ビニールハウスのレビュー・感想・評価
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ビニールハウスと言うより軍用テント
暗い!暗いよ!観ていてしんどかった。出てくるもの全てが不安定で不安感いっぱいだし、とても居心地が悪い。老いも家も仕事も親子もメンタルも犯罪も全てが脆くて、実際一つ崩れて行くことで、全てが崩れていく。もうね、どういう気持ちで観たら良いのか、そしてどういう気持ちでこの映画を撮ったのか…割と救いのない映画なので、メンタル整ってる時に視聴した方がいいかも。ただキム・ソヒョンのやつれた色気は、妙にグッとくるものがあるぞ(笑)
Wisdom
キャッチコピーはアレですが、介護の闇を描くのかなと気になって鑑賞。
一つのズレがやがて大ごとになっていくという感じの作品ですが、介護や障害にもフォーカスを当てて、それらが基本的に悪い方向へと進んでいってしまうのが今作の特徴だなぁと観ていて思いました。
夫婦を介護してる女性が奥さんに悪態をつかれたりするシーンは観ていてこれリアルの方がもっとキツいんだろうなと考えてしまったり、胡散臭い集会の人に懐かれたら実際はもっと面倒なんだろうなと思ったり、現実に近い感じで作品を描いているのもあって、淡々としていましたが、エンタメには見られない陰鬱さがあって良かったと思います。
途中、介護してる奥さんを事故で殺してしまってから事態は一変するんですが、ここまで意外と長いのもあってやっとかと思ってしまいました。
そこから自分の母親を身代わりにしてやり過ごす日々が続くんですが、なぜかうまいことすり抜けれていましたし、身代わりの面白さはそこまでなかったかなと思いました。
ラストシーンこそ中々にインパクトがありましたが、どうもそこまでの道のりがゆったりだったのもあって、あの燃え盛るシーンの哀愁にうまく浸れなかった感じがありました。
題材こそ良かったものの、不幸だらけだと観ているこちらもズシーンと気が重くなってしまうなと思いました。エンタメって難しいです。
鑑賞日 3/19
鑑賞時間 17:55〜19:45
座席 F-3
韓国の社会問題
韓国映画だしクオリティ高いだろうと、すごく楽しみにしてた作品で、
目をバッキバキにして、どうなるか推理しながら観てたけど、少しビミョーかな?と思ってたら…
やっぱ、すごいわ(笑)
点と点が…
まるで映画みたい…
いや映画なんですよ、これは…(笑)
あんま言うとネタバレなんで、あまり言えません(笑)
韓国では実際に、ビニールハウスに住む人がリアルにいて社会問題になってるらしい…
考えさせられるモノあり。
評価は、少し甘めの4つ星。
負のスパイラルが強すぎて…
全てがマイナス面へとひた走る人間劇。老老介護にボケに障害者にといろいろ現実的な問題が提起されて見応えはあるんだけどツッコミどころも多くラストも想像にまかせますな展開がイマイチ消化不良。
「長編デビュー作」を味わう
イ・ソルヒ監督、本作が長編映画デビューで脚本も自らのもののようですが、素直に面白く良く出来た作品だと思います。正直、都合の良さを感じざるを得ない部分は多いです。或いは、描かないことで胡麻化していると思える部分も少なくありません。ただ、予想できる展開と思いきや、そこにちょっとしたアイディアがプラスアルファされていて「有りがち」とは片づけることのできない「光るもの」を感じさせます。
また、バジェットの都合もあるのでしょうが、売れっ子ではなくドラマ中心に活躍する実力十分なキャスティングも効果的で、特に老人役の方たちのしびれる演技がそこはかとなく不穏で、虚実の判断が出来なくなった状況の不気味さは不安を掻き立て、その場から逃げ出したくなる衝動にかられます。
どうしても映画館というような作品性ではないものの、潔いくらい説明は省いているため、何も判らない序盤は特にノリにくく、配信だと集中力が試されるかもしれません。或いは、イ・ソルヒ監督の今後に期待をすればこそ、この「長編デビュー作」を味わうためにも劇場鑑賞する価値はあると思います。興味あれば是非。
