成功したオタク

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成功したオタク

解説

韓国芸能界を揺るがせた性加害事件を背景に、「推し」が犯罪者になってしまったファンの人々にスポットを当てたドキュメンタリー。

あるK-POPスターの熱狂的なファンだったオ・セヨン監督は、「推し」に認知されテレビ共演も果たした“成功したオタク”の1人だった。ところがある日、その人物が性犯罪の加害者として逮捕されてしまう。“犯罪者のファン”になってしまった彼女は受け入れ難いその事実に苦悩し、同じような経験をした友人たちに話を聞くことに。

「推し活」が人生の全てだったセヨン監督が自身の過去を振り返って傷を直視するとともに、「自分は被害者なのか加害者なのか」「かつて彼を思って過ごした幸せな時間までも否定しなくてはならないのか」などと葛藤するさまざまな立場のファンの声を聞いて語り合い、その社会的意味を考える。

2021年製作/85分/韓国
原題:Fanatic
配給:ALFAZBET
劇場公開日:2024年3月30日

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映画レビュー

4.0思い出は汚点?

2024年4月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

知的

日本に限らず、韓国でも多発している芸能人・有名人による性加害。こんな外道な行いが今もなお繰り返されることはとにかく胸糞が悪くなるけど、この映画は性加害者・被害者を減らす誘因になるだろうし、ラストの『誰かを“推すこと”をやめなくていい』というオタクたちへのエールで多くの人が救われるだろうし、「成功したオタク」をきっかけに世界が少しでも変わっていくと思うと心の底から嬉しくなった。単調なドキュメンタリーだけど、作られたこと自体に大きな意味がある。よくここまでやってくれたよ...素晴らしい👏

アイドルでは無いし、インタビューを受けた彼女たちほど熱烈なファンではなかったけど、何年も大好きだった人が性加害で捕まり、失敗したオタクになった経験をしたことがある。彼もまた界隈でトップを走り続け、絶大な人気を誇っていたカリスマ的存在だったんだけど、おぞましい私生活が暴露されて逮捕と同時に引退。女性にだらしないところ、破天荒な生き方をしていた人だから驚きはしなかったけど、やっぱり悔しかった。しかもまた最近、彼が警察にお世話になったという話を聞いて、少しばかりの未練も綺麗さっぱり消えた。

性加害なんて断罪すべき行為だし、そんな奴のファンであり続けるのだって同罪。日本では映画監督に性被害、暴力を受けたと告発する人達が増えて来ているが、これに関しては一概に害を加えた人だけが悪いとは言えない。劣悪な労働環境、演者と監督間の上下関係、クリエイター達の賃金問題...。世界に認められる映画やアニメを作るエンターテインメント国家であるにも関わらず、その現状は変わらず。是非とも、日本でも本作のような映画を作って頂きたい。

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サプライズ

3.0ふーん、こういう生き物なんだって感想しかない

2024年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

宗教は「大衆のアヘン」といったのはカール・マルクスだったか。
ちょいと前に話題になった新興宗教問題とか、あとイデオロギーってのもこの手のアヘンだし、この推し活ってのもキマって酔いしれてるときは楽しいんだろうね。

こういった人々の生態が垣間見えて興味深くはあった。絶海の孤島に住む希少動物の特異な生態を紹介する科学ドキュメンタリーを観たときの感想に近い。 ただ基本的にこういうもの全般に「酔えない」体質なんで、アタマで理解できても1mmも共感はできない。酔っ払いが大詐欺している酒場に迷い込んだ体質的下戸の気分。
なお劇場の客はほとんど女性でした。

しかしこの邦題はなんとかならんかったのかね。現代名の「ファナティック」を生かした題名じゃないと意味ないな。

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ばとー

2.5映画のタイトルに不満がある

2024年4月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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チャーリー

3.5推し活だけではなくジェンダー問題でもある

2024年4月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

推し活は確実に世界を動かしていると感じることが多くなってきた。概念的なものではなく、現実の出来事として。推しの種類も多種多様だからその人その人で楽しみ方やスタンスも異なる。推し活をタイプ分けする言葉もたくさんあったりするし。
さて、この映画。推し活で有名になった女性が映画監督として、性犯罪を犯した推しとどう向き合うか、推し活をしていた人たちのインタビューを通して考えるドキュメンタリーだ。自分は、いわゆる推し活と呼ぶほどハマった人はいないが、推す気持ちがわからないわけではない。だから、映画に出てくるファンたちが話す言葉に少々驚いた。推しが犯した犯罪を許せずファンを辞めているから。大麻とかと違って性犯罪だから同じ女性として許せないという気持ちもわかる。でも日本ではアイドルやアーティストの性犯罪に馴染みがないから違和感を覚えた。だから、ファンである前に女性として考えてほしいと話すファンの言葉は、ハッとさせられてしまう。馴染みがないからだけじゃなくて、そもそも男だから性犯罪に鈍感だという可能性も否定できないけど。推し活の話なのにジェンダー問題を考えさせられるという不思議。なかなか興味深かった。
推し活って、日常が豊かになり、生きる活力をもらえるけど、こうした事件が起こってしまうと多大なショックを受ける危険性もはらんでいる。しかも、推しが犯した犯罪なのに、推していた自分が罪悪感を覚えるという危険性も。いろんな意味で日本と韓国の違いを感じつつ、それでも(違う人で)推し活を続けようとする人たちにエールを贈りたくなる。推しがいるって、それだけで幸せじゃん!と。

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kenshuchu