正体のレビュー・感想・評価
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圧巻!
内容 ☆★★★★
小説が原作なだけあって結構面白くみれた。
逃亡系の話はスリルがあって
結末が分かってても最後までみたくなる。
飽きないペースで状況が切り替わる作品で
画替わり多いのもイマドキっぽくてよい。
真犯人が呆気なく捕まったのは
残念だったなー。
クライマックスが謎の無音である
理由も未だよく分からない。
キャスト ☆☆★★★
横浜流星のアクションだけでも見応えある。
吉岡里帆は何やっても変わんないが
森本慎太郎も意外といい味出してた。
にしても山田孝之がずっと可哀想だったぜ
スタッフ ☆☆★★★
TBSがバックにいれば
これくらい規模もデカくなるよなー。
若手の作品感はかなり強かった気がする。
今はこういう映画が多いですね
太陽
脱走した死刑囚が各地を転々と逃亡する様子と、彼に関わった人たちや警察との因縁を描く社会派な作品でテーマ的に冤罪というものに立ち向かっていく作品というところに興味をそそられましたし、藤井監督と横浜流星くんのタッグというところにも惹かれました。
演技力と演技力ががっぷり四つしていて圧倒されましたし、冤罪に対しての警鐘を鳴らすような見応えのある、心に深く刺さるドラマを2時間に詰め込んでおり食い入るように観て、観終わった後も喰らい続けていました。
資金調達→情報収集→潜伏といった流れで自身の冤罪を晴らすために動く鏑木とその土地その土地で出会う人々の交流もしっかり描いており、そこでの経験が鏑木の人生を彩っていくというある種の成長ドラマとしての側面も今作にはあるなと思いました。
最初に赴いた大阪での工事現場で出会った和也と最初は同じ従業員として生活する中で、和也が怪我をしたのに会社からの補填が無いことに対して持てる知識をフル活用して会社の代表に訴えかけにいく姿は根の優しさが滲み出ていましたし、あのような現場で代表が権力を振りかざしている様子は実際に見た事があるのでよく言ってくれた!と嬉しくもなりました。
和也が友達になろうぜと言ってくれたり、一緒にご飯を食べて酒も飲んでという初体験を共にしていて笑顔が溢れていたのも素敵でした。
そんな中でもコイツが鏑木なんじゃと疑ってしまってがために鏑木はまた違う土地へ、儚いけど仕方ないのかなと思いました。
都内に戻ってきて今度はライターとしての姿になっての情報収集をする中で、安藤にご飯を奢ってもらったり家に泊めてもらったり、一緒にドラマを見たりと誰かと生活をし、人を好きになるという経験を得て表情が朗らかになっていって安心感もありました。
安藤自身、父親が冤罪なのに罪を被る羽目になってしまっているのもあって、鏑木と分かっても匿って逃がそうとしてくれる姿には胸を打たれました。
そこからは介護施設で働き、そこで被害者遺族と接触しなんとか冤罪を晴らすための行動を起こしていく中で現代らしいSNS絡みでのトラブルが起きながらも、そのSNSを利用して最後まで諦めないで姿は凄いの一言です。
面会室でこれまで出会ってきた人々との再会、そして警察との対峙を得て、鏑木を信じ続けた人たちと新たな約束をして1歩前進していき太陽の光が射すようなラストでのフィナーレが美しかったです。
警察の陰謀は表面的だけではありましたが、その表面だけで、偉い立場の1人の意見を突き通してしまい無実の青年の人生を狂わせて、世間の認知を統合させてしまうのは中々に悍ましい描写でした。
18歳から少年法が適用されなくなるという犯罪法の改変を逆手に取って、半ば見せしめのような形で吊し上げるという残虐的な行動でしたし、ばんばん証拠が出てきたとしてもそれらをあやふやにしてなんとしてでも鏑木に罪を被せようという魂胆は人の心が全く無かったです。
被害者遺族に鏑木が犯人だと思わせようとして鏑木の名前を無理くり聞かせ続けて頷かせたというのもタチが悪いです。
もちろん粗というか展開の都合の良さは今作でも案の定ありました。
鏑木の変装が最低限すぎるので最初の髭面モサモサメガネはともかく、ライターとしての顔は茶髪に染めてマスクだったけど外したらそりゃバレるよですし、メイクでつり目にした時はこれは確かにバレない!と思ったらそこまでの出番は無く、終盤の前分けメガネは流石に分かりやすすぎる(意図的とはいえ)し、ネット民の断定速度を舐めてしまった結果、良い方向に向かったとはいえ身バレしてしまうしで奇跡的な確率を潜り抜けたようになってしまったのは残念でした。
