ゆるしのレビュー・感想・評価
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監督の思いを
自身も新興宗教信者であったという主演も兼ねた監督の思いは分かる。
が、部外者からすると宗教二世の苦しさは実感できたものの、入信してしまった母親の気持ちはやはり分からずじまいだった…
また、宗教起因とも言い切れない問題もあり(実話ベースとは知ってるけども…)、やっぱり割り切れない…
しかし現在この映画を作る意義は大きく、監督の思いを買う!
ぜひ、多くの人々に観てもらいたい
宗教一世の母と二世の娘の物語。シネマスコーレの初日に鑑賞しました。僕自身は信仰心が極めて薄いので、身に迫るものがほとんどなく、一つの社会問題として宗教…宗教二世・三世のことを捉えていたにすぎません。でも、この問題の真っ只中にいる人たちが現実にたくさんいるのだということを改めて強く意識させられたと思っています。
映画の感想は、とてもよかった…だから、ぜひ多くの方に観てもらえたらいいなぁ、と思っています。
今日は上映後に脚本・監督・主演の平田うららさんの舞台挨拶がありました。
一般の報道に載る宗教2世、宗教3世の問題を、報道の範囲で聞き知るだけでも結構酷いもんだとは思っていたのですが、この映画を観て、なんのなんの!、報道に載るのは「載せても差し障りはあるまい」という「ごくソフトなさわりの範囲」にとどめられているんだろうな、と思いました。
で・も・!
舞台挨拶の中で平田監督は、「この映画の中に描ききれないものがまだまだたくさんあるんです」とおっしゃっていました。平田監督ご自身の経験、体験はもちろんですが、この映画の脚本を書き上げるまでに宗教二世の方々300人以上から聴き取りをされたということで、それはもう、書ききれないさまざまなリアルがあることを切実に感じさせられました。
それから舞台挨拶の中で、この映画を作る上で、さまざまな誹謗中傷を受け、主演俳優が急きょ降板となってしまったというお話もありました。こういう妨害(僕のいう妨害にはさまざまな誹謗中傷に物理的・心理的な圧力なども含めています。)を仕掛ける人たちの考え方、価値観のようなものは理解できていませんし、僕のような傍観者的な立ち位置から理解できるのかどうかもわかりませんが、この妨害そのものと、その裏側に蠢くものを見極めるべく感覚を澄ませていこうと思います。
平田監督ご自身、続編をつくると宣言していらっしゃいましたので、舞台挨拶後のサイン会の時に、続編作るときのクラウドファンディングを募られるのなら、網張って待ってます、とお伝えしました。平田監督の熱量に心から敬意を表し、本編はもちろん、続編も熱烈に応援しています!
救われる方が増えますように
「自分は全然宗教に興味はないけど、その人が信じて救われるなら別にいいんじゃないかなと思っている。」
「たまに勧誘されたりするけど、興味無いので…と当たり障りない感じで断っている。」
こういう人って多いと思うのですが、私もその1人。
ご縁がありこの作品を見ることになったのですが、とんでもなく恐ろしい現実を知ってしまいました。
その人が救われるならまあいいんじゃない?くらいに思っていたのは間違いでした。
そんな簡単なことではありませんでした。
なんでそんなことするの?どうしてそうなっちゃうの?理解できない。意味わかなんない。
そんな場面の連続。
苦しすぎて悲しすぎて涙が止まりませんでした。
自分にできることなんてないだろうと思うけど、とりあえずここに初めて感想書いてみました。
この映画が広まって、救われる人が1人でも増えたらいいなと思います。
私は宗教に縁のない人間ですが、子供を持つ親です。
この映画を見て、今も子供を愛しているけど、もっともっと愛情を注ごうと思いました。
自由に好きなように生きてほしいです。
タイトルが沁みる
扱ってるテーマの性質上、だれも救われない結末は必然だろう。
宗教は弱った者に救いや癒しを与える一方、しばしばコインの裏表の如く「弱みにつけ込む」という邪悪面を持ってしまう。さらに、迷っている人に正解のようなものを提示する事で、自分で思考する、という実存の根幹に関わる習慣を放棄させることもできる。あの母親の言動はまさにその成れの果てを示している。そういう意味で、困窮者や「考える」という営みをしない人・できない人を取り込んで勢力拡大を図る一部の政党はあまりにも「宗教的」だ。話が逸れたが、神様が、いくらでも良からぬ目的に利用可能なツールであるというのはなんと皮肉なことだろう。
