ぼくのお日さまのレビュー・感想・評価
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月光仮面
ハンバートハンバートの同名タイトルポップスから着想を得た作品だという。吃音の“ぼく”が語るモノローグ型式の歌詞は、北海道のとある町でスケートに打ち込む少女サクラに一目惚れした吃音少年タクヤの心象とピタリ一致する。是枝裕和をこよなく尊敬しているという奥山監督だけに、思春期の子供の単純な初恋物語なのか、というとそうともいいきれない奥深さを感じるのである。
サクラやタクヤを演じた俳優に、フィギュアスケートの経験者をキャスティングしたという奥山監督。サクラの方はともかく、とくにタクヤ役の少年がいまいちなのだ。荒川コーチ(池松壮亮)のプライベートレッスンを受けてだんだんと上達していくという設定ながら、スピンも満足にできないヘタッピなスケーティングがまったく様になっていないのである。下手くそなドモリの演技とともに、(是枝のように)役づくりにもちっと時間をかけるべきだったのだろう。
この映画の劇伴として、ドビュッシーの『月の光』が印象的な使われ方をしている。サクラがシングルで演じる時の課題曲として用いられるのだが、本作が映画祭でお呼ばれした地カンヌと、フランス人音楽家ドビュッシーの深い関わりをご存知の方は、思わずニヤリとされたことだろう。さらに、タイトルの“お日さま”とこの“月の光”が、対比的に演出されていることに我々は気づかなければならない。
ゲイばれしてサクラのコーチを解任された荒川がパートナーに「うらやましかったんだよ」と告白するシーンに是非ともご注目いただきたい。自分が吃音であることを隠そうともせず“好き”な気持ちをまっすぐに体現していたタクヤ=お日さまに対し、ゲイであることをひた隠しにして北海道の田舎町でスケートコーチを細々と続けている荒川=月の光。かつて野村克也が長嶋茂雄を羨んだように、お日さまのように裏表のないタクヤの恋路を思わず応援したくなったのではないだろうか。
自主制作映画『僕はイエス様が嫌い』が、もしもサン・セバスティアンで受賞しなければ破産していたかもしれなかった奥山大史は、その後広告代理店就職という保険を人生にかけるのである。大企業に就職したエリートでさえも副業をしなければ生活すらままならない現代日本で、映画監督とて例外ではないと個人的には思うのだが、奥山監督の場合“2足の草鞋”を履いていることに、ある種の後ろめたさを覚えている気がする。
アイスホッケーとフィギュアスケート、ゲイパートナーとスケートコーチ、サラリーマンと映画監督....どちらに決めようかウジウジと悩む男たちを尻目に、太陽の日差しをあびながら“月の光”を氷上で凛々しく演じきるサクラにはまったくブレがない。しかしねぇ、あの大谷翔平だって壊れやすい投手稼業にバッターとしての2刀流保険をかけていたからこそ現在の活躍があるわけで、そんなに悩む必要はないと思いますよ、ねえ監督。
人生はスケートの如く
東京テアトル×池松壮亮の信頼度たるやいなや...。あまりにいい。幸せ空間すぎる。「ルックバック」が大きな話題を呼び、2024年を代表する傑作だといわれている中、自分はこの作品を今年の顔として推したい。今後、宝物のように自分の中ですごく大切な映画になっていく気がする。鑑賞時より、鑑賞後にたくさんの思いが湧き出てくるような、尾を引くタイプの大傑作。
日本が舞台なのに、日本とは思えない圧巻の美しさと、その美しさ故に最高にマッチする洋楽。この映画を見ていると「PERFECT DAYS」同様、日常の些細なことに喜びを感じ、混沌とし生きずらい世の中だけど、この世界はまだまだ知らないことばかりで、素晴らしく美しいもので溢れていると、自信を持って言えるようになる。
