「レンガで殴って倒すのかと思ったら違ったけど、相棒のオーバーキルは爽快感たっぷりだった」ブリックレイヤー Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
レンガで殴って倒すのかと思ったら違ったけど、相棒のオーバーキルは爽快感たっぷりだった
2024.3.28 字幕 T・JOY京都
2023年のアメリカ&ブルガリア&ギリシャ合作の映画(110分、PG12)
原作はポール・リンゼイ(PN:ノア・ボイド)の『The Bricklayer(邦題:脅迫)』
CIAからレンガ職人転身したエージェントが、過去のミッションの余波に巻き込まれる様子を描いたスパイアクション映画
監督はレニー・ハーリン
脚本はハンナ・ウェグ&マット・ジョンソン
原題の『The Bricklayer』は「レンガ職人」という意味
物語の舞台はギリシャのとある街
ある女から情報を受け取った男は、CIAを転覆させるネタを掴み、温めていた計画を実行していくことになった
一方その頃、アメリカのとある街では、CIAエージェントを辞めてレンガ職人をしているヴェイル(アーロン・エッカート)がいて、ある建物の屋根の手直しをしていた
だが、突如天気が荒れ、雷雨によって、仕事を中断せざるを得なくなってしまう
そんな彼の元に、CIA長官のオマリー(ティム・ブレイク・ネルソン)から連絡が入った
それは「CIAを脅迫している男がいる」というもので、その男は「ヴェイルが殺したはずの元CIAエージェント・ラデック(クリフトン・コリンズ・ジュニア)である」というのである
ヴェイルはオマリーの打診を断ることができず、新人のケイト(ニーナ・ドブレフ)と組まされることになる
ラディクはドイツ人ジャーナリストのグレタ・ベッカー(ヴェロニカ・フェレス)を殺害し、次のターゲットはギリシャ人記者のアレコス・メラス(Micheal Siriopulos)だと指定してきた
そこでヴェイルとケイトは、ギリシアのテッサロニキへと向かうことになったのである
物語は、敏腕だけど隠居している元エージェントと実践経験の少ない若手が組まされるというもので、どこかで聞いたことのあるようなプロットになっている
また、敵がかつての友人で、その友人はある原因で復讐の鬼になっているという流れも、どこかで聞いたようなプロットだったりする
CIA映画あるあるが詰め込まれた古典のような作品で、特徴的なのはレンガ職人をしているというところなのだが、その特性が活きるシーンはほんのわずかしかなかった
黒幕は出てきた瞬間に二択状態で、想像の範囲を超えてこない
その後始末にケイトが登場するのだが、バカにされまくった怒りが溜まりまくっていたので、少々オーバーキル気味になっていた
基本的に旧友との殺し合いがメインで暗いので、最後ぐらいはこれぐらいの爽快感があっても良いのかな、と感じた
いずれにせよ、観たいものを見たという感じになっていて、それ以上でもそれ以下でもない印象
量産型CIAスパイアクションだが、原作が原作なので仕方ないように思う
無駄に入り組んだ物語よりもわかりやすいので、『オッペンハイマー』で死滅した脳細胞を活性化させるには良いのではないだろうか