エイリアンVS.プレデター : インタビュー
アメコミやゲームなどでは既に実現され、長い間映画化が望まれていた夢の対決「エイリアンVS.プレデター」が紆余曲折を経てついに実現。監督は両シリーズの大ファンでもある「バイオハザード」のポール・アンダーソンだ。そこで特集では、本作品にまつわる監督の幼少期の思い出や作品の見所などについて語っていただいた。(聞き手:編集部)
ポール・W・S・アンダーソン監督インタビュー
「この映画は私が作るしかないと思ったんだ」
――「エイリアン」と「プレデター」のどんな部分に惹かれたのですか? また、お気に入りのキャラクターはどちらですか?
「『エイリアン』は、H・R・ギーガーという1人の天才が作り上げた珠玉の芸術作品だよ。もちろん彼は他にも素晴らしい作品を作っているけど……その中でもエイリアンは飛びぬけて素晴らしい! 私はエイリアンは最高のクリーチャーだと思っているんだ。一方、『プレデター』は人間の体に近いデザインなので、クリーチャーとしてのデザインはエイリアンよりは弱いかもしれない。でも、プレデターは彼らなりの戦う“志”や“名誉”があって、中世の騎士や侍のように戦士としての誇りを持っている。やはり素晴らしいキャラクターだと思うよ。
どちらがお気に入りかということを監督が言ってはいけないのかもしれないけど、子供の頃に初めて観た『エイリアン』がとにかく怖くて。そういった意味では、『プレデター』よりも『エイリアン』で受けた影響の方が少し強いかもしれないね」
――エイリアンとプレデターの戦いを地球を舞台にして描くというアイデアは、どのように浮かんだのですか?
「1つは、子供の頃、『エイリアン』を友達と一緒に観に行った帰りに『家に帰ったら部屋の中にエイリアンがいるかもしれない』と想像して騒ぐのが楽しかったんだ。もう1つは、『エイリアン3』のポスターの中に『今や地上も……』という、あたかもエイリアンが地球を襲うかのような表記があったのをよく覚えていたんだ。いつの日か、エイリアンが地球に来てくれるのではないかとずっと待ち望んでいたんだけどね。結局一度も地球に来てくれなかった。だから私が作るしかないと思ったんだ」
――今回、監督と脚本を担当していますが。
「キャストやスタッフとコミュニケーションを取りながら作業できる楽しさがあるので、監督の仕事のほうが面白いよ。逆に脚本執筆は、非常に孤独な作業。ただ、そうは言いつつも1年近く練った脚本を元に映画を作りはじめて、その途中で再び脚本を推敲するのもまた楽しいのだけれど」
――「AVP」にはビショップがウェイランド社の社長として登場するなど、過去の作品へのオマージュが出てきますね。
「キャストやスタッフも『エイリアン』と『プレデター』のファンだったので、各所にそういった要素が含まれたシーンが出てくるよ。私が特に気に入っているのはアンドロイドのプロトタイプであったビショップは、ウェイランド社の社長をモデルにして作られていたというプロットだ。ストーリーの辻褄も合うし、シリーズの継続性もあるしね」
――エイリアンとプレデター、それぞれの最大の武器とオススメのバトルシーンを教えて下さい。
「エイリアンの場合、それ自身が殺人マシーンで、とにかくドンドン繁殖するのが1番の目的だけど、プレデターは文化を持っていて、名誉のために戦っているので、両者は全く違う。その両者が一対一で戦う事を考えた時に、『プレデターには賢さがあるし、有力な武器も持っているハンターなので、エイリアンより有利かな』と思えるけど、実際の戦いではそれぞれが相手より有利な側面を持っているので、それぞれの見せ場があるんだ。例えば、プレデターがエイリアンの尻尾を攻撃した事で酸性血液が噴き出し、それによってプレデターをやっつける、といったようにね」