週刊誌の記者が鏑木の見た目だけで即座に分かったところもなぁなぁですし、警察ってあんなに物損しまくって大丈夫か?となりましたし、安藤の上司の後藤はいつの間に鏑木に協力してたの?と疑問点も無かったことにのようにされてるのも惜しかったです。
事件の真犯人もどう考えたって証拠を残してるはずなのにそこへの捜査をせずというのも警察が杜撰だったとはいえ鑑識とか気にしないかなとも思ってしまったり。
横浜流星くんの感情豊かな演技にやられっぱなしでしたし、森本くんのめっちゃいい兄ちゃん感も最高でしたし、優しさ滲み出る吉岡里帆さんも最高でしたし、可愛らしい後輩感全開の山田杏奈さんも最高でしたし、冷徹さと正義感を持ち合わせた刑事の山田孝之さんも凄かったですし、松重豊さんの圧は半端じゃ無かったです。
濃厚な邦画が堪能できてよかったです。
藤井監督作では1番好きでした。是非ともこのコンビでまだ見ぬてっぺんを目指していってほしいです。
鑑賞日 12/2
鑑賞時間 17:30〜19:40
座席 C-6
今春のキムタクのドラマ
『Believe-君にかける橋-』がリンクしてしまって…。
ちなみに一家惨殺事件の東村山市内にはあれだけ広い田んぼに住宅というシュチュエーションはありません。
エンタメ映画とはこういうものであってほしい
映画の日三連続鑑賞三回目。
お金と時間をかけて作られてる良質なエンタメ映画。
メッセージ性を視聴者に上手く訴えかけることが出来ていれば多少の脚本のガバには目を瞑ることが出来る。と私は思っている。
主要メンバーが皆良い人でそれが良い。そうそう、こういうので良いんだよって感じ。
これ以降映画本体の評価に関係ない話かもしれないけれど、予告やキャストのインタビュー等でもう見る前から鏑木慶一は冤罪だと視聴者が確信出来てしまっているのは非常に勿体無いと感じた。
一番最初に出会う森本慎太郎の恐怖に怯える表情がとても良かったんだけど、予告で既に鏑木は犯人では無いんだろうなと分かりきっていたからこそ見ている側としては恐怖が薄れてしまった。
そもそも藤井道人監督がここのシーンで観客にそこまで切迫した恐怖を与えたいと思っていただろうか?と考えるとそれは分からないが…
しかし和也の立場になれば自分は今手負いだし一家惨殺事件の死刑囚に口封じに殺されるかもしれないという絶体絶命のシーンな訳で(彼も冷静になった後に擁護派に回るが)
その後の吉岡里帆のパートで鏑木は絶対冤罪なんだろうなと確信に変わるんですが、森本慎太郎のパートまでは脱獄死刑囚か本当に無実か視聴者にも分からないようにしてくれたら面白かったかな〜と感じた。
これはドキドキハラハラを求める私の好みの問題なのであしからず。
原作との変更点は全て良い方向に働いていたと思う。エンタメなのだし、テーマ的にも救いのあるラストで良かった。
あと原作小説未読で鑑賞後に読もうと思っている人は、パンフレットに原作のネタバレが含まれているので注意した方が良いです。
藤井監督上手い
キテレツの勉三さんとはね
あちこちからひっぱりだこの大人気監督藤井道人の新作冤罪もので面白いには違いないが横浜流星がちょっといい人過ぎてサスペンス部分が勿体ない。5つの顔を持つという惹句も疑問で「スオミ」の長澤まさみには遠く及ばず、だれもが証言しているように「いい人」確定のまま最後までいく。ただオーラスの判決が裁判長の「主文」以降をサイレントで見せた演出がかなり秀逸で観客の心を揺さぶる。申し訳ないが松重豊が悪く見えずキャスティングミス。犯行現場の回想があまりにも繰り返され、早い段階から真相が見えている中で犯人の逃走が予定調和としてあり、何度も取り逃がす山田孝之のダメ刑事ぶりが文字通り間が抜けていてハラハラできずしらけました。
俳優陣◎ ストーリー‥
primevideoのドラマ方が
【信じる】ことがテーマの奥深い作品
藤井直人監督と、横浜流星さんが好きなので鑑賞。
藤井監督の作品は「余命10年」や「青春18×2…」を見てきただけなので、こういった社会派の映画は初めて見ました。
結論から言うと素晴らしい作品です。
今、世の中にはSNSを含めたくさんの情報があります。
その中で情報に振り回されるのではなく自分の目で見たもの、心で感じたものを強く信じることが大切だと気付かされました。
その思いが集まって、ラストに向かっていく後半部分は涙なしでは見れません!
