「"今"を映し出す時代劇」室町無頼 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
"今"を映し出す時代劇
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通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読。
室町時代末期。疫病が蔓延し、飢饉も重なったことで死者が続出している京の都。その様は今に通じているように思う。
コロナ禍を経て社会は変容した。物価高で様々な品の価格が高騰し、政治は混迷を極めまくり未来に希望を持ちにくい。
映画は時代を映す。「民のために使わないで、なんのための税だ!」。拍手をしたくなった。全くその通りだと思った。
民が蜂起し権力に立ち向かう。心が奮い立つような高揚を覚えた。兵衛たちが一矢報いた瞬間、留飲が下がりまくった。
当時の民衆は、自分たちの手で今を変えなければならないと行動した。その姿は爽快だし、勇気をもらえた気がした。
[余談]
長尾謙杜のアクションに瞠目。ここまでやっているとは正直予想外で、人外な動きを可能にしている彼の身体能力の高さに惚れ惚れとした。琵琶湖畔での釘打ち修行からメキメキと腕を上げていく様は、長尾謙杜の俳優としての成長ドキュメンタリーを観ているような感覚に陥らせ、気づけば心の中で声援を送っていた。集大成となるクライマックスの長回しアクションに興奮を禁じ得ない。彼の素早い動きに追随するカメラワークが躍動感を演出し、六尺棒を振り回し敵をバッタバッタと薙ぎ倒す長尾謙杜を勇壮に映し出していて見事であった。今までの時代劇には無い斬新な映像とアクションに血沸き肉踊った。
[以降の鑑賞記録]
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