韓国
確かに韓国っぽいと言われたらそうだなと、
日本も介護サービスが導入される前だったり、障害者自立支援法よりもっと以前であればあり得る話だろうなと、
ただ、、韓国は貧富の格差社会が改善させる所か未だに当たり前になっているのは犯罪が起きやすい治安になってしまうんだろうなとか、
何処の国も問題を抱え見させてくれているんだと思う。
日本も超高齢社会の今後をどの様に乗り切って行くのか、そして自分はその中でどの様にして、より良く生きて行くのか。考えることが出来るだけ、幸せなのだろう。
連鎖する「困ったら殺す」
貧富の格差をテーマにした、よくできたサスペンス。
後半、「困ったら殺す」が連鎖して破滅へと転がって行く展開は、良く出来すぎて少し覚めてしまった。
テンポが良い代わりに、『パラサイト』のように“おもしろうてやがて悲しき”人間描写が無く、故に全てがよくできたプロットに奉仕する「設定」に見えてしまったのかも知れない。
韓国のビニールハウスは頑丈そう
韓国のどの都市の話かは分からないけど、基本韓国は日本より寒いはず 日本のビニールハウスでは生活は…
ビニールハウス内には、冷蔵庫や照明もあり、どっから電気を引っ張ってきている?トイレや風呂は?といった細かいことはおいておいて、先生と言われていた人は?なぜ主役の女性や女の子と肉体関係が…の疑問には目くらの男性(過去小説家?)の弟子だったりと❓❓❓がかなりあったけど、最後はちょっと主役が…
主役の女優はアラフィフだけど、艶があった❗弟子の先生が羨ましくもあったが、韓国の現代の闇をみせつけられた感じでした❗
途中までは思ったより退屈だが怒涛のラスト
2024年劇場鑑賞61本目。
予告で見たままに、介護しているおばあさんを死なせてしまい、おじいさんにバレないよう替え玉を用意する、という話が進んでいき、そこに多少の肉付けがあるのですが、あまり緊迫感が感じられず、淡々と進んでいく印象だったのですが、最後急に韓国映画ならではの嫌な感じに急になっていって、こんなの思いつくやつぁ人間じゃねぇってなくらいにエライことになっていくのはすごかったです。まぁその後ももうちょっと見たかったので点は抑えめです。
見ごたえあり
主人公ねーさん、ボケ老人夫妻。上手いですねぇ。前のめりになりましたねぇ。なるほどラストのシメ。まさかあぁなるとは。最後まで目が放せませんよー。yukÌsupÌcaさんのレビュー予習してから観るとよく解りましたけど。さて皆さんはいかに。
0530
どうして負って連鎖するんやろうなー
ちょっと要素多すぎ感があるが、どれひとつとして明るい要素が見当たらず、ラストまでとにかく暗く重たい。そしてこれから主人公はもっともっと重いものを背負っていくになる。これは多々の社会問題を抱える現代への警鐘なのか…
とにかくこんなによく晴れた暖かい日に鑑賞する作品でないことは確かです(^^;;
惜しい映画だがなのだが
着想はかなりよく、報われない人間の負の連鎖を描いてはいるが、手垢付きすぎの題材で、少し盲目や認知症などを入れて工夫はしているがかなりやはり偶然の連続だけではもたにい。
もう少し捻るなりしないと残念な映画で終わる。
胸糞悪い終わりだがだからこそ、息子の罪や自分の罪などを描いて、渾身のラストに持っていくべきなのだが、その当たりの話が薄くただの胸糞映画になっている。
難しいですね。
主人公の女性が何か障害を持っていそうだが、はっきりしない。事故で人が亡くなったときも先の見えない隠し方するし、なぜ先のみえない行動をするのか理解に苦しむ。好きな人もいるのでしょうが自分には合わないようです。
でも、ラストは好きかな。息子との暮らしを目指して死体を処分するが、息子も焼き殺したのではと思わせる演出は、ちょっと引き込まれました。
そのタイミングの蕨はミミズに感じる
