ドライブアウェイ・ドールズ

劇場公開日:

解説

兄ジョエル・コーエンと「ファーゴ」「ノーカントリー」など数多くの作品を手がけてきたイーサン・コーエンの初単独監督作品。ドライブに出かけた2人の女性が、謎のスーツケースをめぐってさまざまな事件に巻き込まれるコメディドラマ。

日々の生活に行き詰まりを感じたジェイミーとマリアンは、車の配送(=ドライブアウェイ)をしながらアメリカ縦断のドライブに出かける。しかし、配送会社が手配した車のトランクに謎のスーツケースがあるのを見つけ、その中に思わぬブツが入っていたことから、スーツケースを取り戻そうとするギャングたちから追われるはめに。さらにジェイミーの元カノの警察官や上院議員までも巻き込み、事態は思わぬ方向へと発展していく。

ジェイミー役を「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーガレット・クアリー、マリアン役は「ブロークン・ハート・ギャラリー」「ハラ」などで主演を務めてきたジェラルディン・ビスワナサンが演じた。そのほか、ビーニー・フェルドスタイン、ペドロ・パスカル、マット・デイモン、マイリー・サイラスらが顔をそろえる。

2024年製作/85分/PG12/アメリカ
原題または英題:Drive-Away Dolls
配給:パルコ
劇場公開日:2024年6月7日

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(C)2023 Focus Features. LLC.

映画レビュー

4.5この主演コンビをいつまででも見ていたい。

2024年6月30日
PCから投稿

いつも不機嫌顔で杓子定規、なかなか自分の殻からでられない主人公を演じたジェラルディン・ビスワナサンが素晴らしい。この素っ頓狂なロードコメディにあって、常識を突き抜けるお騒がせ娘に扮したマーガレット・クアリーが物語を先へと進める推進力であるなら、受けの演技で作品のユーモアと観客をつなぐのはビスワナサンの繊細なのに可笑しい存在感だと思う。どっかで見てると思ったら、下ネタロードコメディの快作『パッケージ オレたちの”珍”騒動』で全身を使って最高のコメディエンヌっぷりを披露していたあの俳優さんじゃないですか! コメディは監督のセンスも大事だが、やはり演者のマッチングが重要で、ずっと見ていられる俳優がいてこそ成り立つもの。ビスワナサンとクアリーを見ていて、このコンビで年一くらいで新作を作ってほしくなる。もうそれだけでもコメディとして合格な気がする。

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村山章

3.5評価は割れるだろうが個人的には全然嫌いじゃない

2024年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

冒頭の、程よくノワールでミステリアスな切れ味に、やった、懐かしの初期コーエン・テイストが帰ってきた!などと胸弾ませていると、そこから手痛いしっぺ返しが待っている。二人の親友ガールズが繰り出す自由奔放すぎる長距離ドライブ旅行には「トランクの中身はなんだろな?」的なマクガフィン要素と、執拗に追いかけてくる怪しげな男の影がいっぱい。コーエン作品の中で一、二を争うくらいおバカなストーリーでありながら、それを支える語り口と演出の確かさによって、映画はなぜか破綻するどころか、むしろ安心して見ていられる。主演のマーガレット・クアリーらの突き抜けた奮闘ぶりも快い限りだが、ラスト付近でコソコソ登場する大物俳優には多くの観客が頭を抱えてしまうはず。個人的にはこの振り切れすぎの危なっかしさは大好きだが、もしもあなたが下ネタNGならご用心を。コーエン弟を単独で解き放つとこういう結果が待っているのだと心に刻みたい。

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牛津厚信

酷暑にスッキリ

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 キャピキャピのギャルとお勉強好きの堅物女性という対照的な二人が移送を請け負って運転し始めた車には、実はとんでもない物が積まれていたという犯罪がらみのロードムービーです。

 と言うとミステリー的緊張感が漂いそうですが、そんなもの欠片もないおバカ映画でした。でも、チンコ・ギャグをはじめとする下品ネタ満載なのに、ちっともベタ付かずに軽やかで、安っぽさを全然感じさせないのは流石イーサン・コーエン監督です。ブリブリと前進するマーガレット・クアリーは痛快でしたが、抑え役のジェラルディン・ビスワナサンも魅力的でした。更に、「こんな下らない役にあなたが?」と驚くスターのチョイ役カメオ出演も効果的です。暑い日も、このバカバカしさでスッキリです。

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La Strada

3.0弟単独作

2024年8月22日
PCから投稿

ジェラルディンヴィスワナサン見たさで。
タミル人の血が入っているそうだがアラブ世界の気配。お目目ぱっちりでぽちゃ。Melissa Barrera似の今世紀を勝ち抜ける濃厚めりはり顔だと思う。コメディに親近性があり目を見開くとそれだけで楽しかった。

加えてエレガントなマーガレットクアリーと白湯なビーニーフェルドスタインが出ていて、コーエン兄弟監督、と思いきや、兄弟ではなく弟イーサンだけでつくった映画とのこと。

コケているわけではないが、コーエン兄弟の歴々たる品質と比べると、それなりに評価はおとした。

イーサンコーエン監督は、ラスメイヤーのFaster, Pussycat! Kill! Kill!(1965)やジョンウォーターズなどのエクスプロイテーション映画からインスピレーションを得たと語っていて、ニッチとレトロとキッチュと太テンションなトーンで映画は進む。

批評家たちの評を簡単にまとめると、筋書きと演出は不安定だが、クアリーとヴィスワナサンがじょうずなので、両論相対するところに落ち着いた、という感じ。imdb5.5、RottenTomatoes63%と36%。

おおよその評価どおり、明らかに騒々しいエネルギーがあり、ふたり(クアリーとヴィスワナサン)は魅力的だが、正直さほど面白くはなかった。w

コーエン兄弟の特徴は常駐する恐怖感と、強烈な濃度のスリラーorコメディだが、ここでは濃度を性欲へ振っていて、ユーモアや不条理は子供っぽい。B級映画へのトリビュート色が強い映画だったように思う。

とはいえマーガレットクアリーの強テキサス訛りとふしだら演技は巧かった。ここのクアリーはワンスアポンアタイムインハリウッド(2019)で彼女が演じた明るく向こう見ずな蓮っ葉女を彷彿とさせる。愛らしく淫奔だが、ちっとも色気がなかった。w

追跡ロードトリップになっているが、スリラーが怖くないのでコメディもあまり跳ねない。盛ったセリフが多く、つねに跳ねようとするキャラクターだが、遊び心が脚本家の目当てよりも遊ばなかった。それでも役者たちはそれぞれの魅力を発揮するし、短尺も救いだった。

ジャームッシュのThe Dead Don't Die(2019)のレビューに「はじめてコケたジャームッシュの映画」と書いたが、この映画はあの脱力と似ている。The Dead Don't Dieはジャームッシュの空気感を知っているならそれなりに楽しめる。これも70年代辺りのB級映画の素養があれば楽しめたのだと思う。

兄ジョエルだけでつくったのがAppleTV+のThe Tragedy of Macbeth(2021)であり、弟イーサンだけでつくったのが本作ということになる。
かえりみて、片方がいないと片方がいないなりの映画になっていることは、興味深かった。たわむれに兄弟(コンビ)で映画をつくってきたわけではないことが解るからだ。

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津次郎

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