逃走を終え、面会室で刑事の又貫(山田孝之さん)と対峙する場面。真実をねじ伏せられた憎い相手であったはずなのに、逆に晴れやかな面持ちで、「生きる」ことの幸せと希望を伝えられ、又貫が心動かされる場面がすごく好きです。
何を持っている、持っていない、そういう部分で人生を判断しがちですが、友達がいるということや、好きな人ができたということ、人生において心が動く経験が財産なんだと感じました。
2時間があっという間の映画です!
キャストの方々の演技はもちろん、迫力もすごいので、ぜひ映画館で没入してご鑑賞ください✨
不問は愚問❓トッキュウ4号の再出発😭
特に内容把握してるわけでは無いですが、我が家ではいつも日曜9時にはTVで流れるスーパー戦隊。
2024年現在のスーパー戦隊「ブンブンジャー」巫山戯た名前だなと思いながらも、レッド役が駆る車がカッコいーと思ってたら実在してるミツオカの「ロックスター」だと知り、それが近所の中古車屋で並んでいたのを見て、記念撮影しちゃいました🤣因みにロックスターは、国内限定200台生産車なので希少価値もあり、価格700万くらいでした😱
さてさて、日曜9時に横浜流星を観ていたのは10年くらい前かな❓「トッキュウジャー」で4号のグリーン役という事で、そんなに目立ってなかった。その時のレッド、トッキュウ1号は志尊淳という事で、「トッキュウジャー」は時代をリードする役者を2人も輩出している名作となりました。「トッキュウジャー」のオープニング曲も歴代の中でも名曲で、皆さんどこかで一度は聞いた事あるはずです。因みに、「トッキュウジャー」で一番目立ってたのは、司令官役の関根勤でした🤣
ふう😮💨何を駄文を長々と書いてんだ❓
今作は横浜流星が完成披露で感極まってたのを見て、
コレはスルー不可避かなと劇場へ。
冒頭の救急車のシーンから良かった。捕まれた。
逃げる目的が早く知りたい、
それが話の推進力になっている。
大阪でカズヤ、
東京でサヤカ、
長野でマイと、
心の交流(というには短時間すぎるが)があり、
「死刑囚」鏑木の人と成りが伝わる事で、
鏑木自身の目的が果たされる事が
とても爽快で清々しい。
ラスト、スローにしないで欲しいなー😩
判決の主文もちゃんと聞きたかったなー🤣
少し残念な点。
偏見に満ちた演出が散見される。
サヤカを追いかけるゴシップライターが際たる例。
警視庁長官の物言いも、ちょっとなー🤔
松重さんがかわいそう😅
それに屈する現場の刑事山田もどうよ❓
大阪の現場作業の責任者、鶴瓶の息子も、
少しエクストリームかなー🤔
それと別で
判決の主文が聞きたいと言ったのは、
鏑木のその他の犯行について。
先ず脱獄、経歴詐称、
サヤカの部屋の器物損壊、
人質との立て篭もりと、
その辺不問なのかなー❓
不粋ですかねー😁
自分は介護に近い者ですが、
あの短期間で鏑木が介護施設で働けるのは、
ちょっと疑問符。
介護に纏わる資格は必須(ではない業務もあるが)で
確かに根詰めれば取れなくは無いが、
その前にも水産加工の工場に居たし、
時間的にどーよ❓
不粋ですかねー🤣
総じて良かったですよ。
トッキュウ4号、立派に成りました👏
他役者陣で良かったのは、
SixTONES森本かな。
なんか雰囲気が好き。
友だちになれそう😁
山田孝之は難役ながら、
