「確信と寛容の狭間で」教皇選挙 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
確信と寛容の狭間で
不覚にもコンクラーベ直前の謀議(話し合い?)の辺りで少し眠ってしまったが、その後は物語に引き込まれ集中して楽しめた。
おそらく公の場はラテン語で式次第が進んでいたのだろうが、これを理解できる素養が求められる場なのだなというところ、我彼の差異にまず面食らってしまった。
男だらけ、妻帯も許されない、閉じられた世界線。女性が日陰に追いやられているのは、12人の使徒が男だったことに由来しているらしいが、この世界観が許容されるならば、イスラム教によって立つ、歪な世界観も実のところ批判することが難しくなるのではないか、という思いが頭をよぎる。日本にも未だ女性が排されている領域は少なからず存在する(祭り、修験道など)のだが、どこまで許容されて、どこまでが許されないのか。他者の意見を聞いてみたいところだ。
さて、コンクラーベ。枢機卿といえども人間で、自身をコントロールすることは難しい。組織にいれば上に行きたくなるし、異性がいれば欲に負けることもある。権謀術数、権力をめぐる闘争。日本の寺社もこんな感じなのだろうか?そもそも世界各国に散らばっている枢機卿の個々の人間性なんて、理解することも難しいようにも思うのだが。
ラスト、まともそうに映ったカブールから来た枢機卿の抱える真実。こんなことが本当に現実となったら、世界がひっくり返ると思うし、実際どうなるのか見てみたい。何か抱えているだろうとは思ったが、こんな方向から攻めてくるとは。なかなかどうして、不意を突かれ良かった。
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