シサム

劇場公開日:

解説

「せかいのおきく」「首」の寛一郎が主演を務め、北海道の大自然を背景にアイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマ。

江戸時代前期。北海道南西部に位置する松前藩は、アイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩士の息子である孝二郎と兄の栄之助は、アイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしている。ある日、栄之助は使用人・善助の不審な行動を見つけるが、そのせいで善助に殺されてしまう。復讐のため善助を追って蝦夷地へ向かった孝二郎は、そこで異なる文化や風習に触れ、それを理解することで自身の人生を見つめ直していく。

孝二郎の兄・栄之助を三浦貴大、復讐相手となる善助を和田正人、和人に反発心を抱くアイヌの青年を坂東龍汰、アイヌの村のリーダーを平野貴大、複雑な事情を抱えるアイヌの女性をサヘル・ローズが演じた。「結婚できない男」「梅ちゃん先生」などの人気テレビドラマを手がけてきた尾崎将也が脚本を担当し、「タイムスクープハンター」シリーズの中尾浩之監督がメガホンをとった。

※タイトル「シサム」の「ム」は小文字が正式表記。

2024年製作/114分/PG12/日本
配給:ナカチカピクチャーズ
劇場公開日:2024年9月13日

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(C)映画「シサム」製作委員会

映画レビュー

4.0現代人が心に刻むべき歴史

2024年11月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

アイヌの方々の、大自然と調和した平和で穏やかな暮らし振りの美しさに心を打たれる。
映画では彼等とは対処的に欲にまみれた侵略者として和人(松前藩)が登場する。
かなり凄惨な映像もあるが、実際には、もっと酷い状況だったのだろうというのが想像出来てしまう。アイヌの人々を蝦夷(エゾ)と蔑み、獣を狩るようにアイヌの人々を討伐する和人の振る舞いは決して許されるものではない。
途中からアイヌ民族に感情移入して心が痛んだ。
彼等に非道を働いた大和民族の子孫の一人として誠に申し訳ないと思う。
こうした映像は後世に残すべき貴重な資料になる。

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不死鳥のKAZ

3.5「歴史は繰り返す」?

2024年11月3日
iPhoneアプリから投稿

アイヌとの歴史に刻まれた "人間" の "生きること" の本質。そこで露わになるのは、今も繰り返される "侵略" と "略奪" そして "ジャーナリズム" の意義。

アイヌ、松前藩、幕府は、パレスチナ、イスラエル、アメリカ。孝二郎は差し詰めアミラ・ハスか?

人間の愚かな振る舞いが続く限り、この映画の輝きは失われない。これは悲しむべき悲劇か、笑うしかない喜劇なのか

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xa

3.0パッチワークに表現されたアイヌと和人の間で揺れる気持ち

2024年10月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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Pino

5.0しなやかな、風、もう一度見たい

2024年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

映画完成時の中尾浩之監督のコメントに「目指したのはやわらかな風のような映画です。寛一郎さんはそのしなやかさを見事に表現してくれました。予想を遥かに超えたところへ映画を引きあげてくれました。類稀な才能に出会えた。」
と言っておられましたが、主演の寛一郎くん、そのとおりだと思います。
はじめはいささかか弱い主人公(終わりまで武芸は弱いまま)ですが、自身の身に起こることをしなやかに受け止め、しなやかに考える感受性、純粋さを持った主人公でした。この主人公に惹きつけられました。
緒形直人さんの上役も映画をとても引き締めていたと思います。
舞台挨拶などでは、アイヌの文化を伝えたい、今の世の中だからこそアイヌと和人の歴史を知ってもらいたいと寛一郎くんもサヘル・ローズさんも言っておられました。
往々にして、そういうメッセージ性がこの映画の評価の前面に出る要素もありますが、映画としてとっても正統派な映画だなーと思いました。
映像も美しく映画館でこそ見る映画だと思いました。
昨今人気漫画原作のエンターテインメントに振れた大作シリーズが流行るようですが、大手ではないところで、しかも初めて映画製作されたプロデューサーのもとでこの「シサム」のような映画が作られたことは素晴らしいと思います。
もう一度映画館で見たいと思っていましたが、上映館数や上映回も少なくてとっても残念です。
ハワイ国際映画祭で上映されたとか、公式ホームページでもその報告などなどもっと宣伝してほしいなーと思っています。

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haha