「もう少し主人公と敵のボスを見た目で描き分けてくれないかなあと思った」KILL 超覚醒 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
もう少し主人公と敵のボスを見た目で描き分けてくれないかなあと思った
025.11.18 字幕 MOVIX京都
2023年のインド映画(104分、R15+)
列車内で強盗団と居合わせた特殊部隊員を描いたアクション映画
監督あ&脚本は二キル・ナゲシュ・バート
物語の舞台は、インドのヒマーチャル・プラディーシュ州パラムブル
特殊部隊員のアムリト(ラクシャ)とヴィレシュ(Abhishek Chauhan)は任務を終えて基地に帰ってきた
アムリトが預けていた携帯を見ると、そこには恋人のトゥリカ(ターニャ・マニタクラ)から夥しい数のメッセージが届いていて、それはヴィレシュにも及んでいた
内容は、父ブルデーヴ(Harsh Chhaya)の政略結婚に巻き込まれそうというもので、トゥリカは従わざるを得ないと考えていた
ブルデーヴは交通会社を経営している実業家で、その力は軍をも動かせるほどだった
アムリトは彼女の結婚式が行われているランテーに向かい、そこで「駆け落ち」をしようと考える
だがトゥリカは危険が及ぶとして、アムリトも諦めざるを得なかった
翌日、トゥリカは婚約者のジャス(Arun Thakur)たちと別れてニューデリーに向かうことになった
アムリトはヴィレシュとともにその列車に乗り込み、そこでトゥリカを強奪しようと目論む
なんとかトゥリカを探し出してコンタクトを取るものの、その列車にて異変が起こってしまう
それは、ファニ(ラガブ・ジュヤル)を筆頭とする強盗団が同乗していて、彼らは次の駅までの間に乗客から金を奪い始めるのである
映画は、乗り合わせた男が特殊部隊員だったというテイストで、強盗団を鎮圧する様子が描かれていく
前後半に分かれる構成で、ある地点にてタイトルコールがあって、そこからが「後半」のスタートとなっている
この構成から「超覚醒」という言葉が生まれているのだが、ぶっちゃけ覚醒するの遅すぎじゃね、という感じになっていた
ターニングポイントはあるキャラクターの死であるが、これは映画としては珍しい部類だと思う
ネタバレはしない方が良いと思うが、本作はこのキャラクターの死を以て、アムリトが覚醒して殺戮マシーンへと変わっていく様子が描かれていく
そこからは容赦がないのだが、一人を殺した代償に40人近くを惨殺するのはなかなかエグいなあと思った
特殊部隊員として、今後働き続けるかわからないが、彼にとってそれはどうでも良いことなのだろう
ラストシーンでは、その人物の幻想を見るという構成になっていて、珍しくバッドエンドの映画となっていた
いずれにせよ、エンタメのお約束をぶっ壊しているのは評価できるものの、100分程度の映画なのにものすごく長く感じてしまう
また、主人公アムリトと敵のファニのビジュアルがほぼ同じ感じになっていて、見慣れるまではどっちがどっちかわからなくなる
乗客の中に紛れている敵がわかりにくいというのは分かるのだが、敵対する主要人物はもう少しきっちりとビジュアルを分けた方が良かったかもしれない
エンドロールを見れば分かるのだが、敵の強盗団には全員名前が振られているが、名前で呼ばれるのは10人程度だったりする
主要なのは、ファニの父ベニ(アシーシュ・ビディアルティ)とその弟ババン(Mohit Tripathi)と、そのババンの息子ラヴィ(Devaang Bagga)、ベニの右腕のシッディ(Parth Tiwari)ぐらい
味方側はバルデーヴの秘書らしき男・ヴィラト(Pratap Verma)ぐらいで、あとは乗客のアリフ(Akash Pramank)と友人のソハイル(Shivam Parmar)あたりだろうか
そのあたりを視認できなくても何とかなるのだが、それにしてもエンタメ性を捨てた展開はなかなか強烈だなあと思った
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