「正しいことを信じること、信じてもらえること」正体 あさやんさんの映画レビュー(感想・評価)
正しいことを信じること、信じてもらえること
■サマリー
死刑判決を受けた鏑木慶一が脱走。鏑木を追う刑事の又貫は、
逃走を続ける鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べる。
しかし彼らが語る鏑木は、それぞれがまったく別人のような人物像。。。
さまざまな場所で潜伏生活を送り、姿や顔を変えながら、
間一髪の逃走を繰り返す鏑木。
やがて彼が必死に逃亡を続ける真の目的が明らかになっていき、
追う刑事の又貫は・・・
■レビュー
ストーリーは割と読めちゃう展開、それでいてやや破綻。
でも、意外とすーっと入っていく。
脱走した鏑木、どれだけ知的でまじめでやさしいのか。
どう考えても殺人犯に見えず。
そんな彼は、出会った人からもやさしさや温もり、信じてもらえることの
ありがたさを感じ取る。
そして逃走を繰り返し、潜伏先では容姿を変えながら、
初めての友達、初めてのお酒、初めての恋?・・・
最後の冤罪を晴らすために訴えるシーンは、じんときた。
はたまた、刑事の又貫、どこかで気づいていたんだろうな、
冤罪であること、間違えたことをしている、ということ。
だからこそ、最後のシーンは、こちらもじんときた。
鏑木役の横浜流星さん、何作か見ているが、カッコいいだけでなく、
今回も役の人物として生きている
又貫役の山田孝之さん、こちらも正義とは何ぞやという気概を胸に秘め、
鏑木を追いながらも、どこかで自分、いや警察を疑っている心情を
うまく表現していた
鏑木と出会う人物として、森本慎太郎さん、吉岡里帆さん、山田安奈さんも
よかったです。
このような冤罪って、どれだけあるのだろうか
そして今後冤罪がなくなるような世の中になればよいな、
正しいことを主張し、人を信じられる、人に信じてもらえる、
そんな世の中になることを祈ります