シャーリー・チザムのレビュー・感想・評価
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挑戦する姿勢と繋がれる意志
事前知識なく観賞したので、まずはこんな人が50年前にいたのかという驚き。
彼女の存在や活動が後世にもたらした影響は計り知れず、
意志を貫き有言実行、周囲を巻き込む力に感銘を受けました。
家族や仲間たちとの関係の描き方も誇張し過ぎずリアリティがあり、黒人女性が選挙で勝とうとすることの過酷さやそれにより失うもの・得るものなどが伝わってきます。やっぱり演説シーンは胸を打ちますね。一票の重み、国民のための政治であること、現代にも通じる想いに共感。
かなり真面目な伝記映画ですが、本作を通してシャーリー・チザムという女性を知ることができて良かったです。
パワフルな人がいたから大きな国になる
アフリカ系アメリカ人女性として初の米連邦議会下院議員となり
大統領指名候補者予備選挙に民主党としては初めての黒人かつ女性候補として
出馬した人の物語。
勉強不足か初めてこの人を知りました。
パワフルな人だったんですね。
アメリカにはこういったパワフルな人がいたからこそ
ここまで大きな国になったんでしょうか。
レジーナ・キングはこのシャーリーという女性を
大胆かつ繊細に上手く演じていたと思います。
何かを変えるそのきっかけ
シャーリー・チザム。
黒人女性として初めて米連邦議会下院議員となり、1972年の大統領予備選に出馬。
初めて知った者としてはそう説明するしかないが、ただそう括られるのは本人にとっても不本意だろう。
黒人だから、女性だから、初めてだから…何も自分の名を歴史に残したかったんじゃない。
何かを変える。そのきっかけ。
ただただ、それの為に。それがシャーリーを突き動かす。
とにかくシャーリーの人物像に尽きる。
議員一年目。不本意な役職に就き、議長に直接会って不満を訴える。
大統領予備選に出馬。言うまでもなく、黒人女性として初。異例中の異例。
周囲が問う。何故出馬する? 何故大統領を目指す?
中には思い止まらせようとしたり、辞めさせようとしたり、明らかな偏見も。
それに対しシャーリーは言う。
黒人女性だから…というのは理由にならない。
物怖じせずズケズケ言う性格でもあり、こうも言う。
何故大統領は白人の中年男性ばかり? 政治や会社や社会の高い地位にいるのは何故白人の中年男性ばかり? 何もかも白人の中年男性、白人の中年男性、白人の中年男性、白人の中年男性…。
そんな偏った社会を変え、誰もが目指せる、出来るという事を身を持って示したかった。
人種差別主義者で知られた政治家ジョージ・ウォレス。シャーリーとは政敵。ある時ウォレスが撃たれる。シャーリーは一命を取り留めたウォレスを見舞う。政敵を見舞うなんて…陣営や黒人同胞から非難の声。
劇中では言われてないが、Wikipediaによると、「あなたに起きた事を誰にも起きて欲しくない」。それを聞いてウォレスは泣き崩れ、シャーリーを支持するようになったという。
ただ政略か一人の人間としての優しさ気遣いかその意図は分からないが、大胆な行動。
重要なTV討論会。直前になって、シャーリーの出演が無くなる。基準を満たしていないとのTV局側の言い分だが、明らかな差別。
屈してなるものか。TV局を訴える。そんな行動に出たのもシャーリーが初。
はっきり言って勝算はナシ。それでもやる。やった事によって何か形跡を残せる。
世の不条理に泣き寝入りせず、断固として立ち向かう。
元々教育者であったシャーリー。
理知的な考え。はっきりとした意思。見ていて痛快なくらい。
前例ナシは必ず非難を浴びる。いつの世も先駆者の姿は勇ましい。
レジーナ・キングが快活に体現。
シャーリーの性格やレジーナの熱演が本作を表しているかのよう。
実在の政治家の伝記映画ではあるが、重苦しくなく説教臭くなく、生い立ちからだらだら描いたりせず、大統領予備選出馬に焦点を絞り、思ってた以上に見易い。
陣営も好サポート。
テレンス・ハワードや故ランス・レディック…。
若い女性スタッフのバーバラ・リーは、現在下院議員。シャーリーとの出会いがきっかけだったという。
黒人スタッフが多い中で、唯一の白人青年のルーカス・ヘッジス演じるロバート。人種関係なくシャーリーを尊敬し、TV局訴えでは奮闘。
シャーリーを支え、尽くす夫。深い愛情で結ばれていたが…、次第に溝が。
関係が揺らぎ始めたのは、シャーリー襲撃事件。白人男がシャーリーを殺そうとした。
この時夫は側にいてやれず、助ける事が出来なかった。
幸い周りのスタッフが男を取り押さえ、シャーリーにも怪我は無かったが、あの時あなたは何をしていたの…?
