「ソーはなぜ泣いてた?」デッドプール&ウルヴァリン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ソーはなぜ泣いてた?
TVドラマ『ロキ』を観ておいて良かった。どこでもドアみたいな半透明のドアや時間変異取締局(TVA)の描写、「剪定」などの用語、そしてTVA職員のB-15の活躍もすんなり受入れられました。『ロキ』ではロキの変異体(特にワニ)が面白かったけど、このデッドプール版でも同様、変異体デッドプールが見どころの一つ。どういう時間軸でワニになったのかはわからないけど、今作でも犬になっているのが笑えるところ。
様々なヒット曲が使われているのはMCUの中ではガーディアンズシリーズが抜きん出ていたけど、デッドプールシリーズも侮れない。台詞の中にじゃんじゃん飛び交う他の映画のネタとともに映画の主題歌が多いのも特徴の一つだと思う。今回はマドンナの「ライク・ア・プレイヤー」がメインでしたが、ちょいと心揺さぶられたのが『グリース』(1978)で使われたジョン・トラボルタとオリビア・ニュートンジョンの「愛のデュエット」♪
序盤からウルヴァリンの墓を荒らすという不謹慎なシーンやディズニーがフォックスを買い取った話を観客に語りかけるように進む。そしてハッピー・ホーガンにアベンジャーズ加入のための面接を受けるウェイドのシーン。MCUの作品に加わる意気込みを感じるのです。フォックスをバカにしたような台詞や虚無の世界(ヴォイド)に埋もれている20世紀フォックスのロゴ・・・だけど、エンドロール時には数々のマーベル・フォックス作品の映像が流れリスペクトしているのが嬉しいところ。
そんな流れで、仲間となる『LOGAN』とは別の時間軸のローガン=ウルヴァリンやローラ=X-23、『ブレイド』のブレイド、『デアデビル』のエレクトラが嬉しい。時間軸の分岐も多いだろうから本物かどうかも怪しいけど・・・とにかく神聖時間軸、MCUのアース616を陰惨な運命から守ることが彼らに課せられたミッション。最大のヴィランはチャールズ・エグゼビアの双子の妹カサンドラ・ノヴァ。「アベンジャー、アッセンブル!」が聞けるかと思いきや、キャプテンアメリカだと思っていたクリス・エヴァンスが実は『ファンタスティック・フォー』のジョニー・ストームだったというネタもいい。観てるこっちも騙されちゃったけど、よく見ると4の文字がしっかり描かれてた。
マルチバース批判の台詞もあったように思うけど、やっぱり面白い。時間軸が違うとこれだけ変わるんですね。よくわからなかったけど、ウェイドの恋人ヴァネッサに新恋人が出来ていたという事実。前作でケーブル(ジョシュ・ブローリン)のタイムマシンを使って生き返らせたけど、6年も経っていて中古車販売をしていたことから、サノスの指パッチンでやられたって可能性もあるのかな?アースが違うから不明。
とにかくMCUが大好きな人向け作品だとは思う。特にX-MENもファンタスティック・フォーもMCUの仲間入りするオープニングと言ってもいいのかも。また、20世紀フォックスでのマーベルヒーローも今後複雑に絡んでくるのだろうから、楽しみが増えました(キャラの名前は覚えきれません!)。そして、ソーとデッドプールの関係も気になってしょうがない!