極限まで削ぎ落とされているセリフ。おかげで、何気ない日常会話を含む言葉の全てが、深くこころに残ってしまう。それはまさに、楽しいことも悲しいこともどんな小さな言葉でも刺さってしまう、多感な時期を迎えた主人公・タクヤのように。この映画は『"ぼくの"お日さま』の名の通り、タクヤ目線で描かれていくため、日常がすごくキラキラと輝いて見える。
彼の目に映る、いつもの場所の新しい世界。印象深い言葉ばかりの本作の中でも、新しい世界に踏み入れることを決意したタクヤに対して、これまでと変わらず向き合い続ける友人のコウセイの優しいひとことに、じわ〜っと目頭が熱くなる。こんな友達がいるから、タクヤは飛び立てるんだろうな...。
霜の降りたような寒々しい窓辺に、じんわりと暖かいお日さまが差し込んでくる。人生の煌めきというのはいつも突然で、すごく愛おしい。真冬に使う厚い毛布みたいに、全身を包み込んでくれる情景と人の温もりが、本作最大の魅力。タクヤの真っ直ぐな目を見ていると、忘れていた子ども時代、失われた少年心を取り戻すことが出来る。心が豊かになっていくのが、沸き立つように全身に伝わってくる。この子のような純粋さとひたむきさは、いくつになっても持っておきたい。子どもに教わる、人生の教訓。外は凍えるほど冷えきっているからこそ、お日さまの光はより一層暖かい。
新鋭・奥山大史監督。商業映画デビュー作品して、この完成度は恐ろしいまである。見る前と見た後。90分で得られた幸福は何にも変え難い。大どんでん返しとか映画的な展開があるわけじゃないのに、たまらなく大好きなこの映画。少し大袈裟かもしれないが、映画を愛し続けて良かったと、そう思ってしまうほど。
整氷車を追いかけるあの構図は、間違いなく今年ベストの名シーンであり、スケート場ではなく、それ以外の場所で練習を積み重ねる子どもたちの様子もまた、忘れられない愛おしさがあった。お日さまの光によって照らされる、月の淡い光。極寒の中で繰り広げられる温もりいっぱいのアイススケートは、そんな月の光のように優しくて尊く、儚いものだった。
暖かくも儚いフィギアスケートを題材にした邦楽。 本年度ベスト!!
中途半端に終わってしまった感はあったけど自分好みの作品だった。
スケートのコーチ。荒川を演じた池松壮亮さんの演技やスケートの技術が素晴らしい!
加えてタクヤとさくら役の2人の子供達の演技も素晴らしかった。
そして3人共スケートがとても上手い!
野球もアイスホッケーもイマヒトツなタクヤ。
スケートリンクでフィギュアスケートの練習をするさくらに刺激を受け、荒川が2人にアイスダンスを教えて行く感じのストーリー。
リンクに窓から暖かい日差しが差し込むシーンの映像が美しく印象に残る。
タクヤが最初はスケートが上手く無いんだけど、さくらとのアイスダンスが素晴らしかった!
最初の下手くそな滑りは演技だったんだ(笑)
3人でカップラーメンすすりながらステップの練習するシーンが最高!!
アイスクリームのシーンから事態が一変。
前振りはあったものの、そう言う展開になるとは思わず、寂しくなる。
終盤、道でタクヤとさくらが出会うシーンが良い。
その先の展開がどうなるのか気になる。
さくらを演じた中西希亜良さん。
初めての女優業との事だけど素晴らしい演技と美しいフィギアスケートが良かった。
荒川がコーチしているシーンは本物のコーチが指導している感じでなかなかリアル。
ラストの歌の歌詞も心に残る。
タイトルの「ぼくのお日さま」の意味。
さくらのお日さまは荒川(過去形)。
タクヤのお日さまはさくら(進行形)。
荒川のお日さまは○○○かな?(過去形)
池松壮亮さん。
雑誌の写真のフィギアスケートの姿が本物っぽかったです( ´∀`)
ある視点ってなに?