強く逞しいシャーリー。
しかし初めて身の危険をまじまじと感じ、さすがにショックを受ける。
言葉や世の反応で差別偏見は聞いていたが、それを実際に体験。
映画で襲撃を受けたのはこのシーンだけだが、実際は何度もあったという。1970年代、差別偏見はよりもっと深刻だった。
敵は白人や差別主義者だけではなかった。
同じく政治の世界に身を置く同胞からも…。
黒人政治家として票を独り占めしたい。その為にシャーリーを撤退させようと。
その代わり後々充分な支援を約束するが…、口先だけ。
なかなか票を集められなかったシャーリーだが、風向きが変わってきた。支持や票も増えてきて、ライバル陣営と立ち向かえるほどに。
本当に大統領を目指せる一歩。
…ところが、まさかのある裏切り。
シャーリーが大統領になるまで…だったらサクセス・ストーリーやアメリカン・ドリームだったが、実際は誰もが知る所。
初の黒人大統領はオバマ。それどころか、女性大統領すら未だ誕生していない。
奇しくも今年は大統領選。今の所トップで争っているのは、白人のジジイとジジイ。
アメリカはいつまでもこうなのか…? 変わらないのか…?
日本も然り。
シャーリーが切り開いたきっかけ。
その道を行き、続く者は確かにいる。
いつかは分からない。
が、シャーリーが目指した変革を信じて。
さよならランス
OP、記念撮影からの導入で掴まれる。
戦いの始まりだ。
大統領選の闘い、
yes we canの、
始まり、、、通過点か。
シャーリーは勝った、
何に?
妹との電話、
そして、
後に続いた人たち。
試合には負けたが、
勝負には勝った、
勝ち負けよりも、
しなやかな前進のシナリオだ。
コールジェーンもそうだったが、
闘う人の邪魔をする人も多いが、
協力する人も多い、
そこで交わされたであろう言葉、
地に足が着いたセリフは、
そこでしか生まれないような気にさせる。
どんな言葉を使うのか。
蛇足に飛びます。
ランス・レディックの締まった芝居が観られるのは、
残るはケイン号の叛乱とジョン・ウィックのスピンオフの2作品になるのかもしれない、、、残念、
お疲れ様でした。
【蛇足】
参考までに、
ニッキー・ヘイリーのXを、
半年フォローしていた。
残念ながら撤退してしまったが、
なかなか健闘していたような気もするが、
そんな事もなかったのか、
はっきりとはわからない。
膨大な量のポストに反応している人は多かった。
シャーリーが始めた事は、
まだまだ継続されているのかもしれない。
政治は駆け引き…
黒人で女性という、今より社会的地位が低い立場から大統領を目指すという、誰もが無理だと思う中で声を上げたシャーリー・チザム。彼女の独善的な物言いに振り回されながらも、彼女を信じ、付いていく陣営。やはり夫とは別れてアーサーと再婚したんだなと思ってしまった。彼女が動いた、一石を投じたことはその後の女性の政治参画に大きな影響を与えたんだろうと思うのだが、やはり政治は駆け引き、パワーゲームと思うエンディングだった。
アメリカの選挙が理解できない。 また、この女性代議員の詳細も知らな...
アメリカの選挙が理解できない。
また、この女性代議員の詳細も知らない。だから、コメント出来ない。
日本の事を話そう。端的に結論を申し上げる。日本の選挙制度は変えるべきである。
これだけ、ネットが発達しているのだから、選挙区制度は止めるべきだ。また、選挙を義務にすべきだ。但し、無効するのも認める。
なんて、すれば大分民主的になるんじゃない。まぁ、今世紀中には大日本帝國ジヤ無理か♥
鑑賞していて一つだけ
にっちもさっちもいかなくなった黒人女性代議員としての彼女だが、その彼女が一言漏らす『白人の女性はどこにいるの?男性でも黒人はどこにいるの?』と言う言葉だね。この思い込みが彼女を駄目にしているって事で、冷静に見れば、白人の男性が支援してくれているのに、黒人の妹に罵声を浴びせかけられる。
兎も角、大韓民国の従軍慰安婦問題になぜ日本の女性が賛同できないかずっと疑問に思っていたが、なんとなく答えが分かった気がした。
しかし、アメリカの二大政党制には疑問が残る。白黒じゃなくて、カラーの時代。しかも、カラーの時代って言う事自体が古い概念。白黒赤黄 肌の色だけでもたくさんあるわけだからね。
ジョージ・ウォレスか。思いだした。そんな事あった。あった。
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