信心という物は良心や道徳心の拠り所となり得るから否定するつもりは毛頭なく、評者自身高僧の言葉に心を洗われた経験もある。あのセミナーのリーダーは恐ろしく一方的・断定的な物言いであったが、真に救いを与える宗教家なら、本人が自分の頭で考え抜いて善き道を選ぶよう導くだろう。
主役母子が若干力量不足か。娘が杉咲花で母が中谷美紀だったりしたらさぞかし鬼気迫る作品になっただろうが。
全てリアルでした。
軽い気持ちで観に行きましたが、その後衝撃を受け3日連続で観てきました。
それは、あまりにもリアルで17歳の自分を実写化したのかと思うほど。
タイムマシンに乗って30年前の自分に会いに行くような感覚でした。
平田うらら監督は、3年間300人以上の宗教2世から聞き取りをし、リアルさを追求したとのこと。
当事者でなければ、着色あり、大げさ、わざとらしいと思う方もいるかもしれませんが、これは現実です。母親役の女優さんの演技も圧巻!布教中と家庭の中での信者の表情の差も良く調べてから、演技されていると思いました。
家庭という密室の中、信仰の自由という壁の中で、誰にも助けを求められず、
自由を全く与えらない子どもたちが、
(そうすずちゃんが)この日本には、まだまだたくさん存在します。
その被害者は、おそらく3桁4桁では済まされない数になると思う。
警察も親しい親族なども立ち入るのが難しく、学校などで、隣りにそういう友人がいたとしても、おそらく多くの人が見て見ぬふりをしてきた社会的な問題。
この映画は、そこに深く切り込んでくれました。
私はもうあの世界から離れましたが、ずっと心に蓋をしてきました。そういう方、多いんじゃないかな。今を生きるために。
でも、生きていて良かった。1人じゃなかった。そこに気づいてくれる人は、まだいたんだ。私は、この映画に心を救われました。
少ない予算で、様々な圧力と戦いながら制作されたと思います。映画ですから、エンタメとしての評価もあると思いますが、
こんな形で、人を救う映画もあるんだと知りました。
長年、隠されてきたこの問題…
当事者でない人たちにもぜひ観てもらいたい映画です。
映画に出来ること。
気になっていたテーマなんで見てみた。
ほとんど監督自身、または宗教二世から取材した事実で構成されている。ここは映画サイトなんできちんと評価するべきだと思うから書くが映画としての評価はあまり高くは出来ない。お母さん役の人が娘に対して役的にも技術的にも少し若過ぎたのが気になった。
がしかし監督がアフタートークでも言っていたが、こういう事が実際にある事、自死した二世がいる事を形にして残すという意味で、この映画には価値があると思う、、というか映画ってそんな役割もあるんだなと、、思った。
映画「ゆるし」観てきました。
昨日の日曜日、映画「ゆるし」観てきました。
映像から、宗教2世さんの葛藤や叫びが直に感じられます。
海を見ながら温かく繋がっていた家族でしたが、
偽りの神への愛が、人との繋がりを破壊していく怖さや悲しさに耐えられず、
懐かしい海へ温かさを求めるすずが悲し過ぎました。
映像を思い出すたびに涙が溢れてきます。
終わりの見えないカルト2世問題を扱った衝撃作
元2世の自分にとって心がちぎれるぐらいの衝撃作。
自分を含めて、主人公と同じ心境を味わってきた宗教2世の仲間たちは沢山いるし、その誰もが、未だに解決していない、つまりどこまで行っても救いがないのだ。
この映画はそれをリアルに描いていた。
常にカルトの教えに縋り続け、極めて狂信的且つ狭量で不憫な母親の元に育った娘が主人公。
その一人娘にひたすらに焦点を当て、人の怖さ、哀しさ、寂しさ、その全てが詰まった期待以上の力作だと思う。
これが、初監督、初脚本、初主演の若干23歳の監督作品とは決して思えないし、むしろ開始直後からすぐさま劇中に没入してしまい終始、前のめりで観続ける事ができた。
だから、これから観られる方は、そういう前情報を全く意識しないで観てほしい作品。
劇中で主人公すずのラストのセリフは、震える魂からの渾身の叫びだった。。。
