な映像だと足を運んでもらえないとの判断かもですが、その分評価が悪くなるので戦略ミスでは?
時間が合うのが朝一IMAXしかなく、戦争ものならIMAXでも良いか…と思ったけれど、これはIMAXの必要はないですね。
全593件中、141~160件目を表示