ほぼ一貫して表情変わらずで、
それでもウチに秘めた心情を表現していた❗️
もうベテランですな、名人芸👏
追加で、
CBCテレビが全面協力なのが嬉しかった😊
『善人は善人、悪人は悪人』という映画
言葉が
会話ではなく、
ひとつひとつ
どこか台詞っぽい
シーンが多い
そんなに必要かな?ってところでも
間が多くて
なんとなくテンポが悪い気がする
そして間をとって、
ただ今風のことを言うだけ
今の公的な言葉(正しさ)をなぞるだけで
ちょっと眠くなってくる
別に挑戦的・挑発的な思想を
中心に据える必要もないとは思うけど、
誰一人欠片もないというのもどうかと
まったく新しい視点はないと思う
『善人は善人、悪人は悪人』という映画というか、
根本的に登場人物が薄っぺらい気がする
普通に人間の世界って
もっとゴチャゴチャグニャグニャして、
別にリアルにすればいいってものでもないけれど、
ただそこに葛藤もあると思うのだけれども
あと殺人現場で
「凶器を手に取る」って
かなりありえない
(一番やらないこと
じゃないのかな?と思う)
ましてや
「人に刺さってる凶器を
手に取る」というのは
よりありえないと思う
あんなところに
出くわしたら
脚が震えるし
緊張で体は硬直すると思うし、
「屈む」とかの意識的動作は、
自然な動きの範囲ではないと思う
目的のある動きと思う
かりに「鎌を手にとる」なら
それなりの理由を考えないと
いけないと思う
(これが象徴のシーンで全体的にどこか粗い気がする。
もちろん映画なので、わかりやすさや勢いを優先して
「あるていど割り切ってもいい」と思うけれど
「なんでもあり」なわけではないと思う。
「展開の都合10で行動の理由が0」みたいなのは違うと思う)
たとえば主人公が
若干の「知的弱者」とかなら、
大きな音に興味を持って寄っていったり、
不注意に鎌を触るとか、
また捕まった後の抗弁もうまくないとかも
それなり理由がつくと思う
(ただ逆にそういう設定なら情状酌量の余地も
出てくるのかもしれないけれど、
事件の凄惨さを理由に死刑判決になるとかの
冤罪の方がまだそれっぽいかなと思う)
ただこうすると、
「法律に詳しい」とか、
「知的な文章力」とかと齟齬が生まれたりするから、
根本的に話を変えなきゃならなくなるけれども…
監督が「ずっとこれを映画したい」と思ってたとか
熱量の高い触れ込みだったので
期待して観たのだけれども…
せめていろいろ粗いけどおもしろいならいいんだけれど、
個人的には単純にあんまりおもしろくなかったかな
ひょっとしたら
技術的な理由も
いろいろあるのかもしれない
スパイスもわからないし
料理もくわしくないけれど、
ただ食ってみて
あんまりおいしくないなってかんじだった
感動の正体
出演者舞台挨拶付き完成披露試写会行って参りました✨
藤井監督率いるバベルレーベルが
4年の歳月を経ての新作というこで楽しみだった作品。
彼の「正体」とは...
「正体」その意味に触れた時、心が震えた
ひとりの少年が
出くわしてしまった事件が織りなす
逃亡サスペンス
鏑木と関わった者達の「アンサー」は?
果たして結末はいか・・・に!
想像を超えた向こう側からの終局
胸に熱いもの感じずにはいられない
あなたは、何を信じますか?
誰を、信じますか?
