劇場公開日 2024年4月26日

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「面白くはないが、知らなければいけない現実」マリウポリの20日間 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0面白くはないが、知らなければいけない現実

2024年6月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

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興奮

ロシアによるウクライナ侵攻開始から20日間、東部の重要な港湾都市マリウポリの様子を記録したドキュメンタリー。
2022年2月、北京冬季オリンピックが閉幕した直後、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した。東部ドネツク州の重要な港湾都市マリウポリへも侵攻してきたので、AP通信のウクライナ人記者・チェルノフは、取材のため仲間と共に現地へと向かった。ロシア軍の攻撃によりマリウポリの東部、北部、西部は陥落し、南は海のマリウポリはまたたく間に孤立してしまい、水や食糧の供給は途絶え、通信も遮断されてしまった。海外メディアのほとんどが現地から撤退したが、チェルノフたちはロシア軍に包囲されたマリウポリ市内に留まり、戦火の人々の惨状を命がけで撮影していった。破壊されつくしていくマリウポリの姿と凄惨な現実を世界に伝えるため、撮影した映像を持ち、市民たちを後に残し、ウクライナ軍の援護によって市内から決死の脱出を図った。その数時間後ロシア軍マリウポリを完全包囲し脱出は不可能となった。
チェルノフが現地から配信したニュースや、通信が遮断された後に撮影し運び出したマリウポリ市内の映像をもとに映画として完成させた作品。

ほんの数時間脱出が遅れていたら、この貴重な映像はロシア軍に没収され全世界の人たちの目に触れない事になってい教育が行われてただろうと思うと、よくやった、と賞賛するしかない。
一歩間違えば死が待っている戦場カメラマン?記者?という職業は、死と隣り合わせなんだとよくわかった。撮影した映像は、公開されては不都合な側からしたら絶対奪いたい物だろうから、なんとか持ち出せて、こうして映画として公開でき、劇場で鑑賞できた事に感謝したい。
決して面白い作品では無い。しかし、観なければいけない、知らなければいけない、そんな作品だ、と感じた。
そして、現在のマリウポリはどうなっているのだろう?ロシアの掌握が続き、ロシアの領土として統治され、ロシアの教育が行われているのだろうか?
現在もウクライナの悲しみは続いているのだろうと思った。

りあの