エミリア・ペレスのレビュー・感想・評価
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日本が舞台だと仮定したら、トンチキっぷりがわかりやすい
冒頭から想像していた以上にガッツリミュージカルであり、なおかつ見せ方としてとても面白く、いったいどこに連れて行かれるのかと期待が膨らむ。
お話としては、まあメキシコで批判が噴出したという話もわかるが、正直かなりのトンチキっぷりというか、これを日本のヤクザの親分を主人公にしたものを想像してみると(日本ではあまり怒られたりはしない気もするが)、結構なトンチキ映画であることがわかってもらえるのではないか。
なので、ずいぶんなトンデモ話に、本気の演技、本気の歌と踊り、そして愉快なミュージカル演出が乗っかっている表現のオモシロさを満喫したし、それ以上に深刻なものとして評価をしようという感じにはなれなかった。エミリアのあっけない最期も含めて、監督もいろいろ混ぜっ返して突き放すみたいな遊びをやってると思うのだが、まあその辺はこちらで勝手に解釈しました。
殻を破って突きつける予測不能なストーリー
これはギャング映画か、それとも社会派、もしくは性差を超えた人間ドラマか。そんな線引きはどうでも良い。重要なのはすでに名匠の地位を獲得したオーディヤール監督がこの映画でさらに豪快に殻を破ろうとしているということだ。序盤からの予測不能ぶりには「あれ?オーディヤールではなくアルモドバル作品だったかな?」とクレジットを見返したくなるほど。しかし人が境界線を超え、過去と決別していく姿は彼の作品で絶えず描かれてきたテーマであり、今回の「彼女たちの物語」にも同様の気迫がみなぎる。その上、本作は時折、登場人物の心情をリズミカルな振り付けや歌声で吐露するミュージカルの側面も脈打つ。ゾーイ・サルダナの身のこなしや真っ直ぐな目線も本作の欠かすことのできない推進力だが、それに輪をかけてエミリア役のガスコンの人間的な迫力には圧倒されるばかり。賞レースの結果を意識しすぎることなく、ただただ身を委ねて楽しみたい一作だ。
変わる
気づかないほど完璧な整形?
まさかの極妻バッドミュージカル娯楽超大作
悪くないんだけどイマイチ乗れず…
ミュージカルだって知らなかったし、予想外の展開ばかりで刺激的!
…なのに正直あまりノリきれなかった。(体調悪かったからかも?)
以下その理由↓
まずミュージカルなのが効果的だとは思えなかった。
ミュージカルパートは心の中に留めているけど言えない事だけに絞るとか、ミュージカルにしている意味がもっと明確だと
モヤみが少ない気がした。
でも個人的に歌手が主役とかじゃないミュージカル映画があんま意味わからなくて苦手なだけかも。
あとギャングのボスが女性になる、という発想はめちゃくちゃ引きがあるけど、
そのあと起こる事がそこまで意外性がないのと、
女性の問題、社会の格差やシステムの問題、人は変われるのか問題など、色々詰め込みすぎで結局何が言いたいのかよく分からなくなって
途中から頭が痛くなってしまった笑
ギャングが女性になった事で、
今まで見えていなかった女性の社会的立場の大変さを知り行動する、という展開は分かるのだが、
女性の立場の大変さを主人公が自ら経験したというより、
そういう人たちを助けるだけなので、何だか説得力が弱い。
主人公の個人的な悩みは
結局ずっと家族や自分の周りの人たちに関する事だけなので、生物学的な性別が変わるという設定にしなくても成立しそうな話な気がしてしまう。
余談だけど
これを観て思い出したのが「ナチュラルウーマン」という映画。
こちらも性別適合手術を受けた女性が主人公で、自分の運命と戦う主人公がかっこいいのでオススメ!
欲張りはダメダメ
前情報なしだったので、ミュージカルというのも知らず、
おっ、いきなり歌い出したっ!と、びっくりしながらも最初から惹き込まれました。
女性としての新たな人生を送りたいメキシコの麻薬王マニタスと、
その極秘の依頼を受けた弁護士のリタの友情なのか同士なのか、
妻のジェシーも含めると、ただただマニタスに振り回されただけなのか⋯。
エミリアになったマニスタの人生は前に進んでいくけども、簡単にはいかないわけで⋯
過去と現在、罪と救済、愛と憎しみが交錯する中、運命は思わぬ方向へと大きく動き出してしまう。
いやぁ⋯マニタス、女性になる前は、
「愛されなくても愛さなくても良い〜♪」みたいなこと歌ってたじゃーん。
ちょっと欲張りすぎたのでは?