とても、愛おしくなる
そして信じたくなる、この世界を・・・
心に深く刻まれる、そんな作品です⟡.*
この冬、最大の~極上逃亡サスペンス‼️
「正体」その本当の意味とは。。。
衝撃のラストに 涙し、
あなたの心も震えることでしょう。
全体としては
いつものバベルとは違う印象を受けるシーンから始まり
入り込みやすい冒頭部分となっていました。
なんと言っても脚本家の小寺氏による
彼の理が光るパズルの組合わせのような脚本で
2時間があっという間に感じました。
3年前に原作を読了済みですが
原作では印象のない山田孝之さん演じる刑事が活きていて
個人的にはもう少し刑事としての
この事件に対する苦悩を描いて欲しかったと感じた一方
吉岡里帆さんのパートでは
心情的にエモイ原作とは違うモノとなっており
逆にソレがこの作品に合う印象を受けました。
想定外だったのが森本慎太郎君演じるジャンプとの友情部分が
彼の演技によるものかグッとくるシーンになっており
特にアンサー部分はもう少し注視する造りであれば
終幕にむけて余韻が残ったかと思います。
逃走する中、様々なその場所で
関わる人を通して「少年」から「青年」へと変わってゆく鏑木
そして流星くんの、
変化も然る事乍ら
なりきる力を以ての鏑木の心情。。。
彼の「正体」を目の当たりにし、色々な感情が交錯ました。
最後のシーンは
きっと観る人によって受ける印象が違うと思います。
本作タイトルでもある「正体」
そして、おそらくもう一つのテーマでもある「冤罪」
色々考えさせられる作品です。
公開したら幾度と観て、この作品の本質に深く触れてみたい
余韻が後を引く藤井道人×横浜流星タッグの秀作です。
まさかの大泣き
臨場感が凄かった。ジャンプとのトイレ前のシーンはホラー映画か?ってくらい怖かったし、那須君の時は等身大の…なんならもっと幼いくらいの純粋さで。善悪が入れ替わり目に見えていた世界が作られたもので…。又貫は上司の大義の闇を目の当たりにしていたからこそ「信じたかった」鏑木が眩しく見えて、正しい道に帰れたのかもしれないと思いました。
また映画館に観に行きたいです。
生きる権利を求める逃走劇
公開前から報知映画賞を獲り話題をさらった「正体」
年末近くに公開される映画は来年の賞レースに持ち越されて、翌年の賞レースの頃には記憶が薄れてしまう。
来年の大河の主役がまたしても受賞となれば自動的に大河も話題に上る。
わかるよ。
社会派の名作だったし凄く熱演してたから彼にあげたくなる気持ち。
NHKや事務所への忖度じゃないって思いたいけど、ちょっとひっかかる部分ではあるよ。
しかしのっけから気持を掴まれて、私も最後は号泣しましたし。
彼のあの清らかな美しい表情はどこからやってくるんでしょうね。
最初は逃亡者として怪しげな雰囲気を醸し出していたのに、物語が進むにつれて清い心を持った彼の本当の姿が現れて、美しい青年に変貌していく様は本当に見事でした。
あんなにも清らかで捨てられた子犬のような悲しげなイケメンが冤罪で追われていたら匿っちゃうよね。
警察では真実よりも、1人の命よりも、警察のメンツを守る事を優先していたんだな、と感じる事件が多くて憂鬱になる社会。
でもこうして映画やドラマで扱われる事が多くなって来たと言う事は、少しでも変化している証なんだと思いたい。
最近も袴田さん事件が記憶に新しいけど、表に出たのは氷山の一角で、冤罪で人生を狂わされた人が沢山いるんじゃないかと思うとやりきれません。
映画では冤罪の苦しみの部分はあっさりで深掘りしてないけど、これはこれであり。
まだまだ発展途上の日本の社会がより良い進化を遂げる1つのきっかけになるといいですね。
警察が信用出来ない社会。
政治家が信用出来ない社会。
司法が信用出来ない社会。
報道が信用出来ない社会。
権力者がすべてを意のままにする独裁国家。
日本はそんな国じゃないよね。
本当の顔
司法は信頼を取り戻せるか?
原作未読。横浜流星、山田孝之、吉岡里帆の演技が良い。特に流星の感情をあまり出さない表情。内面に強さを持ったジャーナリストの吉岡里帆。警察という階級社会の中で生きている山田孝之。三人がそれぞれの立場の役を見事に演じていたとおもう。ツッコミどころは、多々あるが、それはそれとしましょう。現実の司法の世界においてもこの映画のラストのようなことがあって欲しい。(←無いのが一番だか...)
