燃えるドレスを紡いで

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燃えるドレスを紡いで

解説

パリのオートクチュール・コレクションに日本から唯一参加し続けているファッションブランド「YUIMA NAKAZATO」のデザイナー・中里唯馬に密着したドキュメンタリー。

ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミー卒業後、2009年に自身のブランド「YUIMA NAKAZATO」を設立した中里唯馬。翌年にはパリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、その後も継続的にパリで作品を発表し、コレクション等で数々の世界的アーティストとコラボレーションしてきた。

国内外の映像界で活躍する「生きてるだけで、愛。」の関根光才監督が、別の企画で中里と意気投合したことをきっかけに、1年間にわたって密着取材を敢行。「生み出された衣服はどこにいくのか」という疑問の答えを求めて“衣服の最終到達点”といわれるアフリカ・ケニアへ向かった中里に同行するとともに、中里のショーの裏側にもカメラを向け、クリエイターとしての葛藤や新しい事への挑戦、チーム一丸となってショーの成功を目指す姿を映し出す。

2023年製作/89分/日本
配給:ナカチカピクチャーズ
劇場公開日:2024年3月16日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
鎌田雄介
撮影監督
アンジェ・ラズ
編集
井手麻里子
音楽
立石従寛
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フォトギャラリー

映画レビュー

3.0今後の活動

2024年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

割と古着をリサイクルに出すのだが、実際は衣類の資源化は難しいらしい。良かれと思ってしていた事も却って誰かの負債になっているのかと思うと色々考えさせられる。

アップリンク吉祥寺4/19(金) 〜5/8(水)
あつぎのえいがかんkiki4/26(金) 〜5/9(木)
シネマ・ジャック&ベティ4/20(土) 〜
フォーラム仙台5/24(金) 〜 5/30(木)

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aruma-wark

これで成功と言っていいの?

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 パリのオ-トクチュール・コレクションに参加し続けている唯一の日本人デザイナー・中里唯馬さんが、環境問題に対してファッション界から新たなヒントを産み出そうとする姿を追ったドキュメンタリーです。

 まず、中里さんが訪れるケニアの廃棄物処分場の姿に愕然とします。ここには使用済みになった衣服が世界中から集められて、巨大な山脈の様にうず高く積まれています。そこへ地元の貧しい子供らが集まって来て、まだ売れそうな衣服を拾い集めるのです。こうして一日働いても200円ちょっとの稼ぎにしかなりません。世界中で製造される衣服の殆どは天寿を全うする事なく飽きて捨てられ、この山に辿り着いて子供らの僅かな日銭になるのでした。ファッション業界の頂点に立つ世界で働く中里さんは、こうして捨てられた衣服を用いて先端ファッションを生み出せないかと模索を始めます。

 様々な試みと失敗を経て、ファッション・ショーを大成功を収め、彼のコンセプトには賛辞が送られます。

 「えっ? でも・・」

と僕は戸惑ってしまいました。「大成功」と言っても彼がデザインするのは、オートクチュール、つまり一部のお金持ちの為の高級仕立て服に過ぎません。パリで絶賛され、彼の服が高く売れたからといって、ケニアのあの少年の日銭が1シリングでも増える訳ではないのです。彼のコンセプトが一流ファッション雑誌で認められたとしても、「衣服の廃棄を減らそう」との世界的な動きになるとはとても思えません。

 そんな批判は、中里さんも、本作の制作陣も承知の上の事でしょうが、それでも「ショーは成功した」と言って良いのかなぁの戸惑いは深く残りました。

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La Strada

4.0ファッション業界には1ミリも興味はなかったが…

2024年7月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

思った以上に良かった
そしてファストファッションの洋服はは天然繊維以外は買うのをやめようと思った

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moonsing

4.0「生き方」を考える映画

2024年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

ファッションデザイナーの中里唯馬は、服の着用後の服の最終地点である"衣服の墓場"として知られるケニアを訪れることから物語が始まる。

ゴミの山となるきっかけは、政府が関税を緩和する代わりに廃棄物を引き受けるという条約を結んだことによる。その結果、西洋や先進国から大量の着用不能な服が送り込まれ、安価でリサイクル不可能な素材で画一的なデザインで大量生産されている。その結果、世界中で服の供給過剰が生じ、二次流通でも処理しきれないほどの状況となり、廃棄された服はゴミの山となり、川に流され、水質汚染も進んでいる。
そこには、子供から大人までが何十年もの間暮らし、衛生環境が劣悪で飲み水や食べ物が不足している中でも、カラフルなビーズでアクセサリーを作り、装飾を楽しむ人々の姿が映像に残されていた。

かつて私も着なくなった服をブックオフに持ち込み、それらが途上国での活用を説明され、それが善意の行為だと思っていたが実際にはゴミを増やす結果となっていた。
中里氏は、150kgの古着を日本に持ち帰り、再生紙の技術を応用して繊維を再生する技術を活用して再生布を作り出した。映画では、この再生布がファッションショーで使われるまでには至らなかったが、今後、リサイクル可能な技術の研究開発が進んでいくことを願っている。

が、その技術革新と同時に、人間の生き方やマインドセットの変革こそが重要だと考えさせられる。
服屋は街に溢れ、誰もが服を買ったことがあるだろうが、ファッション業界の仕組みやデザイナーの思想に触れる機会は少ない。流行を人工的に作り出し不必要なまでの消費を促しているネガディブな側面を持つ事もある。
特に日本では”TPOに適した服装”が明確にあり、服を選ぶ際に相手視点が強くなりすぎており主観的な視点はかなり削られ、時には特には気に入っている訳でもないけどその場に相応しいから選ぶ服というのも少なくない。
さらには仕事用の服、趣味の時に着る服、女友達と会う時の服、男性と会う時の服など様々な使い分けをしている。

中里氏は、ココシャネルのように女性がパンツスーツを着用する事により女性の社会進出を促進させたように、ファッションが社会への訴えかけることや変革のきっかけとなり得ることを示唆している。
その場に適した服装を選ぶ事もとても大切で伝統を重んじる事にも繋がる場合もあると思うが、自分を表現する一つとしてファッションがあり今後自分が何を選ぶのかを考えるきっかけとなる映画だった。

#BGMがとても良かった。

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JG