という、ラストの結果を踏まえての感想です。
リタとジェシーが、女として正反対のタイプに感じるんだけど、
共通しているのは強くて芯が通っているところで、そこの対比はとても興味深い。
フランス映画なんですね、これ。
だから、当国メキシコでは、あり得ないだろう脚本が出来上がるのかなぁ⋯。
総じて面白かったです。
よくわからないままに圧倒される
常に緊張感が漂い飽きさせない
麻薬王のマニタスがエミリアとして生まれ変わり、再びリタに接近してきた時から、いつ本性であるマニタスに戻り豹変し周りに害を為すか、ハラハラしながら見ていたのは自分だけなんだろうか。設定は荒唐無稽だが、エミリアの怪演とテンポの良いストーリーで全くダレない映画だった。
半分は私、半分は・・・
メキシコシティの弁護士リタは、麻薬カルテルのボスであるマニタスから
「女性としての新たな人生を用意してほしい」
という極秘の依頼を受ける。
リタは完璧な計画を立て、マニタスが性別適合手術を受けるにあたって
生じるさまざまな問題をクリアし、マニタスは無事に過去を捨てて
姿を消すことに成功する。
それから数年後、イギリスで新たな人生を歩んでいたリタの前に、
エミリア・ペレスという女性として生きるマニタスが現れる。。。
といったあらすじ。
冒頭から言葉がわからないわ、ギャング?なに??
映画見てからネットみて、麻薬王だったとわかった。
ところどころミュージカル調になるし。
頭の中がぐちゃぐちゃ笑
おまけに展開もぐだぐだ、好き勝手やった末路は
とんでもないことに。。。
すべてを手に入れることは何人たりとも・・・
なんとも後味の悪い。
みなさん高得点つけているけど、私には合わなかった。
因果応報
この発想は無い構成。
実際にある社会問題を織り混ぜて作られている。
しかも、一見重そうに感じるがミュージカル調も
入るので時が止まり、考えさせられる。
エミリアの払った代償は大きすぎる。
その出来事を手助けしたリタは良かったのか
悪かったのか…………。
リタには報われて欲しかった。
あれだけ仕事に対して熱意と気持ちかあるのに
上司があれだと。ああいう上司、腐る程
いるよね。女性で共感する人も多いのでは。
エミリアも本来の自分に成りたいと言って別人になったが、今までの悪業なんて消えるわけがない。
因果応報である。
子供達は切ない。
自分らしく生きてと願うが現実を見て
生き抜く事を祈る。
秀逸なる脚本とずば抜けた演技に魅了!
作品内容だけでなくポスターのキャッチコピーすら見もしないで鑑賞したものだから、聞き慣れない外国語(スペイン語)が飛び交っての、シリアスな社会法廷劇と思いきや、いきなり女弁護士が踊りだすミュージカル演出が差し込まれ、さらにマフィアのボスに拉致されてのクリミナルサスペンスに展開していき、作品の土台がわからず(まーこれは自業自得)、冒頭から翻弄されまくり。
ところが、そのマフィアのボスが「性転換をしたい」という設定が出てきてからの、怒涛の展開が面白くてたまらない。
大事なのはコメディータッチではないこと。
「トランスジェンダー」の苦悩をしっかりと描きながら、テーマの重さをミュージカル調の演出で軽やかに伝えていく。
さらに舞台となるメキシコの「麻薬戦争における大量の行方不明者」の社会問題にもスポットを当てて、果敢に切り込んでいく剛腕な脚本に、心底痺れました。
なるほど、主役のひとりであるカルラ・ソフィア・ガスコンさんはトランスジェンダーなんですね。どおりで女性らしさが見事なはずだわ。
全くオススメできない映画
まず、ランキングは低いものの
高評価だったので
鑑賞してきました。
映画マニアには評価が高いのかも?
が、全くオススメできない作品です。
結局、人の評価なんて信用するな!
の代表的作品ですね。
麻薬組織のボスが
性転換し、世の中を救おうとし
同性愛、家族愛、
ヒステリックになり
色々寄せ集めて、
最後に主役は死ぬよ。
チョン・チャン。
です。
低賃金で男性弁護士の下請けしか
させてもらえない女性が
麻薬組織のボスに見初められ
何歳なの?と疑問を感じていたら
中盤で40歳と判明します。
歌うまいし、ダンスも美味いし
目の下は、ずっとクマができていて
屋台でパソコンするか?
