「クーデターの内幕を丁寧に描いた力作。緊迫に満ちた2時間22分。飽きさせず最後まできっちりみせる。」ソウルの春 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
クーデターの内幕を丁寧に描いた力作。緊迫に満ちた2時間22分。飽きさせず最後まできっちりみせる。
ファン・ジョンミンがチョン・ドゥファンを演じる。韓国の名前は日本では原語発音をカタカナで表記することになってしまったのでどうも分かりにくいね。馴染のある表記だと全斗煥です。士官学校の同期生でチョンの後で大統領になるノ・テウ(盧泰愚)も重要な役割で出てきます。1980年12月12日のいわゆる粛軍クーデターを描いたものですが、79年に暗殺されたパク・チョンヒ大統領以外は別名になっている。実話に基づいており登場人物には全てモデルというか実在人物が符合する。時代としては「南山の部長たち」(パク大統領暗殺)と「タクシー運転手」(光州事件)のちょうど間に位置するがそういえばこの2本の映画もモデルの名前を変えたフィクション扱いの作品だった。
フィクションにしたほうがおもいきった表現ができるからでしょう。粛軍クーデターの頃の関係者にいまさら忖度する必要があるとは思えないが、とはいえ史実にがんじがらめになることなく人物の性格づけをしたりそれぞれの思惑を掘り下げて描くことがより自由にできるのだろうと思う。また参謀総長公邸や特殊戦部隊本部などでの銃撃戦も史実よりもやや規模を大きくして描かれているようにもみえる。要するにドラマチックなのである。
そして、この映画は、クーデターの内幕、推移を丁寧になぞることに加え、登場人物をきちんと描き分けることによってドラマとしても深みのある実に見応えのある作品となっている。チョン・ウソン演ずるところのイ・テシン将軍がややヒロイックに描かれすぎている嫌いはないとはいえないが。
民主化という切り口から民衆の姿がみえないとの批判もあるようだが朝鮮近現代史の中ではこれは陸軍内部の抗争に過ぎない。
ただチョン・ドゥファンという怪物に権力を集中させてしまったターニングポイントではあった。
この後、光州事件が起こり、韓国の民主化は20年は遅れることとなる。一方で、チョン・ドゥファンは民主化後の逮捕、裁判、収監を乗り越え、2021年に90歳で亡くなるまで生き延びた。
有難う御座います!
そっかー議員になったんですね!
総理大臣でもいいくらい(笑)
もう1人のおじさんはあれで没ったんでしょうね。
官房長官?あいつは最低だったなー
皆んな嫌いだったけど(笑)