「自立と解放」傲慢と善良 ふわりさんの映画レビュー(感想・評価)
自立と解放
クリックして本文を読む
原作は辻村深月。面白かったので今作の公開が楽しみだった。
キャストは違和感なくて良かった。
内容は、婚活アプリで知り合った男女、架と真実の恋の物語で、真実の心の機微を描いている。
元カノに振られて婚活する架がやっと、いいなと思って付き合い始めた真実が、ある日突然いなくなり…。
恋愛ミステリーと謳っているが、ミステリー色はそれほど強くない。
真実が失踪するとはいえ、それ以外何かすごいことが起こるわけでもない、普通の人たちの話。
でもだから、ああ…なんかわかるかも…という場面があった。
特に架の女友達。ちょっと意地悪で強くて、真実のウソも見破る。学校のどこのクラスにもいそう。真実は彼女たちが嫌い。
遊園地で会った地元の同級生。きっと彼女も同様の、真実の苦手なタイプ。
それは、真実の母親との関係にもつながる。何でも母主導で母の言いなり。安全牌な進学、就職。でもああいうお母さんは普通にいるし、特殊な家庭でもない。(姉と真実は対極的だが)その結果の価値観がいい子を演じて、一定の人には鼻につく。
前田美波里 演じる、結婚相談所の小野里が言う傲慢と善良が、今の人たちを表している。
婚活アプリの登録は、母への反発の現れでもあるのだろう。
もっと主張していい、私自身の人生を生きなくちゃ。ラストはやっと自分を出せて、ようやくスタートできた。
婚活というよりは、それを通じて相手と、何より自分自身と向き合う。そんなお話だと思います。
*****
西田尚美のバー、時計がいっぱいで素敵な雰囲気でした。桜庭ななみちゃんは1~2作しか見たことないのですが、すっかり大人のお姉さんですね。
コメントする