2024年映画館鑑賞88作品目
9月13日(金)フォーラム仙台
会員デイ1200円
監督と脚本は『僕はイエス様が嫌い』の奥山大史
舞台は北海道
三ツ風町と二坂市
教室にあった「みつかぜ」のあいうえお作文好き
ロケ地は北海道各地
赤井川村に余市町に札幌市
屋内スケートリンクは札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
あとなぜか岩手県一関市の千厩アイスアリーナ←けっこう地元に近いのでとても嬉しい
粗筋
野球ができない冬季はアイスホッケーのクラブに入り練習に打ち込む小6のタクヤ
東京から引っ越してきた中1のさくらはフィギュアスケーター
彼女の演技に目を奪われうっとりするタクヤ
ついには彼女の真似をしてフィギュアを始めるタクヤ
それを見ていたさくらのコーチの荒川はタクヤにフィギュアスケート専用のスケート靴を貸し無償でタクヤにも指導し始めた
みるみる上達していくタクヤ
挙げ句の果てにはさくらの多少の反対を押し切り2人にペアを組ませアイスダンスの大会を目指すことになった
結局アイスダンスを受け入れたさくらは器が大きいな大人だなと感心した
しかしコーチがゲイだと知ると「気持ち悪い」と言い放ちアイスダンスの大会をボイコットしタクヤを悲しませる身勝手ぶり
スオミじゃないけど人間とはやはり多面的だなと
ヤフコメ民じゃあるまいし自分はさくらを叩かないけどね
だって中1だよ
それを本気でキレる40代のオッサンってまともじゃないよ
ラストシーンはあんな形で終わるがそれはとても映画的
一人で観るより複数で観るのが良い
映画館の隣の喫茶店で感想を言い合ったりラストのタクヤが何を言おうしたのか大喜利的なもので盛り上がるのも良い
エンディングテーマもかなり秀逸
配役
吃音気味の小6でホッケーをしていた多田拓也に越山敬達
フィギュアスケートの選手を目指す三上さくらに中西希亜良
元フィギュアスケートの選手でさくらのコーチの荒川永士に池松壮亮
荒川のパートナーでガソリンスタンドを継いだ五十嵐海に若葉竜也
さくらの母の三上真歩に山田真歩
タクヤの親友のコウセイに潤浩
ホッケーのコーチに篠原篤
小学校の教師に田村健太郎
さくらの親友のナツコに佐々木告
タクヤの父に大迫一平
タクヤの母に兵藤公美
タクヤの兄に坂本愛登
多田家の犬にもなか
その視線の先に居る者
北海道の少年スポーツの事情はこうなっていたのか。
たぶん物語りの舞台は小樽だろう。
夏場は野球。冬になれば積もった雪でグラウンドが使えないので
同じメンツでアイスホッケー。
でも、これじゃあ用具代が高額で、
よほどの金持ち世帯でないとムリな気がするのだが。
『タクヤ(越山敬達)』は吃音を同級生にからかわれ、
野球もセンターの背番号を貰っていながら、
練習中もぼ~っとしている。
アイスホッケーでもゴールキーパーを押し付けられ、
そこでも動きが鈍く、易々とゴールを次々に許してしまう。
打ち込めるものが無い、なんとも中途半端な日常。
そんな彼が、練習後に向けた視線の先に居たのは。
『さくら(中西希亜良)』は『タクヤ』よりも年長で
フィギュアスケートに熱中。技量もかなりのもの。
謝礼を払いコーチをアサインし指導を受けるが、
的確な指示に不満はないものの、
時としてコーチが自分を見てないのが不満のタネ。
『荒川(池松壮亮)』は嘗ては一流選手だったようだが、
今は現役を引退し、スケートリンクの管理をしながら
『さくら』のコーチも務める。
が、暫く前から、視界に気になる影の存在が。
『タクヤ』が『さくら』の真似をし、
アイスホッケーのシューズでフィギュアスケートに挑み転び続ける。
『荒川』は専用のシューズを貸し与え、時間を見ながら指導、
ある程度サマになったタイミングで
二人にアイスダンスへの挑戦を提案する。
最初の三人の視線は見事に三角関係。
それが二人がアイスダンスの練習を重ねるうちに
ベクトルに変化が生じる。
全てが上手く回り出したと思った矢先、
『荒川』が同性の恋人とじゃれあうのを目撃した『さくら』は
少女らしい潔癖さと視線の意味を曲解し、以降の指導を拒絶する。
三人の関係の線は、ぷっつりと千切れてしまったようにも見えた。
デビュー作の〔僕はイエス様が嫌い(2018年)〕でもそうだったように
『奥山大史』が撮ると寒々しい雪でさえ、
何故かふわりと暖かいものに感じてしまう。
差し込む柔らかい光線の具合も同様で、
凍てついた季節も、何時かはほころびる日が来ることを予感させる。
本作ではラストシーンでとりわけ明快に
それが示唆される。
