「インド映画なのに「歌わない踊らない短い現代劇」で面白いけれど ちょっと微妙なところも」KILL 超覚醒 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
インド映画なのに「歌わない踊らない短い現代劇」で面白いけれど ちょっと微妙なところも
インド・アクション映画は最初は新鮮で面白くてはまったのですが、「RRR」を頂点に、それこそ「パターン」以降はパターン化著しく遠ざかってました。
主人公を超たたえる歌って踊って3時間以上(本国では休憩あるのに日本ではない)とか、ワイヤーでぶっ飛び、CGてんこ盛りのアクションとか、派手になる分ハリウッドアクションの焼き直しになってきたりとか、悪党が女性政治家と警察上層部とか、ヒーローが神話の神様の生まれ変わりとか、活躍するのは美男美女だけで、一般市民はそれをたたえて踊るモブでしかない一方的な被害者とかなどなど。
本作は、前評判から「超期待大」で鑑賞。
その「歌わない踊らない短い現代劇」という点は、とてもよかったです。
主人公の覚醒後の攻撃が、情け容赦無いところがイイ。
(悪者が俺たちは数人しかやってないのに、一族皆殺しか!?という襲っておいて勝手な理屈。)
また、閉ざされた列車の中での攻防戦が、飽きさせないように工夫はされていて面白かったです。
が、レビューの点がいまいちなのにも納得しました。
いろいろもやもやを感じました。
車両の位置を移動しての攻防戦が面白いが、そのせいで若干、位置関係がわかりにくいし、何度もやるのがくどい。
味方もやられるのがリアルかもしれないが、そのせいで爽快感がない。
なにより、ヒーローの残虐性の免罪符のために、中盤でヒロインが一方的にあっけなく殺されてしまうのが痛々しく悲しい。
104分で短いはずなのに、殺戮シーンが途中から少し飽きてくるインフレ状態気味なのが惜しい。
いろいろあって、鑑賞後に爽快感が今一つ残らないのが残念です。
これなら、まだ最後に主人公がヒロインの幻影とともに死んだほうがすっきりしたのに。
ハリウッドリメイクの際には、この辺が一気に整理されるのでしょうね。
続編があったら、今度は妹の「豪華客船上」での結婚式に残党が復讐に来るとか?いや飛行機か?クリスマスのナカトミ・ビルとか?
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