SCRAPPER スクラッパー

劇場公開日:

SCRAPPER スクラッパー

解説

母を亡くした少女と音信不通だった父のぎこちなくも愛おしい共同生活を描いたイギリス発のヒューマンドラマ。

母を亡くし、ロンドン郊外のアパートにひとりぼっちで暮らす12歳のジョージー。親友アリと自転車を盗んでは転売して日銭を稼ぎながら、母が遺したホームビデオを見て孤独と悲しみを耐え忍ぶ日々を送っていた。そんなジョージーのもとに、12年間ずっと行方がわからなかった父ジェイソンが突然訪ねてくる。父に対して複雑な気持ちを抱くジョージーだったが、父娘は別々に過ごしてきた年月を埋めるかのように、ぎこちないながらもともに時間を紡いでいく。

本作でスクリーンデビューを果たしたローラ・キャンベルが主人公ジョージーを好演し、「逆転のトライアングル」のハリス・ディキンソンが不器用な父ジェイソン役で共演。10代の頃からミュージックビデオの監督として活躍してきた新鋭シャーロット・リーガンが長編初監督・脚本を手がけた。

2023年製作/84分/PG12/イギリス
原題または英題:Scrapper
配給:ブロードメディア
劇場公開日:2024年7月5日

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映画レビュー

3.5この生き生きしたビジュアルが躍動感を与えてくれる

2024年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

イーストロンドンの公営住宅に、母亡き後、たった一人で暮らす少女の物語ーーーと聞くと、これは育児放棄、あるいは福祉制度がカバーしきれない闇を描いた社会派映画かなと想像が及ぶ。従来の英国映画ならばこの手の作品をリアル一徹で描き出す手法が主流のように思うが、リーガン監督は少女の現状を決して停滞前線の渦中に置かず、むしろ独自のビジュアルで生き生きと彩り、彼女のポジティブ思考、サバイバル能力、大人を手玉に取るトークスキルで観客を魅了する。そこに突如現れた、まだ大人になりきれない父の存在感を加味。二人の信頼関係は出会った当初から地に落ちたようなものだが、土台もまるでないゼロに近い出発点だからこそ、あとは伸びしろしかないのだろう。かくも逞しいヒロインだが、まだ12歳。鎧を脱ぐように見せる繊細な表情には胸が締め付けられる。小品ながら愛すべきキャラ達の内外面が魅力的に輝き、観賞後の余韻も心地よい良作である。

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牛津厚信

0.5うひょ~!見るのに980ポイントも取られた!!

2024年12月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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When I am 75♥️

4.0親になるとは“どういう自分”であり、“どういう関係”を築いていくか、ということ

2024年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

母親はその身体に子を宿して十月十日を過ごす一方で、父親は実際に生まれてみないと自覚を持てない。 という話は、妊娠中や産後の女性たちの間でいつの時代にもされがちだけれど、ある種の信仰だと思っている。 そうとでも思わないと、十月十日しんどい身体で過ごし、内臓を負傷しながら出産し、何一つ思い通りにならない未知の生き物との生活をやっていけない母親の。 そして、そうと思うことで親になりきれない自分への言い訳にしたい父親の。 日々、身体の中で大きくなる命に愛着が芽生えないかと言ったらそうではないけれど、でもだからといって、周りの友達が遊んでいるのを横目に自分だけが自由を制限されることへの不満、社会との断絶への閉塞感や不安なんかを抱かずに、「親業」に邁進できるわけではない。 産む女も、産まない男も、我が子と向き合って子育てをする中で「親」になっていく。 親になるって、ミルクをあげるとかオムツ替えをするとか以上に、どういう自分で在り、どういう関係を築いていくかだなあということを思わされる作品だった。 本作においてはジェイソンに対して、これだから逃げられていいよなぁ男はよぉ責任を持てないなら(以下略)、という気持ちももちろんなくはないけれど、 すでに12歳になった娘+異性親というのもかなりハードモードだなと思うので、まあまあまあ大目に見たい。 現実社会では許さないし、女だけを吊し上げるこの国のキモさは糾弾し続けるけれど。 だれしも『フロリダ・プロジェクト』を思い浮かべるであろう色彩や空気感、『aftersun』を彷彿とさせる二人の微妙な距離感の変動。 これらの作品で描かれる「不完全な親」を見ていると、自分がいつ一歩踏み外してこちらになるかわからないと思う主観、と同時にそれは自分の中にステレオタイプな「親たるものかくあるべき」像が強くある証拠なのではというメタ視点に囚われる。 本作のちょっと酔いそうになるほどの手持ちカメラのショットは、同じく不完全な親と社会問題を描いた『きっと地上には満天の星』も思い出した。 先日『あんのこと』でも思ったけれど、この社会の過ちや不完全さで真っ先に打撃を喰らうのはいつだってどこの国だって弱者だ。 そんなことを思うか思わないかのところで、希望に向かって幕を閉じる本作。84分という近年にしてはだいぶコンパクトな尺。 長すぎることも不足することもなく、mvを100本以上も撮ってきた監督の実力と、ともすればもっと暗いテンションになりかねないお話を極めてポップに描くその手腕は長編一作目とはとても思えない。 とりあえず『aftersun』が好きだった人には迷わず進めたい一作。 わたしはファーストカットの壁で、『哀れなるものたち』が見たくなってしまったので、Disney+に行ってきます((^-^))

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sakura

3.0大人になれないオヤジとませた女の子

2024年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

表題のような関係だから、うまく相いれない状況を表現しているのが、良かった。ただし、内容は映画ではよくあるパターンではないかな。

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hanataro2