思わず胸がきゅんとするような
希望に満ちた結末が。
す‼️❓す‼️❓好きだ‼️❓
途中まで、池松くんが主役だと感じていた。
でも、彼がゲイで、少女に嫌われてから、違うことに気がついた。
吃音の彼と少女が出逢う、ボーイミーツガール、純愛物語なのだ、それに気づいて、あゝ、最高点の映画だと感じた。
池松くんも若葉竜也も、タバコとアイスの共有だけではゲイだとは気づかない、仲の良い兄弟くらいに感じてた、さすがの自然な演技の二人。
でも、少年少女、少女は可憐で、少年は素直で、スケートは血の滲む努力をしたんだろう、池松を含めて、それを感じさせないくらい、演技が上手いレベルじゃなくて、そのものがそこにいるように感じた。
余談だが、アインシュタインやトムクルーズは幼い頃、失語症だそうだ。
障害は個性、パラの特集で、本人や周りが、そう言っていたのを思い出した。
それを思い出させてくれて、なお、感動の純愛物語を見せてくれた、映画も捨てたもんじゃ無い、ありがとうございます😭
軒並み高評価の中、恐縮ですが(^^ゞ
寝落ちしなかったスオミを2.5としている手前上、半分以上寝落ちしていた作品を2.5以上付けるわけにはいかんのです😅
ストーリーは全然覚えていません🤣
というか、エンドロールの音楽が流れてハッと目が覚めるくらい熟睡できました(笑)
美しさのあとの鑑賞後の胸のざわつき
子どもたちの繊細でピュアな心の描き方、屋内に差し込む「美しすぎる」光。素晴らしかった。
最初は美しすぎると感じるも、そこにまけない演技とスケートと画作りにより、うっとりするとともに、神々しさも感じる。
スタンダードで人物が中央に立つ画はどの作品でも好き。
そして、湖での3人のスケートは近年稀に見る、心に残るシーンだった。
無邪気な子どもたちに触発されて、のびのびとする荒川役の池松壮亮もいいね。
このまま美しく終わってほしいとおもっていたが、そこで終わらないのも映画としてよかった。
ともすれ、池松壮亮に目が行きがちだけども、
「ぼくのお日さま」、それは人に与えられたものではなく、タクヤが自立して自分で掴んでこそ意味がある。波乱の中でのもやもや、ざわつきとともに、終了。
そして、主題歌で心情を描く。これ以上ない終わり方ではないだろうか。
月の光とお日さまの光
吃音症で言葉を上手く伝えられないタクヤ
感情を表に出すことが少ないさくら
かつて一流のプロスケーターだった荒川先生
3人の感情の交わりを描いた群像劇。
吃音症や同性愛をテーマにした映画はこれまでも沢山あっただろうが、この映画ではそれらの「特徴」に過剰なスポットライトを当てることはない。あくまで3人の心のやり取りを描いている点が、作品としての美しさと澱みのなさを作り出しているように感じる。
3人とも言葉数が多い人物では無いが、スケートという言語を通じて互いに必死になって感情をやり取りしているように見えた。それぞれの目線と動き、スケート靴で氷を砕いて滑る音、リンクに残る軌跡、それらから言葉以上のものが伝わってきた。
映像としても非常に綺麗で、劇中のキーになる曲である「月の光」とタイトルの「お日さま」という対になる2つのモチーフを表現する光の使い方が印象的だった。
そして、「ぼくのお日さま」というタイトルから、お日さまとは、タクヤにとってのさくらのことだと思うかもしれない。しかし、果たしてそれだけだろうか。さくらにとってもまた、タクヤや荒川先生がお日さまであったかもしれないし、荒川先生にとってもタクヤとさくらがお日さまであったかもしれない。
3人ともが互いに光を与え合うように、スケート靴を履いて舞う光景が魅力的だった。
だが、お日さまはいつまでも空を照らしてくれる訳では無い。月の光が差す時に3人がどのような選択をするのか。
派手さはないけどジーンときた
「コーチ」と言う立場だけでなく「大人の男性」として荒川を意識し始めていたさくら。その荒川の「氷上では決して見ることのない笑顔」を見てしまってショックだったんだろうなぁ。初恋だったんだろうな。
ちょっと運動神経の鈍さが見え隠れするタクヤが練習を重ねて、綺麗に背筋を伸ばして滑ることができようになった時、「おっ、やるじゃん」と思わずニヤリとしてしまった。
エンドロールに流れるハンバートハンバートの曲が作品全体を締めてくれたような感じで、最後の最後まで楽しめた作品だった。
恋とは厄介なものだな
昔のTVサイズ。
横に長くない分、高さを感じやすいし、役者の顔がよく見える。
子役の2人が良い。友達役の子も良い。
それよりも池松壮亮!スケート上手過ぎ!!
元からやってたのか、今回のために猛練習したのか?