この映画を鑑賞して個人的に思ったこと↓
映画では、検察は描かれていないが、村木事件、袴田事件、大川原化工機事件など冤罪が発生している。冤罪がないのが一番だが、もし過ちを起こした場合は、きちんと総括して、反省すべき点は反省し、謝罪する。そして過ちを繰りかえさないような組織づくりをしていく。このことは、司法組織のみならず、会社組織、我々の社会に於いても言えることだと思う。特に司法関係者は、信頼を取り戻すことに務めて頂きたい。
多くの登場人物の人生が絡み合う複雑な話ですか、回想シーンを多用した語り口が巧みで、人間ドラマ、サスペンス、ミステリーが濃密に一体化した映像世界に引き込まれました。
染井為人の同名ベストセラー小説を、横浜流星の主演、「新聞記者」「余命10年」の藤井道人監督のメガホンで映画化したサスペンスドラマ。
これまでも「ヴィレッジ」や「パレード」で藤井監督とタッグを組んできた横浜が、姿を変えて逃亡を続ける鏑木を熱演。343日間の逃走劇で見せる〝5つの顔〟の演じ分けが見どころです。
●ストーリー
埼玉県の民家で、住人の夫婦と2歳の息子が殺害されます。悲鳴を聞いた隣人が通報し、駆けつけた警察官により逮捕されたのは、当時高校3年生だった鏑木慶一(横浜流星)でした。この日本中を震撼させた一家3人を惨殺した惨殺事件。犯行現場で凶器を手にしたまま逮捕された上に、生存者の目撃証言もあり、有罪は疑いないと思われていました。 その後の裁判では、未成年者犯罪厳罰化の流れの中で死刑判決が言い渡されたのです。けれども逮捕から一年半後、19歳になった鏑木は移送中に脱獄。鏑木を追う警視庁・捜査一課の刑事の又貫征吾(山田孝之)が彼の行方を追い、鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べます。東京でフリーライターをしている鏑木が家がないところを助け、一緒に暮らし安藤沙耶香(吉岡里帆)、大阪の日雇い労働者として共に工事現場で働く鏑木と親しい友人となる野々村和也(森本慎太郎)、長野の介護施設で働く鏑木と出会い恋心を抱く酒井舞(山田杏奈)。彼らが語る鏑木は、それぞれがまったく別人のような人物像だったのです。
実は鏑木は変装し仕事を替えて逃走し続けていました。監視カメラなどに取り囲まれた社会でも、さまざまな場所で潜伏生活を送り、入念に姿や顔を変えながら、間一髪の逃走を繰り返していたのです。
逃げる鏑木の生活と周辺の人たちとの関わり、追う又貫と関わった人たちの証言を交互に描くうちに、鏑木が逃走した目的が明らかになっていきます。
鏑木の本当の“正体”とは。彼は、凶悪犯なのか、無実の青年なのか?そして、鏑木の【真の目的】とは。343日間にわたる逃走劇の最後で、彼が見せた〝正体〟。その真相が明らかになったとき、「信じる想い」に心震えることでしょう。
●解説
映画の見せ場の一つは、鏑木=横浜の変身ぶり。ほぼ1年に及ぶ逃亡生活の中で、獄中の死刑囚から土木作業員、フリーライター、工場労働者、介護施設職員と次々と別人になりすましていくのです。そんなにごまかせるものかというご都合主義的な展開は、横浜の熱演が救いました。〝5つの顔〟を巧みに使い分ける流星の憑依した演技は、本当に同一人物に見えないのです。
しかし俳優なら容姿や人格を操作するのは当たり前、とはいえ今作では、見かけは別人でも中身は同じ。顔つきや雰囲気、体形もガラリと変ともいえます。でもただ難役を演じるだけでなく、彼が出会う人々と関わる中で、“凶悪な殺人犯”の本当の姿を説得力をもって浮かび上がらせたのです。
工事現場では、ボサボサの長髪で、得体の知れない不気味さを漂わせ、仲間から「勉三さん」と呼ばれます。これはアニメ「キテレツ大百科」のガリ勉浪人キャラの名で、風貌はそのものです。仲間が労災事故を起こしたとき、獄中で熟読した六法全書の知識を駆使して、パワハラ上司と掛け合うなど凶悪犯とは思えぬ一面を見せます。未成年で逮捕されたため、工事仲間から生まれて初めて酒を振る舞われ、少しずつ心がほどけてゆくのでした。