たぶん、すずは相手の反応を予め分かっていたのかもしれない。
だから、間髪いれずにあの言葉が出てきたのだと。。。。
(是非ネタバレを見ずに実際に会場に足を運んでこの映画を観られる事をおススメいたします)
神頼み
新興宗教の信者である母親に洗脳されて育った、宗教2世の16歳の娘の苦悩の話。
競争はいけないとクラス対抗のマラソン大会への出場すら禁止され、イジメのターゲットになった主人公が、祖父母を頼り疑問を抱くストーリー。
信仰は自由ですし、自分に害が及ばなければ批判もしませんが、人に強要するのは間違いだし、信仰しなければみんなサタン?随分と了見の狭い神様だこと…なんて思うし、幸せになる為の、救われる為の信仰に、縛られた時点で疑問を抱かないのかと思うけれど、縛られていることに気づいていないということですね。
世界的にみたら、未だに信仰心の無い人の方がマイノリティですしね。
演技演出の物足りなさやつくりの安っぽさは仕方ないところもあるけれど、折角の不快なストーリーも見せ方も、それで終わり!?な中途半端さ。
ちょっと忖度し過ぎじゃないですか?
確かにどう結末を描いても偏った感じになってしまうところはあるけれど、それを描かずして何を言いたいのかと感じた。
映画ゆるし初日舞台挨拶を観ました
※ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください。
ラストシーン、これまでたくさん我慢してきたすずの叫びに、表情に自然と涙が溢れました。
声は入っていないのに声が聞こえました。すごい演技。
母の恵役は実年齢の一回り以上も上を演じたとのことでしたが、ヘアメイクの力も借りつつなんら気にさせない圧巻の演技でした。
私的に母親が子どものように見えるシーンがあって、ただ役者が若いからとかではなく、母親である上で子どものような表情で、それがなんとも言えない気持ちにさせて、役者にもキャスティングにも大拍手でした。
試写会も見ており、今回音の良さを体感しました。
エキストラなどもったいないと感じるシーンも多少あるが、主役2人、それを支えるメインキャストの演技はとてもよかった。
宗教と虐待、分けて考えても重たい、そんなテーマ。知識の浅い私が下手に発言するのは良くないんじゃないか、感想を書くときになってもなぜかそんなタブー感がある。
虐待は、子から親への無償の愛に付け入る残虐な行為。子どもは痛くても辛くても嫌でも親のことを愛してしまう。他人の温かい家庭がどれだけ眩しくても羨ましくても、自分の居場所はここだと思ってしまう。親がどれだけ嫌な人でも、あの優しそうな友だちの親と変わればいいのにとは絶対に思わない。親と自分で温かくなりたいと切に願ってしまう。
虐待というテーマ1つとっても、そんな子どもの心を1時間という時間の中で繊細に表している映画だった。
私は、わかりやすくそして触れずらい宗教という問題があるだけで、虐待の本質とはこういうことなのではないかとただ思ってしまった。
宗教が親子関係をわかりやすく表してくれているだけというか。
決して家庭内暴力を肯定するつもりはないが、
宗教というものへの考えとしてはむしろ、学校の教師や同級生、家庭外の対応のほうが問題だと感じてしまう。
当然、生きてきた道は人それぞれで、人それぞれ考えがあって、それは信仰となんら変わりなく、一定のラインを越えた途端に宗教になると思った。
これは宗教というわかりやすい理由があるだけのただの虐待だと思った。
信仰という言葉で自分を正当化するな。
触れずらいからって宗教という言葉に逃げるな。
良い作品だと思いつつどうしてもモヤモヤするのは、見た後そんな怒りが私の中にあったからだと気づいた。
作中、宗教の話をできる友人に出会って、すずが本当の意味で話して笑い合うシーンは胸がキュッとなった。
でもそれも、作品上、宗教がわかりやすく2人を結びつけたにすぎず、宗教でなくてもそうして心通う瞬間には憶えがある。
贅沢を言うなら、“宗教虐待”特有のこわさをもっと感じたかったとも思う。
監督の想いを知った上で、より強く感じられる、問題として受け止められる作品です。
宗教への知識が薄い私個人の感想です。
この映画には、母娘の関係を通して様々な形で「宗教2世」の人たちが体...