3人のシーンはキラキラしてて、思わず微笑んでしまった。
思春期の女の子があのように感じてしまうのは分かるし、無自覚に人を傷つける発言をしてしまうのも分かる。
これまであったドラマとかだと、街の大人達に見られて、要らぬ詮索で騒がれて、となる所をうまくまとめて、嫌なものにならずに進めてるな、と思った。
美しく幸せで残酷な傑作。
吃音をもつ少年のフィギュアスケート選手である美しい少女への純粋で一途な恋を、少女のコーチである青年を絡めて描いた傑作です。
物語前半の多幸感は本当に素晴らしく、美しい雪国の風景の中で楽しそうにしている三人や恋する少女に追い付こうとスケートリンクで必死にでも楽しそうに練習する主人公の男の子を観ていると映画を鑑賞している私自身も幸福感で一杯になりました。
凍結した自然の湖でthe zombies の「going out of my head」をBGMに戯れる三人の描写には幸せ死にするかと思いましたよ。
しかし、物語後半は一転しある出来事のせいで悲しく寂しく残酷なお話しになって行きました。やっぱり女の子の方が成熟が速いのでしょうか?あれは大人の恋心だと感じました。全く成長するって事は…。
ラストシーンの切れ味も最高です、エンドロールのハンバート・ハンバートの主題歌も素晴らしい!吃音を伝えたい事が多過ぎて大き過ぎて言葉が出ない事だと映像と歌詞で表現するなんて美し過ぎますよ。
男の子はフィギュアスケートの靴を両手に抱えて少女と再会しました、コーチの予言した通りこの二人は将来日本一のペアとなる事でしょう、これが私がこの素晴らしい映画から受け取った楽観的過ぎる私のラストシーンです。
雪景色だけど暖かい、その分切なさが際立つ
寒い雪景色なのに暖かさを感じる絵作りに、冬嫌いの自分だけどこんな冬なら好きになれそうなんて思ってたら…なかなかほっこりとは言えない、世知辛いなぁという感じの作品。
暖かさを感じるシーンが多い分、終盤は描写以上により切なさが際立つ作品だった。
「吃音症」
男の子のタクヤは吃音を持っているけど、そこはそれほど重要ではなかった気がする。
音読では人より緊張したり、吃音のせいで引っ込みがちではある感じだけど、吃音じゃなくても、音読苦手だったり大人しい子はいるだろう。
劇中だとそれほどそれが原因で仲間はずれにされているとも思わなかったけど、そういうのはあえて描かなかった感じなのかな?
家庭的にも父親も吃音っぽいので、家庭も一応は居場所がちゃんとある気がする。
「スケート靴」
単純に知識がなかっただけだけど、フィギュアスケートの靴とアイスホッケーの靴って違うんだなぁと。
そりゃそうかとは思ったけど、体重のかけ方とかそういうの意識ないとちゃんと滑れないくらいには違うものなんだなぁー
「氷の湖でのシーン」
このシーンが最高だと思えるシーンはたくさんあった気がするけど、そこでの人たちの表現なんか含め自分はコーチの荒川が気分転換?親睦を深めるため?に連れて行った氷の湖での3人のふれあいが最高だった。
さくらはペアでの競技の練習ホントは嫌だったりするのかなとも思ってたけど、あのシーンみたら(その前の室内の練習の時からすでに)なんだかとても楽しそうで、提案された時こそ煮え切らない感じの表情だったけど、
ペアで、いやあの3人での練習をすごく楽しんでるように思えた。
またコーチの荒川もなんだか暗そうな人の第一印象だったけど、子供たちとの年齢差を感じさせないような、お茶目で遊び心ある人なんだなぁと思えた。
「だれも悪くないと思うけど、離れてしまう」
上記のような最高にほっこりするシーンがある反面で、シーンとしてはほんの些細なとも思えることでそれが崩れてしまう。
ある意味タクヤは振り回されてしまったような気もするけど、タクヤは自分が原因かな…なんて考えたりもしている。
さくらの抱く感情も年齢的にまだ子どもではあることを考えると、間違っているとは言い切れないかなと。すっと受け流せる同年代の人もいるだろうけど、現代においてそれはまだ難しいのかも。
そして一番しんどいのは荒川コーチだろう。決して悪いことをしたわけではないからこそ、こちらとしてもこういう結果はとても悩ましいし悲しい気もする。
「最後タクヤはなんて言ったのかな…」
ラスト久々に再開したタクヤとさくら
タクヤが何か言おうとしているところで、終わってしまうけど、なんて言おうとしたんだろ?普通に「久しぶり」とかかな?