逃亡生活の必死さを表した身体表現でも奮闘しました。又貫刑事らに踏み込まれた鏑木がアパートの2階から車の上に飛び降り、そのまま走って逃げて橋から川に飛び込むまでを1カットで見せるアクションなど、目を見張るものがありました。
横浜にとって、クランクインから遡ること約3年もの間、藤井監督と脚本やセリフなどのやりとりをし準備を進めてきた作品であり、「非常に思い入れのある作品」と語ります。横浜の代表作となる作品といって過言ではないでしょう。
そして物語の背景には、司法の危うさが置かれています。鏑木の事件の真相が少しずつ明かされる一方、安藤の父親安藤淳二(田中哲司)は、弁護士でしたが、今は冤罪で痴漢の容疑をかけられ、裁判中の身。それでも断固無罪を主張しています。人が人を裁く制度の不完全さ、冤罪(えんざい)の可能性は、元死刑囚、袴田巌さんの無罪判決や検察官の不祥事など、多くの事例が示しているところです。本作では、それをもっと誇張して、司法のメンツのために、冤罪の可能性まで否定し、何が何でも有罪に持ち込もうとする警察上層部の暴走ぶりが描かれるところが、藤井監督らしいところです。
●感想
多くの登場人物の人生が絡み合う複雑な話ですか、回想シーンを多用した語り口が巧みで、人間ドラマ、サスペンス、ミステリーが濃密に一体化した映像世界に引き込まれました。俳優陣では“逃亡映画”に欠かせない追跡者役、山田孝之の感情を押し殺した演技がよかったです。加えていうなら、当初は上層部の番犬に徹していた刑事の又貫でしたが、鏑木の言葉に触れて、本来の警察官としての正義に目覚める姿が感動的でした。買い殺された番犬ではなかったのです。
そして話の展開が激しいテンポに粗削りの迫力がありました。
死刑判決を受けた男が、拘置所を脱け出し、姿を変えて逃走を続ける。それをひたすら冷徹に追う刑事。脱獄サスペンスの常で、行きつく先でひそかに助ける人々の目線で見てしまう。それらのシーンがスピード感だけでなく、肝心な重要シーンでカットアウトされて、お預け状態になるのです。見ている方は展開をカットアウトされてジラされると余計に、この先どうななるのかとストーリーに惹き付けらました。
さらに終盤、スローモーションの演出や音楽によって、ストーリーが情感たっぷりに強調されるのです。“人情”の押しつけがましさと感じる人もいるかもしれません。それでも又貫が鏑木に「どうして逃げたんだ」と根本的な問いを投げかけたとき、「信じたかったんです、この世界を」と答えた言葉をキーワードにした人間模様が胸に迫るものを感じました。
但し感動的ストーリーであるものの、脚本の荒いところがいささか気にはなりました。そもそも、鏑木逮捕の理由が弱いと思います。少年の凶悪犯罪ならなおさらです。そして鏑木がネットカフェで宿泊していたところ、安藤の気遣いで、彼女の部屋へ泊めてもらうようになる件。出会ったばかりで、見ず知らずの他人を若い独身女性が、自室でいきなり同棲を始めるのはあり得ないと思います。また安藤が鏑木の逃走を助けるのも理解しづらいところ。なぜ安藤が鏑木に肩入れするのか謎のままです。逃走にかかわる人たちとの関係を軸にするのはいいが、冤罪や裁判を扱うにはディテールへの配慮は不可欠です。エモーショナルな見せ場は、その土台あればこそ、胸を打つのではないでしょうか。
ただ考えられるのは安藤の父親が痴漢冤罪を抱えていたから、鏑木を信じたいという気持になったことは考えられます。でもこの件は本作においては些末です。ただ男性が抱く冤罪への恐怖もわかります。けれども、痴漢に比べ、本作の抱える事件の重大性は段違いで、安藤が鏑木を匿う気持の説明とするには、釣り合っていないと思いました。父親がもっと重大な事件の冤罪に晒されているという設定にすべきではなかったと思うのです。
全786件中、521~540件目を表示