盲目の夫と認知症の妻という老夫婦の家で家政婦として働き、ビニールハウスで暮らす女性が成りすましを企てる話。
早々に、夫も初期の認知症と告白される中、上っ面感満載のインチキ臭いグループセラピーで知り合った知的障害の女性を絡ませつつ、夫の留守中に風呂場で暴れて頭を打った妻の代わりに自分の母親を住まわせる流れになっていくけれど、衝動とはいえこれで上手く行くと考える様な主人公にはみえないし、母親は突然の登場だし、急に喋らなくなったことには触れないし、御都合主義が過ぎるというか…まあ案の定な訳だけど。
そもそももう引っ越し決めてるし、母親を厄介払いしたかっただけなのか?と思ったら、喋れるんですね(´・ω・`)
新?老夫婦については決着もついたけれど、それ以外は全部途中でぶった切った、えっ終わり?というラストだし自分には消化不良だった。
なぜ「ビニールハウス」なのかもう少し説明が欲しかったところ(補足入れてます)。
今年105本目(合計1,197本目/今月(2024年3月度)23本目)。
(前の作品 「愛のゆくえ」、次の作品「薄氷の告発」)
大阪市で韓国映画を見たいならシネマート、ということで…。
介護問題ほかが社会問題になるのは日韓共通ですが、映画のタイトル名にもある通り、韓国では「ビニールハウス」は社会問題になっています(後述)。ただ、「その観点での」問題提起は少ないため、「半地下よりマシ」というキャッチフレーズがついていたかと思いますが、結局「どこであっても同じ」(駅でも公共施設でもどこでも、一般的に「自宅化」できうる場所という意味において)という点で、ややタイトルが混乱させる気がします。
問題提起型のタイプだと解するなら、介護問題ほかの論点は、日韓では制度は多少違ってもかかえる問題はほぼ同じですし、福祉制度がそもそも違う他の国(文化圏として類推ができる、中国、台湾ほかを除く他の国ということ)では「逆に何を言っているのだろう?」ということになって、理解が両極端に分かれそうな気がします。述べたように、介護問題等は日韓ほぼ共通で抱えている問題なので、あまり問題提起というレベルに至っていないようにも思えます(趣旨は違っても文化圏である以上は類推ができる)。
かつ、韓国国内で問題視されている「ビニールハウス」については、色々な「大人の事情」から真向面から問題提起されておらず(この点は「コンクリート・ユートピア」と同じ。これも後述)、ある程度知識がないと理解に詰まる映画の代表例ではないのかな…といったところです。
採点は以下のようにしています。
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(減点0.3/「ビニールハウス」であることの説明が難しい)
実は、韓国ではいわゆる「住宅喪失者」がビニールハウスに住み着くことが社会問題になっています。ビニールハウス自体は日本にもありますが、韓国ではいわゆる「都会」でも少し離れるとみることができること、監視があまり厳しくないこと、さらにビニールハウスがその構造上「雨をしのぐことができる施設」であることなど、いくつかの要因がかさなって、そこを「不法占拠する」類型が問題になっています。
ただ、それだけにとどまらず、日本以上にIT化が進んだ韓国ではビニールハウスもITで管理されることが多く、また、当然のごとくIT化されようが「ビニール」で作られているのは確かです。つまり、電気の不正利用から派生する「火災事故」が日本以上に多く(日本ではそもそもビニールハウスを不法占拠するという事例があまりない)、農家まで巻き込む大火事になったりと、ニュースや新聞でたびたび問題視されている事情です。
