ルックバックのレビュー・感想・評価
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『ルックバック』したことで気づく絆と成長
2025日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品に輝いた本作。小学校時代から、漫画家を目指してきた2人の少女の青春群像劇。自分の娘も漫画家をしており、高校時代からいろいろな作品投稿をし認められ、集英社からこれまでにも何冊かコミックも出している。しかし、コロナ禍となり、思うように絵が描けなくなり、一時は挫折し、この世界の光と影を味わってきた。今は、背景アシスタントをやりながら、復活を目指して頑張っている。
そんなことで、本作に登場する漫画家を目指す藤野と京本2人の、漫画にかける想いだけでなく、様々なシーンがオーバーラップしてきた。絵を描く部屋や同じスケッチブックが積み重なった様子、当初は、ペンで描いていた原画を今はパソコンで描いている作業、そして美術大学進学か漫画家の選択等、実際に娘の成長を通して、目の当たりにしてきたことである為、より感情移入ができた作品でもあった。
原作は未読だが、『チェーンソーマン』の藤本タツキの作品と言うこと。きっと彼も漫画家を目指した頃の思いが、この2人の姿に投影されているのだと思う。個人的には、京本から「藤本先生の大ファンでした」と告られた後、雨の中、泥水も気にせずに、小躍りしながら家に向かうシーンは、藤野が気持ちの高揚を抑えられない様が、見事に伝わってくる描写だった。また、ジャンプの賞発表を、雪のコンビニに藤野が京本の手を引いて向かい、自分達の名前が掲載されていた時のシーンは、派手な喜びではないが、確実に嬉しさが染み渡るシーンだと感じた。
そんな中、連載が決った時、京本が美術大学進学を選んだ理由として、引きこもりだった京本が、これからの人生を自分で切り開き「藤野に頼らなくても生きていきたい」という、切実な思いが込められていたように思う。一方、京本の才能に最初から気づいていた藤野だからこそ、これまで常にマウントを取っていないと不安だったが、京本の大学進学が、藤野を漫画家として独り立ちさせる後押しになったとも感じた。
ラストには、意外とも言える悲しい結末が待っており、そこで初めてタイトルの『ルックバック』(回想・振り返り)の意味合いの重みも増してきた。そして、卒業式のあの日、藤野が何気なく描いた4コマ漫画が、バタフライ・エフェクトとして、その後の2人の人生に、大きく左右する発端である事が意味づけられる展開は、作者のストーリーテラーとしての巧みさを感じた。
泣くしかない、だけど進むしかない
映画館で見ればよかった
こういう展開にならない世界線も観てみたかった。と思ったら
尺は短いけど心に沁みる良作
大いなる人間讃歌を感じる話
感想
大評判の作品。気になっていたがやっと観れたー。
だけど私はアニメファンではない。ただの映画好きだ。しかし、
人が想いを馳せその先の目標に向う姿。
さらにひたむきに何かに取り組む姿。
一心不乱にのめり込む。
絵が上手くなりたい一心で描き続ける。
描き続ける。描き続ける。描き続ける。
描き続ける。
とにかく描く。それでも描く。描き続ける。
描き続ける。
描き続けるー。
一つのことをやり続ける事。どんな事でもやり続け、その事を極めた者だけが見ることの出来るその先の景色。
真摯に真面目に取り組んで創るからこそ、そこには人が感動する何かが必ず生まれる。
真摯に真面目に。悶え這いつくばりながらー。
それでも描き続ける。
一心不乱に取り組んでいるからこそ、生きる意味を意識し、喜び、悲しみ、苦しみを実感することが出来る。そこから搾り出された様々な想いが作品として反映され素晴らしい絵になり、漫画となり、更にアニメーションになり、そして映画という総合芸術作品となっていく。
その最も基本的で重要な、且つ熱量を持って創造する事の意味ときっかけとなる原点を再び思い出させてくれる作品がこのルックバックであると感じた。
原作・演出・脚本・音楽全てがバランス良く配合され其々が素晴らしい作用をもたらしている。本質論をダイレクトにかまされた感じで鑑賞後清々しい程に気持ちが良い。手塚作品以来久しぶりに見るカットなしロングで手描きにこだわりを見せたオープニングの夜景全景から天地逆となり上空から地上の建物へ俯瞰される多次元的なシーンや机上の4コマ漫画へのズームシーン、そして(秋田鳥海山?)季節毎の変わりゆく美しい風景。藤野歓喜の躍動と激走など数々のシーンに制作者の真摯で真面目な気持ちが伝わってきて素直に驚き感動した。
また、藤野と京本双方がお互いを思い遣る気持ちが二人が初めて出会った場所(京本の部屋の入口の扉)に於いて現在の世界線とは別の(世界線って複数あるのか)世界線で生きる京本へ繋がるワームホールポイントである話が亡くなってしまった者へもう一度会いたいという気持ちが強くあるのだという事を観るものに印象深く感じさせ涙を誘う。京本の部屋の中で後を振り返ると藤野が初めてサインをした褞袍が!
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私自身は今までノールッキンバックの精神で人生を生きてきた。その生涯も半ばを過ぎる頃には様々な社会的、身体的ハプニングが起きたりして、時間的停滞による生活の変化や気持ちの変化が現れて迷いを生じさせることもあった。しかし人生をルックバックすることで自分の原点は何だったのか、置いてきた大切なものはないか、忘れていることはないか。を本当に今一度再確認する事も悪くない!と本作を夜中にひとりで観て力を与えられたような気持ちになり感動し、人間の行動の素晴らしさを大いに賛美しその登場人物達に自分の人生を重ねて共感したのだ。
制作者の皆様へ、素晴らしい作品を創造していただきありがとうございました。本作を鑑賞して素直に生きる希望を与えられた気持ちになりました。ありがとうございます。
歴史的大傑作の予感 ⭐️5
食わず嫌いは勿体無い
アニメ見ない、興味ないという人にも是非すすめたい作品。
1時間だし軽く観れるかなと思いきや、中身はぜんぜん軽くなかった。
とても濃厚な1時間だと感じた。
声優を務めたお二人も良かった。
河合優実さんが出演する作品って本当に良い。
私の中では今のところハズレなし。
あぁなんという素晴らしい映画を
2時間以上に感じる58分
本作はめちゃくちゃ素晴らしい映画です。
本作を見た人のほとんどは長く感じ、たった58分の映画とは思えなかったと思います。
何故実際は短い映画なのに長く感じるかと言うと、映画内での時間の経過の表現の仕方が非常に上手いからです。
ただブツ切りに時間を経過させるのでは無くて視聴者も一緒に作中人物と一緒に時間経過した気にさせるからです。
こんな映画は他には無いです。
キャラクターの表情も素晴らしいです、他の映画だと登場人物の感情を分かりやすくセリフで表現しがちですが、この映画は表情だけでも痛いぐらいその感情が伝わってきます。
スティーブンスピルバーグは「面白い映画は音声を消しても面白い」と言っていましたが、この映画は実際に音声を消しても面白かったです。
音を消しても表情で感情が伝わるのです。
これはアカン!
文芸映画並
1時間映画なのにハンパない
1時間で完成されたドラマティックストーリー
まさか見られるとは思わなかった。胸が熱くなる。藤野は最後まで、京本...
まさか見られるとは思わなかった。胸が熱くなる。藤野は最後まで、京本に嫉妬したことを話さない。空手のラストシーンはそれこそ漫画の夢だ。背中の凶器も含め。大事なコミュニケーションが4コマ漫画でやり取りされるのも素晴らしい。出なかったら死ななかっと嘆く気持ちもわかる。
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