これが日本との違いですね。
そもそも日本と比較してはいけない。
インド映画のメキシコ版なんです。
これなら名探偵コナン観た方が
楽しめた気がします。
こんな叔母さんはイヤだ
ゾーイ・サルダナがアカデミー助演女優賞、加えて主題歌賞も受賞作品とのことで、丸の内ピカデリーで観賞。
メキシコの麻薬王が整形と性適合手術で女性になりたいがために高学歴の貧乏弁護士(ゾーイ・サルダナ)を誘拐して、破格の報酬と引き換えにミッションを遂行させる。カミさんと子供がいるのに、身代わりの似た男を組織の部下に殺させ、自分は死んだことにして、スイスに高飛び。単に性同一性障害を直したいというよりも、新しい人生を欲しかったに違いないのだが、たくさんの人間がヤク漬けになり、貧困の悪循環の犠牲に上に成り立っている中南米の現状を思うと、一握りのセレブ達のお祭り騒ぎ映画を手放しに楽しめない。女性になって女性を愛したいというのは分かった。男性として女を愛するのには飽きちゃったのかもしれない。なんとも贅沢。麻薬王の強欲さにドン引き 。NPO活動もなんかねぇ。偽善者ってカンジ。
凄腕の整形外科医の名前はワッセルマン反応のワッセルマン博士。セレーナ・ゴメスちゃんもオトナになったが、なんだかな〜だった。前半はミュージカル仕立て。最後の方はドンパチにカーチェイスでドカン。
因果応報というか、自業自得というか······やはり最後は子供が犠牲になるし。
マニタス(麻薬王)と整形後のエミリアは同一人物とは思えなかった。
宇梶剛士&キャシー中島みたいだった🙏
アカデミー賞初ノミネートのトランスジェンダー俳優、カルラ・ソフィア・ガスコンがどちらも演じてると知って、ギンタマが縮みそうだった。
坊や。お父さんの匂いがする叔母さんのそれは加齢臭っていうのョ
ミュージカルいる?
前情報無しで観たもんだから、冒頭で歌い出して「え!?ミュージカルやったん?」てなって急いで頭切り替えて観た。
元々ミュージカルは好みでは無いので、知ってたら見なかったかも
コメディ要素もそんなに無かった気がするし、これならミュージカル無しで普通に作っても良かったんじゃ無いか?と思いつつ、これ以上脚本で面白くするのも中々難しい気もする
銃撃戦がミュージカルだったらコメディになったのにね
あ、、アーガイルでそんなん見たわw
でもミュージカルだったから間が持ってたのかもしれない
それに加えていちいちキャラクターの心情を表すシーンが多かった気がする
それでも最後まで退屈せずに見れました
ある意味これはLGBT的な映画なんかな?
最近多いよねーポリコレ配慮なんだか
最後は尻すぼみだった気もする
ゾーイさんは好きな女優さん
外国人の俳優さんはすぐに老けちゃって残念になるけど、この方今もキレイでビックリ
銃を構えると別の映画を思い出して無双しそうに見えて困ったw
ミュージカルシーンはどれも熱く、感情に訴えてくる力があるし、映像としても美しく素晴らしい。
昨年度の(というか今年の)アカデミー賞は凄かったんだね。
取れなかった「教皇選挙」も凄い作品だったが、この作品も作品賞を取ってもおかしくない出来だったと思う。
ただ、正直言って、作品賞を取った「アノーラ」も含め3本とも突き抜けたものがなかったのかも。いずれも技巧的。映画的な巧さがある3本だった。
ミュージカルと言われているけど(確かにミュージカルだけど)、それほど違和感はなく(というかハリウッドのミュージカルとは全く違う)、見終わった後にミュージカルだったことを忘れてしまうほど。
ミュージカルシーンはどれも熱く、感情に訴えてくる力があるし、映像としても美しく素晴らしい。
そしてストーリーを感情的に説明する役割を果たしていている。これは、結果として映画の効果的な時間短縮になるのでは?と思った。
それでいながら、というかそれだからこそ、深い映画になったと思う。
素晴らしいアクション映画であり、恋愛映画であり、性差別の問題も扱って、メキシコの悲劇も扱っている。けれど多分最後の二つの要素は、色々と物議を醸しているよう。映画創作上の設定でしかないのだけれど、ただ現実との関係性の中でさまざまな問題に発展してしまう。この映画を観た当事者はどう思うか。そこまでは正直観客側には考えられない。(「ディア・ハンター」がやはりそうだった。ベトコンの描き方が差別的だと)。一言で言えない難しい話だと思う。
ただ映画としては、エンターテイメント性が強く、とても面白く、熱くなる映画だった。
最初に書いた3本の中では、アカデミー賞には甲乙つけがたいが、これが一番だったかも、と思えてくる。
また見たくなる映画。
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