この映画には、母娘の関係を通して様々な形で「宗教2世」の人たちが体験した事がリアルに描写されていました。キャストの方達の気迫のある演技にその悲惨さ、または異常性が込められていたのを私も見ていて感じました。
私は「宗教2世」の当事者なので、観ているうちに過去の自分の体験を思い出してしまう事もあり辛かった部分もありますが、せっかくこのような形で「宗教2世」が体験している現状を映画化されたので、是非当事者だけではなく一般の方にも観て頂きたいと思っています。
叶うならばこの上映を通して、次回作になる作品が制作されることを期待しております。
それが実現するためには、今回の上映の成功を心から応援しております。
親/自由/人権を奪われ、奉納金を稼ぐ宗教2世のリアル
宗教2世問題が取り沙汰されたのは、山上被告による、安倍晋三元首相の暗殺事件。
平田うらら監督は、その前から、友人宗教2世の自死に衝撃をうけ、その悲劇を繰り返さない為、
友人を救えなかった自分に出来る事として、新興宗教からの妨害/嫌がらせを受けつつ、この作品を自腹とクラファンで制作し、宗教2世救済の必要を世に問うている。
同じ日本人として、宗教2世の実態を知らなかった自分を恥じる。
自分にも出来る事はないか...
細かい心理描写を挟みつつ、展開に無駄がなく、三池崇史監督に師事しただけの事がある見応え。
関西でも上映されるみたいなので、また、観に行きます。
許されざる者より
舐めていた。監督主演が若い女性であるが故なのか老害よ。
1時間の上映が2時間くらいに感じられる重厚な作り。仕事でB級のドラマをよく見るが低予算映画にありがちなB級臭さを全く感じさせない画角。色味。脚本(スプリクトドクターはいたのだろうか。)劇伴(私的には抑制が効いていてよかった)。映画的省略も活きていた。何より主演の演技が白眉。幼少期からの役者交代も気付かないほど自然だった。あまりにその演技が圧巻すぎて恐らくキャリア的には上の相手女優の演技を食ってしまっていたほどだった(私的にはこの相手役の演出は自分の経験と照らして過剰に思えた(ただこれはこの映画をエホバの証人ファンムービーに止めないようかのカルト教団の狂信性を一般客に理解させる為のものなのかも知れない))。座席に着くなりエホバの証人の大会がフラッシュバック。何故なら他の映画と違ってみな礼儀正しい。上映までの会話も抑制されたトーン。この絶妙な音響で大会会場のコーヒーとバプテスマプールの塩素の香が脳内惹起された。また上映後のトークショー登壇者に対する拍手の始終のタイミングが集会のそれになってしまい苦笑。
素人の分際であえて苦言を呈せばやはり主演女優と助演女優の力量の差がノイズになってしまった事と、宗教団体の描写をぼかさずに描き切ってしまうのが良かったんじゃないかなと思った(色々と制約があったかもしれないが)。特に聖書の書名はそのままにして欲しかった。
しかし、この映画はカルト宗教に関わった人が打ち立てた一つの金字塔に違いない。もし可能なら続編も見てみたい。
(Xより転載一部改変)
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