この場合でも当事者の責任(出火責任)を問うことが可能であるのは日韓共通ですが、同じく「さしたる補償も期待できない相手に責任を問うことの意味がない」こともまた事実で、実質的に訴訟ほかも無意味な状況になっています(この点は日本でも同じことは起こりうる)。前述したように、韓国では都会でも少し離れると普通にビニールハウスを見ることができるので、そこから起きた火事が一般の住宅街ほかまで延焼して被害が甚大になることもありますが、「誰も責任を取れない」状況になってしまうのです(責任を取る取らないではなく(経済的に)「取れない」というのが正しい)。
では、いわゆる「住宅喪失者」が日本のそれに比べて多いのかというと、日本では賃貸にせよマンション・アパートの類は、借地借家法ほかで「借り手重視」というほど根強く守られていますが、韓国ではそうではなく、債権(賃貸借)ではなく物権の「チョンセ権」で守られるものですが(賃貸するときに7~8割を出して、退去するときに帰ってくるシステム)、これに関係するトラブル(詐欺や、貸主が突然お金を持ったまま「逆夜逃げ」するパターンなど)が多く、「コンクリート・ユートピア」はそれを描いた作品ですが(ただ、不動産業界の反発が強かったのか、直接的には描かれていない。KBS(韓国の国営放送。日本のNHKにおよそ相当する)ほかの公的サイトではストレートには書かれている)、本映画も「住宅喪失者」がそもそも「なぜ(日本など隣国と比べて、比率割合として、多く)発生するのか」という点もここに来るものですが、やはり不動産業界からの反発はあったようで、本映画も公式サイトほかを見るとやはりこの「不動産トラブル」(賃貸借トラブル)から発生するトラブルに関係する映画なのですが、これらの描写の大半をカットしたために、なぜにタイトルが「ビニールハウス」なのか、またそのタイトルで延々と介護問題が描かれるのかなどが理解しがたい、といった部分はあります。
(補足) 韓国のチョンセ権は、日本の賃貸借(債権に分類)に形式的に似ますが、日本では住宅の賃貸借にあたっては敷金を支払うほか、月の家賃などは振込制なので、貸主(家主)さんが「逆夜逃げ」したとすれば「敷金は帰ってこないが、家賃の振り込みもできなくなる」ことになります(こういったケースでは、何もかも証拠を消して夜逃げするので)。つまり、本人に帰責性がない「逆夜逃げ」は借主によっては得になってしまうのです(振込先が存在しないなら、常識的に生活する限りにおいて何も言われない)
(減点なし/参考/敬語についての日韓の違い)
「ほら、おじいちゃんには敬語を使わなきゃだめだよ」というシーンです。
日本では敬語の使い方としては「自分、相手、敬語を使う対象」の「3者の関係」をみます。したがって「会社などを紹介する場合は、社長の紹介でも社長へは敬語表現を使わない」という特徴があります(相対敬語)。これに対して韓国は「自分と敬語を使う対象」の「2者の関係」になるため、家族であっても「年上なら敬語を使う」ことになります(絶対敬語)。
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余分な部分を削ぎ落とした作品
訪問介護士でえるジョンウンはビニールハウスで暮らしているが、
そこまで追い詰められて貧困については説明がない。
作中で息子が少年院にいることや離婚歴があることは語られているが、
現在の生活に至るまでの経緯は語られない。
時折、自分自身を殴る自傷行為が描写され、
そのため自助グループに繋がるエピソードはあるものの、彼女の心の傷や闇については深く語られない。
ラストも深い余韻を残して終わる。
語りすぎないことが時にはかえって雄弁に語ることもあるのかもしれない。
どこまでも転がる負の連鎖
あらすじを読んだ時点で予想は付くものの、どこまで行っても救いのない負の連鎖。最後なんて笑っちゃうくらい…
しかし「これはどこへ転がっていくんだ…?」と展開からは目が離せない。
役者の皆さんの演技はすさまじいし、ディレクションも的確。ただひたすらにしんどい…
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