「総括」
タイトルの僕のお日さまだけど、メインの3人にとってそれぞれがそれぞれのお日さまだったなぁと思う。ある種の3角関係みたいな。きっとそれはとても良いバランスの三角だったんだろうな。
またお日さまをタイトルに入れてあるのに劇中で使用されるのは月光なのも意味ありげな気がする。
ポスターや予告から受ける暖かさは十分に感じ取れる作品なのだけど、
終盤の世知辛さはそんな温かさがあったからこそ、感じ肌寒さのようだった。
劇中では春になるのにね。
風景もストーリーもすべて美しい
三人三様の恋心が交錯しながらも氷上に集まり美しく昇華していく様が静に描かれている。
北海道の風景と相まってとても美しい作品だった。
あと子どもたちのピュアな表情もとてもよかった
あの頃のこと
風に雪が混ざってきて初雪が降る
一晩で辺り真っ白になる
今はもうあまり積もる事のなくなった田舎のなつかしい思い出
今から思えば雪の降らない土地に引越した時のホームシックの治らなさは雪が関係していたのかもしれないな
とか考えつつタクヤの言おうとした言葉を想像します
よく選ばなかった方の道に思いを馳せるけど
みんなそれぞれ前を向いて進んでいて良かった
監督の2作目を何年も楽しみに待っていたので
終わってしまったのかと少しさみしい気持ちにもなったが
今夜心の中のおひさまを反芻して明日からまた
おいしい肉まん
草野球も草アイスホッケーも苦手な吃音ボーイが、フィギュアスケートガールとアイスダンスを学ぶことになる話。
ホッケーの試合後フィギュアスケートの練習をするさくらに心奪われて、そしてステップのマネごとをしていたところをコーチに声をかけられて巻き起こっていくストーリー。
恋心ってことだけれど、フィギュアに興味が湧いただけ…ってことはないよね?
そしてフィギュアガールにと共に滑りはじめ、コーチを含む3人の交流が始まって行くけれど、爽やかでとても良いですね!
コーチの私生活を見たさくらの心境よ変化は、大人の男の自分からみたら寧ろ自分には関係ないし、そういう目を向けられないから安心なんじゃ?と思ったけれど、中学生にはそうはいかないのか…。
せっかく良い感じの作品だったのに、母親が騒ぎ立てたりとか、やっぱりアイスダンスは納得いかないとかがあるならまだしも、なんだか釈然としない展開だし、そのまま終わってしまってモヤッとした。
画質と内容が相俟って─
なんであんなビデオ映像みたいな白っちゃけた画質なんだろう・・・画角もスタンダードな感じだし予算削減の弊害・・・そもそも低予算の作品なのかもしれませんが・・・など勝手に決めつけて文句たらたらに見始めましたが、終わってみれば、すごーく優しーいく作品に包み込まれて浸りきっていた自分が─・・・なんか作品の変な終わり方でようやく我に返ったという─・・・
トータル的な雰囲気で作品が完成されていた印象で、非常に良かったです。じんわり笑えるし、ジンワリくるし、じんわり癒やされるし、意外とというか評価どおりの秀作でした。
牧歌的なロケーションで静かに時が流れる感じ、内容もジワジワ盛り上がっていく感じで、すんなりと行かず色々と考えさせられる─ほんのちょっとだけ─、でこの作品タイトル、めっちゃ融合しまくった感じがして、今更ながらにニンマリとしている次第です。不自然に絡み合うナチュラル感?まぁ矛盾したら表現かもしれませんが、きめ細かさを感じる演出もまた素晴らしいです。音楽とか、季節とか、電車や自然や動物、家族とか友達とか音響とか、キャッチボールとか─とにかく素晴らしかったです。
セリフが少ないので想像力を働かせて
吃音があり話すのが苦手、運動も苦手な男の子が、フィギュアスケートの練習をする女の子にあこがれてスケートを始める話。
とにかくセリフが最小限。特に女の子はほとんど喋らないので彼女の心のうちは想像するしかない。
序盤から不穏な雰囲気を出しているが、中盤までは順調に話が進み、なんだみんないい子じゃん!
…からの終盤にどっかーん!
そりゃ、その年の女の子ならそうなるかー。
終わり方もそこで終わるかーって感じでした。
すごく映画的な映画。文学的な映画が好きならオススメ。
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