劇場公開日 2025年11月14日

「もう少し物語に奥行きがあればなあ」KILL 超覚醒 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 もう少し物語に奥行きがあればなあ

2025年11月16日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

■ 作品情報
監督・脚本はニキル・ナゲシュ・バート。主要キャストはラクシャ、ターニャ・マニクタラ、ラガヴ・ジュヤル。製作国はインド。

■ ストーリー
特殊部隊員アムリトが、別の男性との婚約を強いられた恋人トゥリカを追い、インド東部から首都ニューデリーへ向かう長距離寝台列車に乗り合わせる。しかし、旅の途中で総勢40人にも及ぶ武装強盗団が列車を襲撃する。彼らは乗客から金品を強奪するだけでなく、大富豪の娘であるトゥリカを人質にとり、身代金を目論む。アムリトは、愛するトゥリカと多くの乗客の命を救うため、軍隊で培った近接格闘術を駆使し、狭い車内という逃げ場のない状況で、数で勝る凶悪な強盗団にたった一人で立ち向かうことになる。この絶望的な密室で、アムリトと強盗団による血みどろの死闘が繰り広げられる。

■ 感想
インド映画といえば特徴的なのがダンスですが、本作は列車内が舞台なのでそんなシーンはありません。その分、予告編で期待していたアクションシーンは、たっぷりと味わわせてくれます。

とにかく狭い寝台列車という閉鎖空間で、これでもかとばかりに繰り広げられる怒涛のアクションは圧巻です。特殊部隊員のアムリトが、銃火器の使用がためらわれる状況の中、刃物や車内設備を駆使した近接格闘で多人数を相手に暴れ回る姿が熱いです。さらに恋人トゥリカのためにギアを一段上げて無双する姿は、まさに超覚醒。その迫力あるバイオレンス描写には、思わず息をのみます。

しかし、走り続ける列車内でのアクションという特性上、絵面がどうしても変わり映えせず、敵味方の区別がつきにくい場面もあります。そのため、手持ち武器を変えたり、アムリトが怒りの覚醒をしたり、殺しの残忍性を増したり、カメラワークで魅せたりと、ダレないように工夫していたと思います。また、殺される武装集団を大所帯にしたり、そこに家族の絆を感じさせるようなシーンを入れたりしたのではないかと思います。しかし、それらも大きな効果を生んでいたとは思えず、後半はもうお腹いっぱいで、少し飽きを感じてしまったのも事実です。

せっかくの魅力的な設定を活かすためにも、序盤でアムリトの有能さやトゥリカとの愛の日々、武装集団の周到な計画や過去の悪行など、物語の奥行きを深める描写があるとよかったのではないかと思います。これらの背景がしっかりと描かれていれば、アクションシーンの感情移入度も上がり、武装集団の凶悪さも際立ち、よりいっそう物語全体が引き締まるのではないかと感じます。

アクション単体としては楽しめるものの、物語の薄さとアクションの単調さが相まって、作品としてのポテンシャルを最大限に引き出せていないように感じたのは残念です。

おじゃる
映画LOVEさんのコメント
2025年11月21日

お早うございます♪♪
私も観ていて仰る通りだなと思っていましたw 強盗団の薄っぺらな家族思い等がorz

映画LOVE
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