劇場公開日 2024年3月22日

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「許されざる者より」ゆるし gehaziさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0許されざる者より

2024年3月23日
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鑑賞方法:映画館

知的

舐めていた。監督主演が若い女性であるが故なのか老害よ。
1時間の上映が2時間くらいに感じられる重厚な作り。仕事でB級のドラマをよく見るが低予算映画にありがちなB級臭さを全く感じさせない画角。色味。脚本(スプリクトドクターはいたのだろうか。)劇伴(私的には抑制が効いていてよかった)。映画的省略も活きていた。何より主演の演技が白眉。幼少期からの役者交代も気付かないほど自然だった。あまりにその演技が圧巻すぎて恐らくキャリア的には上の相手女優の演技を食ってしまっていたほどだった(私的にはこの相手役の演出は自分の経験と照らして過剰に思えた(ただこれはこの映画をエホバの証人ファンムービーに止めないようかのカルト教団の狂信性を一般客に理解させる為のものなのかも知れない))。座席に着くなりエホバの証人の大会がフラッシュバック。何故なら他の映画と違ってみな礼儀正しい。上映までの会話も抑制されたトーン。この絶妙な音響で大会会場のコーヒーとバプテスマプールの塩素の香が脳内惹起された。また上映後のトークショー登壇者に対する拍手の始終のタイミングが集会のそれになってしまい苦笑。
素人の分際であえて苦言を呈せばやはり主演女優と助演女優の力量の差がノイズになってしまった事と、宗教団体の描写をぼかさずに描き切ってしまうのが良かったんじゃないかなと思った(色々と制約があったかもしれないが)。特に聖書の書名はそのままにして欲しかった。
しかし、この映画はカルト宗教に関わった人が打ち立てた一つの金字塔に違いない。もし可能なら続編も見てみたい。
(Xより転載一部改変)

gehazi